ボリビアには、海のない「オキナワ」がある
ボリビア

こんにちは! 南米ボリビア在住のZICです。日本から最も遠い場所の南米大陸の真ん中、海のない国ボリビアは日本人にはあまり馴染みがないかもしれません。

しかし、ここには私たち日本人と深いつながりのある町があります。それは、オキナワという町です。

ボリビアの海のないオキナワ


ボリビア第二の都市サンタクルスから100km、車で1時間45分ほどの距離の場所にコロニア・オキナワという町があります。ボリビア国内で通称オキナワと呼ばれる町です。

ここは今から60年以上前に日本の沖縄から移住された日本人の方たちがジャングルを開拓し、切り開いて日本人移住地を作った場所です。そして、自分たちの故郷の沖縄からとって、ここの名前をオキナワとしました。

移住60周年を超えてボリビアの人々の間にもオキナワは浸透しています。ボリビア国内でボリビア人と話すしていて日本人だと答えると、オキナワ出身なの?と聞かれることが多いです。

日本の青い海に囲まれた沖縄ではありません。ボリビアの海のないオキナワが、ここでは正解なのです。

ボリビアで感じる日本の風!

オキナワに行くには、サンタクルスからまず北に60kmほどの場所にあるモンテーロという町に行きます。ここで、オキナワ行きの乗り合いタクシーに乗ることができます。

料金はサンタクルスからモンテーロまでは10ボリビアーノ(約160円)、そしてモンテーロからオキナワまでが12ボリビアーノ(約190円)です。OKINAWAと書かれた乗り合いタクシーを見つけると、なぜかふと安心したような気持になります。

そして、そのタクシーに乗って町が近づいてくると、日本語で「めんそーれ! オキナワへ」と書かれた大きな看板が見えます。これが、ボリビアのオキナワの入り口です。

そして、町の中心部でタクシーは止まります。ここは確かに南米のボリビアです。しかし、この日本人が作った町、日本人移住地オキナワには随所に日本の風を感じることができます。

まずは中央広場へと向かいましょう。すると懐かしい日本の鳥居が建てられています。移住地開拓の記念碑もあり、そこには日本語で説明が刻まれています。

そして中央広場を抜けると、日系病院オキナワ診療所があります。

ボリビアは医療に関してはまだまだ発展途上です。なので良い病院を見つけるのは本当に難しいです。しかしここは日本でも医学を勉強された日系人の医師がいるほか、日本の援助もあり医療機器も充実しています。

安心して治療を受けることができますし、日本語で対応してもらえます。かく言う私もボリビアで食中毒にあい、しばらく回復せず苦しみましたが、この病院の治療ですぐに回復しました。

地元のボリビア人も、きちんとした治療を受けられるし医療費が安いからと遠くからこの病院に足を運びます。

また街を歩けば日本語のお店。日本食を売っている商店があります。南米のボリビアで日本食が手に入るのは本当に嬉しいです。


また、みそ汁や野菜炒めといった日本食をレストランで食べられるのも、オキナワの魅力です。

オキナワの歴史を知ろう! 日本人であることの誇り


そして、オキナワに来たらぜひ訪れたい場所があります。それは、オキナワ文化会館と資料館です。ここでは、オキナワ移住地の60年の歴史を見ることができます。

資料館では、第2次大戦時に日本の沖縄から南米のボリビアへ移住を開始された日本人の様子や、開拓の歴史を写真や展示品と共に見ることができます。

入ってすぐのオキナワ移住地の模型や、世界地図と日本の沖縄、ボリビアの地図が展示されています。移住者たちがどんなルートでボリビア入りしたのか興味深いです。


楽園への移住、そう言われたどり着いた地球の裏側の国、紹介された場所はアマゾンの密林、ジャングルでした。

移住者たちはイチから町をつくらなければなりませんでした。劣悪な環境ゆえに伝染病が流行ったり、アナコンダや野生動物、厳しい気候などの困難もあった中で、オキナワ移住地をつくりました。

その壮絶な移住者たちの格闘の歴史をこの資料館で見ることができます。日本人であるならぜひ訪れてほしい場所です。同じ日本人であることを誇りに思えるはずです。

日本とボリビアが融合した町、オキナワ


オキナワ日本人移住地ともこの町は呼ばれますが、実際のところは8:2くらいの割合で、今ではボリビア人の方が多く住んでいます。

この町を切り開いたこと、その礼儀正しさや勤勉さからボリビア人は日本人の事を尊敬しています。長い年月をかけて日本の文化がボリビアの地に根付いている光景を、このオキナワで見ることができます。

日本から遠く離れたところにある、海のないオキナワ。もしボリビアを旅行する機会がありましたら、ぜひ訪れていただきたい印象的な場所です。

オキナワ(ボリビア)

この記事を書いた人

ZIC

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南米ボリビア在住。ウユニ塩湖以外にも見どころはたくさんあり、現地から見つめた旅の情報を楽しくお伝えできればと思います。また南米各地の魅力あふれる情報もお伝えしたいと思います。

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