エクアドルの医療事情について
■ライター情報 飛鷹佳子 25年度2次隊エクアドル、看護師。 愛媛県出身。日本の大学病院・地方病院で6年間勤務後、協力隊へ応募。南米赤道直下にあるエクアドルのジャングル地方の病院で活動中。 |
南米エクアドルのアマゾン川源流であるオリエンテ地方に看護師として配属されて10か月が経ちました。私は小さな診療所と、県病院で働いています。
エクアドルは日本では決して有名ではありませんが、赤道直下の国であるということ、バナナ、ガラパゴス諸島があるところとして、知っている方もいるのではないでしょうか?
世界遺産もガラパゴスを含め、4つ有しています。
ガラパゴス地方、それから首都もあるアンデス山脈シエラ地方、海沿いがコスタ地方、内陸部がジャングルであるオリエンテ地方と分かれていて、気候や風土、文化も非常にバリエーションに富んでいて面白い国だと思います。
山岳部やジャングル地帯にある小さなコミュニティには、電気や水道が整備されていない場所もまだありますが、都市部は発展していて、概ねどこの地域でも電気・水道・ガス・インターネットなどなど、インフラが整備されています。下水道は本当にまだまだなので、汚水は川に流れている状態。本当に深刻なことになる前に、河川の汚染が食い止められればよいのですが。
今回はそんなエクアドルの医療事情を少し紹介したいと思います。
こちらの医療事情は10年、20年前の日本といった印象。
都市部の大きな病院では大分整っていると思いますが、地方の病院では、純粋な医療のレベルだけではなく、医療者と患者さんの関係が一昔前の日本と被るなあと思います。
患者さんはまな板の上の鯉、医療者は患者さんを背景など含めてみるのではなく、その場で疾患を見ている、といった印象です。医療者が圧倒的に強い立場にいるなあというのは、恐らくエクアドル中の医療現場で共通することではないかと思います。
病院でよく見る疾患は、風邪、肺炎などの呼吸器感染症、寄生虫、下痢などです。また疾患とは違いますが、妊娠での受診も多くあります(若年妊娠も非常に多いです)。胃炎や神経炎として問診だけで診断されることも、非常によくあります。それは、診断材料が日本ほどそろっていない上、それ以上の診察を行うのはお金がかかるという理由もあります。
正直に言って、まだまだ彼らに役に立つ活動はできていませんが、不安そうにしている患者さん、家族、それから看護師の皆にも、この人が来てくれてよかったなあ~という想いを持ってもらえるように、残り1年と2か月、頑張っていきたいと思います!