全国には温泉ファンの間で高く評価されながらも、一般的な知名度はまだ高くない温泉が数多く存在します。今回訪れた宮崎県えびの市の「えびの昌明寺温泉」も、そのひとつでしょう。
2025年7月にオープンした一棟貸しの貸切温泉で、炭酸含有の天然温泉と3種類のサウナをひとり占めできる贅沢な施設。日帰り入浴・宿泊ともに一日一組限定という特別感も魅力たっぷり。一人利用もOKな点も嬉しい限りです。実はこの施設、複数の温泉仲間から「ぜひ一度行ってほしい」と勧められていました。
満を持して訪問し実際に入浴してみると、その評価にも納得。湯船に浸かった直後から全身に細かな泡がびっしり付着し、まるで炭酸水の中に入っているかのような感覚です!
今回は、えびの昌明寺温泉の知られざる全貌を徹底紹介します。
えびの昌明寺温泉とは!?
えびの昌明寺(しょうみょうじ)温泉は、宮崎県最大の温泉地とされる京町温泉から車で3~4分ほどの場所にある一軒宿。オープンは2025年7月。一棟貸しのスタイルであり、宿泊も日帰り入浴も一日一組限定の施設です。

えびの昌明寺温泉の外観。画像右が浴室棟。画像左奥が宿泊棟
どちらかと言えば温泉宿というよりも、ヴィラ(Villa)※といった印象。別荘のような感覚で気軽に利用できる点が大きな特徴です。
※ヴィラとは、簡単に言えば「一棟貸しのプライベート空間が楽しめる宿泊施設」のこと。

雲がかかって見難いですが、南九州屈指の名峰「霧島連山」が敷地内から臨めます。
慌ただしい観光旅行ではなく、日常から離れて心と体を癒す旅や体験(リトリート)を求める方にピッタリの施設といえるでしょう。
天然温泉&サウナを徹底解説
それでは、自慢の温泉&サウナを詳細にご紹介しますね!

浴室棟。手前からバレルサウナ、手前の暖簾が男湯、奥の暖簾が女湯
アワアワ温泉の全貌!?
一棟貸しの宿ですが、浴室は男女別に分かれています。筆者は男性ですので、男湯の暖簾をくぐってみます。

脱衣室(男湯)
脱衣室は、脱衣棚・カゴ・ドライヤーが設置。鍵付きロッカーはありませんが、一棟貸しで他の入浴客とすれ違うことが無いので、特段問題無いでしょう。

男湯全景。ドバドバと源泉が湯船から溢れ出しています。
浴室は、小さな湯船が一つと、シャワースペースがあるだけのシンプルな造り。温泉は加水・加温・循環・消毒処理一切無しの源泉100%かけ流しです。源泉温度が35.2度と、ほぼ体温と同じくらい。ぬるめのお湯なので、じっくりと入浴を楽しめます。

ツブツブの炭酸の泡が弾ける源泉湯口。拡大してご覧下さい。
特筆すべきは、豊富な炭酸ガスを含むお湯でしょう。泉質名は「ナトリウム・カルシウム―炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉」ですが、炭酸ガスは温泉の泉質名の判定基準※には達していないものの、390.1mg/kgと多量に含有。一切無加工の温泉であるせいか、湯船の中のお湯に大量の炭酸ガス成分が残存しています。
※日本における炭酸泉の基準は、1000㎎/㎏以上です。
また湯口のお湯は、飲泉も可能。脱衣室に使い捨てコップが設置されています。実際に飲んでみると鉄の味と重炭酸土類泉特有のエグ味が若干しますが、天然炭酸泉の中では比較的飲みやすい部類。炭酸特有のシュワシュワした舌触りがしっかりと感じられました。

筆者の手に付着した炭酸ガス。全身超アワアワな入浴体験ができます!
お湯に浸かると瞬時に炭酸の泡が身体に付着し始め、その泡も少しずつ大きく成長していくタイプ。まるで炭酸飲料の中に身体を沈めているような感覚です。ぬるめの温度と相まって、お風呂から上がれなくなるほどの心地良さです!
九州は、大分県の「七里田温泉」や「長湯温泉」をはじめ、宮崎県にも「湯之元温泉」など、天然炭酸泉の名湯が各地で湧出。「えびの昌明寺温泉」は、それらの名湯にも決して引けを取らない極上温泉の一つと言えるでしょう!

左からシャンプー・コンディショナー・ボディーソープ
また単に温泉に浸かるだけではなく、シャワーとソープ類も備え付けられているので、体や髪をサッパリと洗うことができます。

脱衣室(女湯)
今回は筆者一人の利用でしたが、特別に女湯も見学・撮影させて頂きました。
脱衣室は、基本的に男湯と同様の造り。脱衣棚・カゴ・ドライヤーが設置されており、男湯と同様です。

女湯全景
今回の利用時間内には女性が居なかったので、湯船は空でした。源泉に含まれる鉄分によって浴槽や洗い場が変色している様子がはっきりと分かり、成分の濃厚さがうかがえます。
サウナはどんな感じ!?
えびの昌明寺温泉では、サウナにも定評がある宿。サウナは3種類あります。
特におすすめしたいのは、やはりバレルサウナです。

バレルサウナ外観

バレルサウナ内観
バレルサウナでは、温泉の源泉を使ったロウリュを楽しめます。温泉成分を含んだ蒸気に包まれる、ここならではのサウナ体験も魅力。温泉でじっくりと温まった後に利用すると、心地良い汗が一気に噴き出ました。
また、バレルサウナを出ると横に椅子が置かれており、外気浴できるのも嬉しいポイントでしょう!

遠赤外線サウナ外観

遠赤外線サウナ内観
また、女湯側の脱衣室に遠赤外線サウナが設置されています。一人用サイズで密室感は有りますが、不感温浴と遠赤外線低温サウナの交互浴で、しっかり汗が噴き出てきました。

スチームサウナ外観

スチームサウナ内観
他に、男湯側の脱衣室には源泉で全身ミスト欲ができるスチームサウナが設置されています。一見小型テントのようにも見えますが、こちらは家庭用の一人用サイズのサウナです。
宿泊施設としての全貌!

宿泊棟入口
続いては、宿泊施設としての「えびの昌明寺温泉」をご紹介します。
記事最初の方でも申しておりますが、全体的には、宿泊棟は旅館というよりも別荘の様な佇まいが特徴。親しい仲間や家族で賑やかに楽しみたい方におすすめです。
※日帰り利用の場合は、休憩室として使用可能です。

宿泊棟のリビング

和室8畳+6畳+6畳の三間続きです。

室内のととのいスペース。霧島山麓が望めます。

お風呂グッズ(使い捨てバスタオルとタオル・髭剃り・歯ブラシ・クシ
注目すべきは、客室が三間続きの合計20畳あること。大人数での宿泊に対応できる点が魅力でしょう。高級旅館の様なおもてなしはありませんが、友人の別荘に遊びに来たかのような良い意味でのほったらかし感が居心地良く感じられました!

台所
食事の提供はありませんが、自炊設備が充実している点にも注目。付近に商店が無いので、事前に食材やドリンクを買い込んでおくと良いでしょう。

備え付けのフライパンなど

備え付けの食器類
フライパンなどの調理器具や食器類は備え付けられており、使用することができます。ただし、使った後は洗って片付けるのがココでのマナーです。

冷蔵庫
冷蔵庫内のお茶・水・調味料は、宿泊者ならば自由に使用可能です。

カップラーメン。一個150円は今時お値打ち価格でしょう!
また、小腹が空いたときはカップラーメンも販売しています。料金は備え付けのコインボックスに入れましょう。

洗面スペース。奥に男女別のトイレがあります。
洗面化粧台には、ハンドソープ・ドライヤー・使い捨てコップ・ティッシュ等が備え連れられており、特段不便は無いでしょう。トイレは男女別(大小)に分かれており、大は温水洗浄便座付なので、安心して使用できます。
「えびの昌明寺温泉」へのアクセス
最後に、えびの昌明寺温泉へ行くアクセスをご案内します。
まず、えびの昌明寺温泉へ直接行く公共交通機関はありません。最寄りの駅はJR京町温泉駅。そこから徒歩で30~35分程(約2.3km)かかります。宿の手前に来ると上り坂が続くので、徒歩の場合は時間にゆとりを持って行動しましょう。

えびの昌明寺温泉へ行く道路。狭い道が連続します。
車の場合は、九州自動車道 えびのICを降りて約10分。しかし、えびの昌明寺温泉に近くなると急に道が狭くなり、一部離合も困難な場所があります。徐行運転(普通車同士では慎重なすれ違いが必要)されることをおすすめします。
宿概要
宮崎県えびの市昌明寺字油田203-1
電話番号:090-3660-5678
日帰り入浴時間:12時~16時(要事前予約)
アクセス:
【電車】JR京町温泉駅から徒歩約35分
【車】九州自動車道 えびのICから車で約10分
※本記事の情報は、2026年7月現在の情報です。



