無料でミイラが見放題。実は大都会の新疆ウイグル自治区・ウルムチを紹介したい
中国

アジアとヨーロッパが融合した文化を味わえるシルクロード。そのシルクロードムードを満喫するのにうってつけなのが、中国の新疆ウイグル自治区です。

今回は新疆ウイグル旅の起点となる、大都会「ウルムチ」をご紹介します。(記事の情報は2016年夏時点のものです)

ウルムチってどんなところ?


ウルムチは、中国・新疆ウイグル自治区の「区都」で、漢字では「烏魯木斉」と書きます。地名は「美しい牧場」という意味で、人口250万人の大都会です。

フライト時間は北京から4時間。関空~北京が3時間だったことを思うと……国際線より国内線の方が長時間だなんて、中国はやっぱり広い!

たくさんのミイラに会える! 新疆ウイグル自治区博物館へ


ウルムチへ行ったら、まず「新疆ウイグル自治区博物館」に行きましょう。なんと入館料はタダ!! 中国は愛国主義教育の一環で、多くの公立博物館で入館料を無料にしています。

博物館にはいくつか展示室があって、「新疆民族風情陳列室」では、新疆ウイグル自治区で暮らす47民族のうち、主要12民族の暮らしを、実物大の人形や住居で再現しています。


詳しい説明書きが読めなくても、「これだけの民族が共存している場所なんだな」と新疆ウイグル自治区の様子をビジュアルで掴むことができます。

肉付きのいい人形を見た後は、2階に移動して、干からびた本物の人間を見ましょう!
(注意! 以下、ミイラの写真あります)



新疆ウイグル自治区は乾いた砂漠気候のため、3000~4000年前のミイラがたくさん発掘されています。私が訪れたときは、7体ものミイラが展示されていました。

ここには、新疆ウイグル自治区の砂漠で発掘され、1980年代のシルクロードブームでも話題になった「楼蘭(ローラン)の美女」が展示されています。ヨーロッパ系の顔立ちをしていて、太古から東西交流があったことがうかがえます。

さらに、2004年に新たに発掘された「新・美女」も展示。こちらは楼蘭の美女より年齢が若いとみられ、2人を比べてみるのもおもしろいです。

新疆ウイグル自治区博物館
烏魯木斉市西北路132号
公式HPはこちら

おみやげ探しにぴったり! 国際大バザール


次に訪れたいのが、「国際大バザール」です。



スカーフ、アクセサリー、楽器、小型ナイフ、民芸品、ドライフルーツ、お茶など、シルクロードのお土産は、ほとんどここで揃えることができます。観光客向けに作られたバザールですが、異国情緒は満点です。

地下にはスーパーマーケットのカルフールが入っているので、不足品の買い足しもできますし、ウイグル産のワインもたくさん揃っています。帰りもウルムチに立ち寄るなら、買いたいお土産の目星をつけておくのもいいですね。

街ぶらしてみよう!

時間があれば、ぶらぶら街を歩いてみましょう。大通りはどこにでもある大都会の風景ですが、ちょっと一本路地を入れば、面白いものにいろいろ出会えます。

解放南路を少し奥に入ったところで見つけた、庶民の台所的バザール。

街なかのモスクと、髭をたくわえたおじさんたち。

なんと! たこやき屋台も!! 店名は「TAMAYAKI」。4個で13元=約220円と強気のお値段でした。

国際大バザール(新疆国際大巴扎)
新疆維吾爾自治区烏魯木斉市天山区解放南路

ホテルからは天山山脈ビュー


宿泊したホテルの部屋が高層階だったので、部屋からはウルムチの街並みの向こうに、万年雪をたたえた天山山脈が見えました。天山山脈は東西2,400kmにもおよび、ウルムチはその東端です。ここから西へ西へ、カシュガルの向こうまで伸びています。

ウルムチは大都会ですし、中国当局の政策で漢民族の比率が増えていることから、観光ではスルーされることも少なくありません。

でも、これが今の中国、そしてウルムチの姿ですし、新疆ウイグル自治区一番の都会がどんな場所なのかを知ることも、旅の大切な要素ではないでしょうか。

ここを起点に西へ進むにつれ、漢民族と少数民族の構成比が変わってゆくのを見るのも醍醐味。これから訪れる街と比較するためにも、日程が許すならウルムチ観光の時間を1日、取ってみてくださいね。

この記事を書いた人

合楽 仁美(らく)

合楽 仁美(らく)ライター・アナウンサー

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神戸在住のライター・アナウンサー。世界遺産「姫路城」のある姫路市の広報専門職員を経てフリーに。シルクロード文化が好き。旅を始めたのが29歳からと遅咲きのため訪問国数は少ないが、そのぶん「1歳でも若いうちに行きにくいところから」とウズベキスタンや中国・新疆ウイグル自治区など、マニアックな地域を攻めている。

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