マレーシアの楽しい娯楽の1つは映画です。日本に比べて安い値段で映画を観られるので、より気軽に楽しむことができます。
そんなマレーシアで、ディズニー映画「美女と野獣」が3月30日から公開されました。多くの人が待ち望んだ上映でしたが、実はとある理由から上映見送りの危機にさらされていたのです。その一連の騒動と、実際にマレーシアで映画を観た感想をレポートします。
多くの人が楽しみしていた「美女と野獣」
ディズニー映画「美女と野獣」は、公開前から多くの人が楽しみにしていた映画でした。当時の公開予定は3月16日。私の友達は映画公開初日に「美女と野獣」を観に行くととても張り切っていました。
公開初日が近づくと、自分のインスタグラムにあの有名なベルと野獣がダンスを踊る場面を投稿する若者もいました。みんなが、楽しみにしている様子はひしひしと伝わってきました。
ところが、そんな楽しいムードが一転する出来事が起こります。マレーシアでの映画公開が急に見送りになってしまったのです。
マレーシアで映画の見送りの危機?
というのも、ビル・コルドン監督がガストンの相方「ル・フウ」が同性愛者であるとほのめかすコメントをしたためです。
実は、イスラム教が国教であるマレーシアでは、同性愛が禁止されています。そのため、監督の発言が発端となってマレーシア中で大騒ぎとなり、上映見送りに至ってしまったのでした。それが公開直前だったので、楽しみにしていた人たちはがっかりしてしまったのです。
マレーシアの映画事情
上に述べたように、マレーシアの国教はイスラム教です。それでイスラム教の信条に合わせて公開される映画に制約が生まれることが多いようです。その影響かマレーシアではラブストーリーの映画が少ないように感じます。
反対にホラー系の映画、アクション系の映画のポスターはよく見かけます。そのような映画は制限がかかっていないということなのでしょうか? その他、アニメ映画も多いように感じます。ドラえもん、名探偵コナンなどの日本のアニメ映画もマレーシアで公開されています。
ついに映画公開に!
結局、「美女と野獣」は当初の公開予定より2週間遅れて、3月30日からマレーシア公開されることになりました! ただし観られるのは13歳以上の人のみという制約つき。それでも、楽しみにしていた人たちは大喜び! マレーシア人の学生さんに聞いたところ、クラスのほとんどの人は観に行ったのだそうです。
私も遅ればせながら先日観に行くことができました。公開されて1ヶ月近く経った後だったので、会場は満員ではありませんが、それでもいつもの映画館に比べて人が入っていたように感じました。
マレーシアの映画館
特別割引でなくても日本に比べて安いので映画に行くハードルが低く感じます。私の周りのマレーシア人の友達もしょっちゅう映画を観に行っている印象を受けます。
マレーシアの映画館は日本の映画館とほとんど変わりません。カウンターでチケットを購入します。チケットの値段は11RM(約290円)でした。日本よりも断然安いです。しかも、曜日や時間帯によってはもっと割引されることがあります。その時は人が多く来ているようです。
映画といったらポップコーン!というイメージは、マレーシアでも同じようです。味もとても美味しいです。私もポップコーンを買って早速映画に備えます。
ポップコーンの他にスナック菓子やファーストフードも売られていますが、マレーシアのブランドのものだったり、カレーパフ(揚げたカレーパンのような食べ物)だったりするところに、マレーシアらしさを感じます。
映画館の中の様子も日本と変わらない印象を受けますが、冷房がかなり効いていて寒すぎるくらいです(全部の映画館がそうであるとは限りませんが)。映画を観ている間、体が冷え切ってしまうので、ブランケットを持って行ったり、上着を持って行ったりして対策します。
「美女と野獣」の映画は英語なので、字幕がマレー語と中国語の2つありました。音声が英語以外の場合は、字幕が英語、マレー語、中国語の3つになります。つまり映画の画面の半分くらいを字幕が占めることになります。
日本だと字幕は日本語のみが一般的なので、字幕にたくさんの言語があるというのはとても興味深いと思います。
「美女と野獣」を観て
「美女と野獣」はアニメバージョンと同じところや違うところもあり、とても楽しむことができました。個人的に「美女と野獣」はディズニー映画の中で1番好きな映画だったので、実写版を観ることができて嬉しかったです。