都内には「東京十社」といって東京を代表する神社が10社あるのですが、その中でも文京区にある白山神社は縁結びのご利益で有名。さらに6月になると、無数のアジサイが咲き誇り、国内外からの参拝客で賑わう観光名所としても人気を集めています。東洋大学のキャンパスの目と鼻の先に鎮座していますが、境内に足を踏み入れると厳かなご神気が感じられるパワースポットです。
縁結びと商談成立のご利益!?―白山神社とは

白山神社といえば加賀(石川県)をイメージする方も多いことでしょう。実際に東京の白山神社は、加賀一宮白山神社の神様を10世紀に勧請したのが起源となっています。当初は本郷一丁目付近に鎮座していたものの、時代の変遷と共に幾度となく移され17世紀半ばに現在の場所に祀られるようになったそう。
江戸時代に入ると徳川綱吉と生母桂昌院から篤く信仰され、以来将軍家縁の神社として重んじられるように。現在では由緒ある一社として知名度も高いうえに、アジサイの季節には老若男女、国籍問わず数多くの参拝客が訪れるようになりました。

縁結びの神様
白山神社は縁結びの神様として知られているのですが、それはご祭神でもある「謎多き女神」が深く関わっています。
【ご祭神】
・菊理姫命(くくりひめのみこと)
・伊弉諾命(いざなぎのみこと)
・伊弉冊命(いざなみのみこと)
菊理媛命とは、黄泉の国で決裂しかけた伊弉諾命と伊弉冊命の夫婦喧嘩を仲裁した神様。大変重要なアシストをしたのにも拘わらず、なぜか日本書紀で簡単に触れられているだけの謎多き女神なのですが、名前の「くくり」が「括り」、つまり物事や人々を「結びつける」「仲介する」と解釈され、現在では恋愛からビジネスまで、あらゆる良縁や円満な人間関係をサポートしてくれる存在として信仰されています。
白山神社のパワースポット

さてそれでは境内に足を踏み入れていきましょう。地下鉄白山駅から進むと大鳥居が見えてきます。一礼して参道を進み、手水舎で清めてから振り返るとそこには風格ある拝殿がそびえ立っています。筆者が参拝したのがちょうどアジサイ祭のタイミングだったので、多くの人で賑わっておりお参りの行列もできていました。

本殿裏も見逃し厳禁です。神様に近いところで祈りを捧げるという「裏参り」に加え、梅雨時の白山神社はアジサイが見事に咲き誇っており、いわゆる「映え」スポットとして参拝客が譲り合いながら撮影を楽しんでいました。

拝殿の隣には京都嵐山にある松尾大社が分祀された松尾神社が鎮座。関東の酒造業関連の人達から篤く信仰されています。

摂社末社の辺りも様々な種類のアジサイが満開で、普段なら静寂に包まれているのでしょうがこの時ばかりは華やかな雰囲気に包まれていました。
年に1度だけアジサイと共に開かれる「白山富士」

白山神社には年に一度だけ門戸が開かれるパワースポットがあります。それが「白山富士」と呼ばれる富士塚。過去の記事でもお伝えした通り、かつての富士山信仰の流行に伴い、都内の神社にはミニチュア富士山ともいうべき人工山が建てられ、登拝することで富士山登頂と同じご神徳が得られると考えられていました。

ただし白山神社の富士塚「白山富士」は普段は閉ざされており、6月の「文京あじさいまつり」開催期間中のみ登拝が可能になります。他の富士塚と違い、目の前に広がるのはなんと3000株ものアジサイが咲き誇る花の山。不謹慎ながらも極楽のような美しい景色に心が躍ります。
白山神社最大の撮影スポットではありますが、なにしろ足場は狭く滑りやすい上に開山中は人も多いので、足元にはくれぐれもご注意を。

頂上に着いたら白山浅間神社で手を合わせます。富士山の女神・木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)が祀られています。女性に嬉しいご利益のほか火除けのご利益でも知られる神様なので、願い事がある方はこの期間限定の大変貴重な機会をお見逃しなく!

白山富士のふもとに立派な木が佇んでいるのですが、筆者は個人的にこの木からご神気が放たれているように感じました。白山富士の守護神なのかもしれませんね。
一般市民に寄りそうパワースポット

都内の神社の例に漏れず、白山神社もひしめく建物に囲まれるように鎮座していますが、境内は思いのほか奥行きがあり、今でもしっかり神域として保全されている印象を受けました。
さらにご由緒書によれば、白山神社は歯の痛み除けのお守りも昭和初期まで頒布されていたそうです。このことから縁結びや商談成立といった大きなご利益だけではなく、私たちが日々の暮らしで感じる小さな悩みにも寄りそい続けてくれた神社なのだと思いました。
古社としての威厳ある佇まいでありながらも、決して敷居の高さを感じさせない。それこそが、時代を問わず多くの人を惹きつけるパワースポット・白山神社の大きな魅力と言えるでしょう。
●白山神社
東京都文京区白山5-31-26




