「ドラゴンボール・スタンプラリー」を巡る人間ドラマをご覧ください。
日本

あなたは今、JR東日本で天下一のスタンプラリーが開催されているのをご存じですか? スタンプ台に群がるのはなんと大の大人たち。すっかり少年、少女の表情に戻った大人たちが必死に集めるのはそう、あのドラゴンボールのキャラクターたちのスタンプです。
ドラゴンボール世代でありながらもドラゴンボールのことをあまり良く知らない筆者がなぜこのスタンプラリーに挑戦したのかというと、あることをきっかけにこのスタンプラリーを巡る人間ドラマが面白そうだということに気が付いたからです。やると決めたからには何か目標を決めたほうが楽しめそうだと思い、思い切って全65駅のうち約半分の30駅を半日で回るという目標を立てました。
さて、結果はいかに? ここに記すのは筆者の汗と涙の結晶の物語です。

スタンプラリーを始める前に

まずはスタンプラリーを始める前に最低限押さえておいたほうが良いポイントをいくつかご紹介します。

・期間は1/10~2/27までの毎日、始発から終電まで(賞品の引換えは2/28まで)
・全65駅全てのスタンプは改札外
・スタンプラリーを回るには、東京23区内の普通列車(快速含む)の普通車自由席が乗り降り自由になる都区内パスが便利(一部都区内パスでカバーされていないエリアあり)
・賞品は7駅、30駅、65駅をそれぞれ達成した時点で受け取ることができるが、受け取り場所は要チェック。30駅、65駅制覇の賞品の受け取りは秋葉原の特設ゴールカウンターのみ
・タイムロスを防ぐために、事前に各駅のスタンプ台の位置を確認すべし。公式サイトではありませんが、ありがたいことに全てのスタンプ台の位置を一覧表にしてくれているサイトがありますので、ぜひ検索を。こちらがあるのとないのでは、雲泥の差
・気合と根性は必須

以上のことを踏まえた上で、早速都区内パスを買いましょう。
都区内パス
JR新宿駅の指定席券売機で750円の都区内パスを買って、東口みどりの窓口前でスタンプ帳をゲットして、準備は万端です! 集めまくるぞ~!

手始めに中央・総武線沿いを攻める

スタート地点は新宿駅。開始時間は13:30。この日は平日でした。山手線沿いはテンポ良くスタンプを集められると予想し、まずは電車の待ち時間が少しネックになりそうな中央・総武線三鷹方面の駅を回ることに。
高円寺
私のスタンプラリーの目的はもはやスタンプを集めることではなく、ひとりでも多くこのスタンプラリーに強い情熱を燃やす人に出会うこと。と思ったら、早速高円寺のスタンプ台前で年配の女性に話しかけられました。
私が高円寺のスタンプのページが分からずもたもたしていると、丁寧にページを教えてくれました。ちなみに彼女は徐々にスタンプを集める派とのこと。
高円寺
高円寺駅では、なんだかふざけたポスターを発見。でもその駅長さんの遊び心、好きです。
新宿~西荻窪間で集めたスタンプは6つ。西荻窪から新宿方面に引き返します。ここまでで所要時間約1時間。順調なスタートです。なんだか楽しくなってきました。
千駄ヶ谷
新宿へ戻って来たら今度は御茶ノ水、東京方面へ。まずは千駄ヶ谷。
信濃町
信濃町辺りで気が付いたことは、同じ行程で回っている年配の男性がいるということと、電車を降りる時に電光掲示板で次の発車時刻をチェックしてからスタンプを押しに行くのが効率的だということ。
御茶ノ水
御茶ノ水まで各駅の電車の待ち時間はほとんどなく、更に電車内で次に行く駅のスタンプ台の場所を常に確認していたため、一切迷うことなく想像以上にハイペースで回ることができました。
ところが夕方頃になると、学生や会社帰りのサラリーマンたちで電車が混み始めます。もしも私のように半日でスタンプラリーを回りたいという方がいらっしゃっいましたら、平日は午後から始めるよりも朝始めて夕方終わるスタイルのほうがオススメです。
神田
御茶ノ水からは中央線快速で神田へ向かいます。神田で目標30個のうち15個が終了。ここまでスタンプラリー開始後ノンストップで2時間半です。時刻は16時。

東京駅で楽しむドラゴンボールの世界

東京
神田から東京に移動し、まずはスタンプをゲット。平日とはいえ東京駅はやはり少し並んでいました。休日の列を想像すると恐ろしいです……。
東京
3駅ぐらい前から、スーツのネクタイを捲り上げてまで必死にスタンプを押すサラリーマンが登場しました(写真には映っていません)。
彼は20冊ぐらいのスタンプ帳を抱えてリズミカルにスタンプを押していたのですが、JR東日本&孫悟空からのお願いで、スタンプ帳はひとり1冊を順守してくださいとのこと。
※スタンプ帳をひとりで2冊以上持っていても、賞品はひとつしか受け取ることができません。
東京
東京
東京
こちらは東京駅構内地下1階びゅうスクエア。東京駅ではドラゴンボールスタンプラリーの開催期間中、連動企画や連動メニューを楽しむことができます。ちおなみにこちらは「神龍パブリックアート」が楽しめるポイント。
グランルーフ
グランルーフ
グランルーフ
グランルーフ
グランルーフ
グランルーフ
グランルーフフロント地下1階では全65駅に設置されているスタンプのキャラクターのパネルがずらりと並んでいます。

グランルーフ立ち寄り後、そろそろ足が疲れてきたので休憩をすることに。現段階でスタンプは16個。目標までまだあと約半分あります。楽しい反面、正直かなりしんどくなってきました……。コーヒーを2杯ほど飲み、気合を入れます。

この時点での反省点は、あまり長く休憩をとるとしんどさが増すので休憩は30分程度で切り上げるべきだったということと、とにかく階段やエスカレーターの上り下りが多いので、スニーカーのような動きやすい履き慣れた靴で挑むべきだったということです。

山手線沿いを攻める

先ほど総武線であえて秋葉原まで行かなかったのには理由があります。30個の賞品引き換えまで全てその日中に終わらせるつもりだった私は、秋葉原でちょうど30個目のスタンプを押し、その足で7個の賞品も30個の賞品も両方貰って帰るという計画をしていました。そしてそのためには秋葉原に遅くとも19時45分までには到着する必要がありました(特設ゴールカウンターは13:00~20:00まで)。
新橋
時刻は17:30過ぎ。まずは新橋へ。東京から新宿方面へ進んでいきます。
駅長ポスター
何駅だったか忘れてしまいましたが、またふざけたポスターを見つけました。
新大久保
各スタンプ台のパネルには各駅からのメッセージが必ず書かれており、これを読むとこのスタンプラリーにかける駅員さんたちの情熱が伝わってきます。
上野
上野
途中運転見合わせというハプニングがあり、更に帰宅ラッシュの満員電車に巻き込まれ始めたので、昼間のように思うようにスピーディーに動けず、上野に着いた頃にはもう19:45分を回っていました。
しかもスタンプには列が……。もう20時までに秋葉原の特設カウンターに行くのは不可能ですが、もしかしたら数分の遅れなら間に合うかも知れない!と思い、足を速めます。
秋葉原
秋葉原に着いたのは20時を少し回った頃でした。急いでスタンプを押し特設ゴールカウンターに行くものの、時既に遅し。しょんぼりしながら家路についたのでした。

検証結果

・30個のスタンプを集めるまでにかかった時間は、6時間半(途中東京駅でのグランルーフ立ち寄り時間や1時間休憩を含む)
・脇目をふらず30個のスタンプだけをひたすら集めた続けたら4時間半ぐらいで収まるが、それはスーパーサイヤ人でもない限り恐らく不可能
・労力は想像の倍以上。本気でスタンプを集めたい方には連休をとることをオススメします
・30駅制覇したときの達成感は、長距離マラソンを走り切ったときの感覚に似ている。自分を褒めてあげたい感じ

ラリーを制覇したものだけが受け取ることのできる賞品とは?

賞品は後日受け取りに行きました。

7駅制覇
まずはこちらが7駅制覇のカードダス。全2種類のうち1枚が袋に入っていますが、種類は自分で選ぶことができません。

スタンプ
スタンプ
スタンプ
スタンプ
スタンプ
スタンプ
スタンプ
30個制覇
栄えある30駅制覇の賞品はこちら! オリジナルピンバッジ(スタンド付き)には、全駅制覇でゲットできる商品がセットできるようです。
ちなみに全駅制覇を果たすとオリジナルピンバッジセットと、抽選で合計8名様にオリジナル豪華賞品が当たるそうです。賞品の詳しい情報、その他諸々のスタンプラリーに関する情報は公式WEBサイトをチェックしてみてください。

ドラゴンボールスタンプラリーを巡る人間ドラマ

冒頭で書いた、私がスタンプラリーを始めるきっかけとなったエピソードですが、面白いのでここに記します。
それはスタンプラリー初日のことでした。私はただの傍観者だったのですが、たまたま通りかかった新宿駅のスタンプ台の前にはフランス人男性ふたりを連れた年配の日本人女性と、年配の日本人男性がいました。なんとなく足を止めて様子を見ていると、何やら盛り上がっています。

どうやら女性はスタンプラリーの細かいルールが分からず、男性に聞いたところすっかり意気投合したようです。「この人たち(フランス人男性ふたりのこと)わざわざこのスタンプラリーのために日本に来たんですよ。おかしいですよね?」と女性。女性が男性に、「良かったら今日、私たちと一緒にスタンプラリーを回りませんか?」と言ったのには驚きました。

人は大人になると、子供の頃に当たり前にできていたことができなくなります。大好きなことに目を輝かせて、時間を忘れて遊んだあの日。気が付いたらいつの間にか、仲間が増えていたりもしました。そんな忘れかけた青春の輝きを取り戻したいあなたを、ドラゴンボールのキャラクターたちが待っていますよ!

この記事を書いた人

Makiko Suga

Makiko Suga海洋生物の素人スペシャリスト/動物&自然オタク/世界中の秘境地&穴場スポットマニア

幼少期に有名なイルカの研究家と運命的な出会いを果たす。以来海洋哺乳類に魅せられ、海洋生物学者への道を志すが挫折。その後は海洋生物とは無縁の生活を送っていたが、2015年に海洋生物の宝庫であるカナダに留学。あるクジラとの出会いが自分の人生を変える。子供の頃の夢を追い続けながら世界に目を向けている永遠の旅人。得意分野は自然、動物関連だけにとどまらず、多岐にわたる。

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