日頃の生活で、ダムが重要な施設とわかっていても、わざわざ山奥まで出かけようなんて思いませんよね。ダムマニアだけが知っている、「秩父4ダム」巡りをしながらひと足早い紅葉狩りを楽しむ方法をご紹介します。ダムを制覇した証に、すてきなプレゼントも手にすることができます。
秩父4ダムを制覇!限定カードを手に入れるための、たったひとつのルールとは?
国土交通省と独立行政法人水資源機構の管理するダムで配布している、名刺サイズのカードが、ダムカードと呼ばれているものです。一般的にあまり知られておりませんが、最近では都内から出発して10,000円弱の予算のバスツアーで巡るプランもあり、ひそかに人気を集めているようです。
ダムマニアの間では、希少価値の高いダムカードが売買されているなんて話も耳にします。ひと言でダムカードと言っていますが、ダム情報が満載のカードは、マニアにとって魅力的なアイテムです。
「秩父4ダム」を効率よく順番に巡って、限定カードを手に入れるには、たったひとつのルールがあります。それは、それぞれのダムの管理事務所でダムカードを頂き、最後に訪れる場所を「二瀬ダム」にすることだけです。
①縁起が良いとされる「合角(かっかく)ダム」に真っ赤なモミジ
ナビ入力は、「埼玉県秩父市上吉田4850-1」。
秩父市街から30分、別名「西秩父桃湖 (にしちちぶももこ)」と呼ばれているダムです。ひらがなにすると、女の子の名前のようですね。なぜ縁起が良いかと言うと、「合角」という文字が「ごうかく」と読めるため、受験生や国家試験などを受験する人などのパワースポットになっています。
ダムカードをもらうために、駐車場から堤頂部横にある管理事務所へ向かう途中、数葉だけ真っ赤に色づいたモミジを見つけました。ここまでの行程で、ピンクとオレンジの中間色に色づいたヤマザクラを見かけましたが、紅葉したモミジにやっと巡り合えました。
ダムカードは管理事務所のロビーにインターフォンで、「ダムカードが欲しい」と伝えればもらうことができます。
②「浦山ダム」から始まる浦山渓谷が紅葉狩りのメイン!その人気の秘密とは
ナビ入力は、「埼玉県秩父市荒川久那4041」。
秩父市街からわずか15分という近さだけが、人気の秘密ではありません。合角ダムから30分ほどの移動です。別名「秩父さくら湖」と呼ばれているダムです。
色づきはじめたモミジが浦山ダムへ向かう山道で出迎えてくれます。紅葉狩りのメインは浦山ダムから始まる浦山渓谷です。
浦山ダムが人気の3つ理由とは?
人気の理由①恋愛スポット
堤頂部に6つのモニュメントがあります。そのうちのひとつに「鯉の後生車」があり、恋愛成就スポットになっています。「恋のお願い聞いてください。後生だから」と言って、鯉の彫刻の横についているマニ車を、1回・2回・3回とまわすと願いが叶うと言われています。他にも、願いを叶えてくれる「うちでの小槌」のモニュメントもありますので、ぜひ探してみてください。
人気の理由②洞窟チックな空間
ダム内部が解放されているので、無料で見学ができます。堤頂部にあるエレベーターに乗り、一挙にダムの132m下まで降ります。通路には、ダムが完成するまでを解説したパネルや、ダムを造りで自然を破壊した人間に対する、動物の感情を表現したかのような展示物があります。
人気の理由③ここでしか味わえないダムカレー
浦山ダムでしか食べることができない、マニアックな「浦山ダムカレー」。他のダム施設でもダムカレーはありますが、750円という手ごろな値段が人気の理由かもしれません。私のあとから来たツアーバスのお客さんが、なだれ込むように食堂へ入っていきました。筆者は他の場所で食事を済ませてしまっていたので、別の機会の楽しみにしておきます。
【トピックス】日本初のダム博物館誕生!分館1号「写真館」がオープン
2016年10月3日(月)に、日本ダム協会のウェブサイトに日本初の「ダム博物館・本館」が立ち上がりました。ダム博物館・分館1号「写真館」の浦山ダムの「うららぴあ2階」で、2016年10月29日(土)にオープニングセレモニーが行われた後、入場無料で一般公開される予定です。
③紅葉が早く訪れる奥秩父にある「滝沢ダム」周辺は紅葉狩りのメッカ!
ナビ入力は、「埼玉県秩父市大滝3021」。
浦山ダムからR140号で「雁坂峠」方面へ向かう40分ほどの移動です。別名「奥秩父もみじ湖」と呼ばれているダムは、紅葉が早く訪れるエリアにピッタリです。
秩父もみじ湖周辺は、時間を忘れてゆっくりしたい紅葉狩りスポット
緑から黄色に変わり、ピンクから紅く染まっていく様子を一緒に観ることのできる時期は、贅沢な時間かもしれません。
ダムへ向かう直前のループ橋で、一挙に標高が上がる場所にあり、駐車場から淡いピンクに染まったモミジが出迎えてくれます。もう、これだけでも幸せ気分いっぱいです。
滝沢ダムと360°ループ橋を望む絶景が楽しめます。真っ赤に染まる紅葉が加われば、ベストスナップになるでしょう。
洞窟マニアや地底マニアが喜びそうな、ワクワクする長い階段通路があります。あえて無機質な空間で閉塞感を楽しみたい反面、早く抜け出したいと思うアンバランス感覚がたまらない。
滝沢ダム直下121mにあるつり橋は、目の前で放水を観ることができたら感動的な、とても珍しいポジションにありますね。
④旧140号「秩父もみじ街道」がメインの「二瀬ダム」
ナビ入力は、「埼玉県秩父市大滝3931-1」。
滝山ダムから秩父方面に戻り、旧R140号を三峯神社方面へ向かいます。別名「秩父湖」と呼ばれているダムです。
ドライブしながらでも楽しめる「秩父もみじ街道」
旧R140号街道沿いの街路樹には、モミジがたくさん植えられているため「秩父もみじ街道」と呼ばれています。ドライバー目線でも紅葉狩りを楽しむことのできるドライブルートです。
二瀬ダム手前に数件の商店が立ち並ぶ、大きな駐車場にクルマを停めます。駐車場の前にあるダム管理事務所(グレーの5階建てビル)で、4つめのダムカードと合わせて、「限定ダムカード」を手に入れましょう。
駐車場に隣接する展望台から望むと、小さいながらも急峻な谷のダムだと実感します。堤頂部幅は狭く、クルマ1台が通行できる道路になっていて、専用の信号機によって交互通行するようになっています。二瀬ダムが無ければ三峯神社へ辿り着くことができない交通の要所です。
ダムマニアがオススメ!秩父4ダム巡りで紅葉狩りの思い出を
ちょっとマニアックな方法の紅葉狩りは、ダムカードを集めながらダムを巡る旅です。秩父にある4ダムを、制覇した証にもらえる限定カードは、シリアルナンバー付き。世界でたったひとつしかない貴重なダムカードです。
【イベント情報】奥秩父大滝紅葉まつり
2016年10月21日(金)~11月20日(日)に滝沢ダム(奥秩父もみじ湖)をメイン会場として紅葉まつりが開催されます。紅葉の見ごろは「10月下旬~11月下旬」なので、この機会にぜひ、奥秩父の自然を楽しんでみてはいかがでしょうか。