アゼルバイジャンの首都バクー、意外とセンス良すぎてびっくり!
アゼルバイジャン

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アゼルバイジャン。ごつい名前ですよね。それって人の名前? もの? 地域? 果たして何を表す単語なのか。

……正解は、国の名前です。

この、日本ではかなり知名度の低い国「アゼルバイジャン」の首都・バクーを旅したので、そのリアルをお伝えします。

まず、国の基本データを

アゼルバイジャンは旧ソ連の国で、1991年に独立しました。同じく旧ソ連だった隣国のジョージア(グルジア)、アルメニアと合わせて「南コーカサス三国」なんて言われます。

コーカサス地方は世界最大の湖・カスピ海と黒海に挟まれた、トルコに近い地域です。まさにアジアとヨーロッパのはざまと言うべき場所で、地図でいえばこちら。
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首都のバクーはカスピ海に面しており、この親水公園から世界最大の湖が広がっています。

カスピ海からは石油が出るので、アゼルバジャンはオイルマネーで儲かっている、今イケイケの国。「第2のドバイ」と言われています。あり余る石油が漏れているのか(?)、水面には油が浮いていました。

主要民族はアゼルバイジャン人で、公用語はアゼルバイジャン語。旧ソ連なのでロシア語が通じるのはもちろんですが、思った以上に英語も通じます。イスラム教を信じる人が多い国です。

現代建築

バクーには何があるのか。最初に挙げるなら、やっぱり現代建築です。奇抜でユニークな建築物は、オイルマネーで儲かる国の象徴なんでしょうか(笑)。街に溢れています。

フレームタワー(火焔タワー)

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燃える炎の形をした「フレームタワー(火焔タワー)」は、バクーのシンボルです。

アゼルバイジャンは、イスラム教が興るまでは火を崇拝するゾロアスター教を信じていた地域。国名も「火」に由来し、火をとても大切にする国なので、このような意匠になっています。
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夜になると、ビルに炎が投影されます。これは圧巻!
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タワーにはホテル「フェアモント」が入っていて、1階のレストランは誰でも利用できます。ちょっと奮発して、ここの朝食ビュッフェを堪能しました。

フレームタワー(Flame Towers)
公式HPはこちら

ザハ建築、ヘイダル・アリエフセンター

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これぞ現代建築!なのが、こちら「ヘイダル・アリエフセンター」(ヘイダル・アリエフさんはアゼルバイジャン元大統領)。

このセンターは、東京の新国立競技場問題で話題になった女性建築家、ザハ・ハディド氏の建築です。
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曲線の使い方が絶妙ですね。角度によって見え方が変わります。
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内部も見逃せません。ひだのような階段は、端に向かうにつれ段差がなくなってスムーズになっていきます。天井の明かりは、まるで外から自然光が射したようです。
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館内は、アゼルバイジャンの歴史がざっくり分かるミニミュージアムになっていて、民族衣装や楽器なども展示しています。

ミュージアム部分は30分ほどで見られるので、別にある歴史博物館や絨毯博物館に興味はあるけど時間がない……という人にぴったりです。
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カフェのデザインも、とってもおしゃれ。
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外の庭も広いんです! 建物と庭が合うように計算されています。このモニュメント、超おしゃれですよね。「Love」のハートと「Baku」の「B」を掛けているんですから。

それにしても、これだけの敷地を現代建築に割けるって、やっぱりお金があるんですね~~。

ヘイダル・アリエフセンター
公式HPはこちら

文化が融合する街並み

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現代建築以外でも、バクーの街並みには目を見張るものがあります。こちらは目抜き通りのニザミ通り。中世ヨーロッパのような街並みです。オイルマネーで建てた現代建築とは異なり、以前からあった歴史と重みを感じます。
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国民の多数はイスラム教徒ですが、街を歩く女性でヒジャブ(髪を隠すスカーフ)をしている人は1~2割で、本当にヨーロッパの街を歩いているようです。
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そんな街並みの中にも所どころ、イスラム文化が感じられます。こちらは国鉄の駅。スペインのメスキータのようですね(行ったことないけど)。
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これは地下鉄イチャリシェヘリ駅の入口で、ルーブル美術館のようなガラス張りにペルシャ絨毯がついたよう。いちいちおしゃれです。
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カスピ海公園近くのカフェのテーブルと椅子は、イスラム風の模様。
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古い街並みを残した旧市街エリアもあり、こちらは中央アジアのようなイスラム風です。旧市街からフレームタワーが見えるこの光景は、何ともいえず不思議ですね。

過去と未来、ヨーロッパとアジア。バクーはすべてがミックスしています。

しかし各要素が強く主張したり、ごちゃごちゃ嫌な感じに混じったりするのではなく、いい具合に融合し、調和しているのがバクーの魅力だと感じました。

グルメやお酒について

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じゃあ食べ物はどんな感じ? 文化が融合するバクーらしく、やっぱり色々あります。
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「アゼルバイジャン料理」というジャンルの店にいけば、ケバブやプロフ(ピラフ)など、中央アジア~トルコあたりで食べられるイスラム風料理が食べられます。
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それ以外のカフェやレストランでは、日本やヨーロッパで食べるような洋風料理が食べられるので安心です。こちらは、駅のカフェで食べたパスタと鶏肉のつみれが入ったハーブ風味のスープ。やさしい味でした。

ただ、日本食や中華料理店は、あまり見かけませんでした。「ご飯見つけた!」と思っても、細長いお米だったり(上のプロフのように)。

でも実は、2013年に和食を世界無形文化遺産と決めたユネスコ会議が開催されたのが、このバクーでした。そのため日本食への関心は高まりつつあるようです。その証拠に、今年10月に「アゼルバイジャン和食地酒EXPO2017」を開催するのだとか。
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イスラム教徒が多い国ですが、お酒は問題ありません!

社会主義のソ連時代は宗教が禁じられていたので、イスラムの戒律もゆるいんですね。私が旅をしたのはラマダン(断食)の時期でしたが、その影響はまったく感じませんでした。

面白かったのは、トルコのエフェスビールが出てきたことです。アゼルバイジャンのビールもあるようですが、「エフェスがいいよ」と店員さんに勧められました。国産は美味しくないのかな(笑)。

ただしイスラム系であるアゼルバイジャン料理店では、お酒を扱っていない店もあります。

超親日でおとなしいアゼルバイジャン人

バクーで私が気に入ったのは、アゼルバイジャン人の人柄です。理由はわかりませんが超親日で、日本人だというだけで握手を求められたり、一緒に写真を撮ってくれと何度も声を掛けられたりしました。
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▲美人が多いのもアゼルバイジャンの特徴。

かといって、ぐいぐいとパーソナルスペースに入り込んでくる感じではなく、比較的控えめでおとなしいところが日本人と合います。写真を撮ってと言うときも、ちょっとはにかみながら。

このような国民性なので、治安もきわめて良いといえます。物乞いや押し売りもほとんどありませんでした。

期間限定でF1の街に

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せっかくの美しい街並みに、なぜか道路にはいかついフェンスが張り巡らされています。景観的が台無しなのに、なぜこんなことをするのだろうと思っていましたが……。

なんとバクーでは、市街をサーキットコースとするF1レース「アゼルバイジャングランプリ」が開催されるんです!! 今年の開催は6月23~25日でした。街に張り巡らされたフェンスは、F1カーの防護柵だったんですね。
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観覧席のひな壇も設営されています。モナコも市街サーキットとして有名ですが、F1のために首都を3日間も封鎖しちゃうなんて、バクー、すごいです。

しかもコースは、世界遺産にもなっている旧市街のすぐ横を通ります。万一、車が飛び出して旧市街の城壁を破壊したらどうするんだ!

日本に置き換えて考えると、たとえば姫路城のすぐ側をF1カーが疾走すると思うと……文化財的観点からハラハラして生きた心地がしません(汗)!

とはいえ、私が訪れたのは開催前だったので、いつかバクーのひな壇でF1レースのスピード感を味わってみたい!

女子旅向けのバクー

きれいでセンスがよくて、色んな文化の要素を味わえるバクー。そして実際に旅をすると、ちゃんと新興国らしくツッコミどころに困りませんし(笑)、旧ソ連らしさを感じる場面もあります。

バックパッカーほどサバイバルな旅は望まないけれど、みんなと違うところに行きたい。そんな、ちょっと欲ばりな大人女性にぴったりな旅先だと思いますよ。

この記事を書いた人

合楽 仁美(らく)

合楽 仁美(らく)ライター・アナウンサー

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神戸在住のライター・アナウンサー。世界遺産「姫路城」のある姫路市の広報専門職員を経てフリーに。シルクロード文化が好き。旅を始めたのが29歳からと遅咲きのため訪問国数は少ないが、そのぶん「1歳でも若いうちに行きにくいところから」とウズベキスタンや中国・新疆ウイグル自治区など、マニアックな地域を攻めている。

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