夜の水族館と聞いてあなたは何を思い浮かべますか? 恐らく大半の人がロマンチックな雰囲気を思い浮かべるのではないでしょうか。
ところがそんな夜の水族館のイメージを一転させてしまうような斬新なイベントが「サンシャイン水族館」で開催されるらしいという噂を聞きつけました。
イベントタイトルはホラー水族館「あやかしの人魚」。実はこのイベント、昨年同館で開催されたホラー水族館「呪いの水櫛」の第2弾なんです。
昨年大反響を呼んだホラー水族館は、入場規制がかかるほど大人気だった模様。水族館で体験できる新感覚ホラーに、お化けが大の苦手な筆者が挑んできました。
葛藤の末に参加を決意
ホラー水族館「あやかしの人魚」の仕掛け人は、昨年に引き続きお化け屋敷プロデューサーの五味弘文氏。
かなり緻密に作り込まれたストーリー、ゾクゾクするようなポスターやPR映像がこれからホラー水族館に挑もうとする筆者の想像力を掻き立てます。
これは想像よりもかなり怖いんじゃないかという焦りが生じましたが、いや、水族館なんだからきっと大丈夫。そこまで怖くできるはずがないと自分に言い聞かせました。
そもそもお化け屋敷が大の苦手な筆者。自ら進んでお化け屋敷に入ったことなんて人生で1度もありません。そんな筆者がホラー水族館に挑んだ理由、それはとても単純でした。
大の水族館ファンである私がこのような新しい試みを見逃すわけにはいかなかったのです。全く全貌が見えないホラー水族館、とても気になります! 怖いけど一見の価値ありです。
それではまず「あやかしの人魚」のストーリーをご紹介しましょう。※あらかじめストーリーを読んでおいたほうがイベントをより楽しむことができます。
〈あらすじ〉
人魚がある男に恋をして、2本の脚を手に入れます。けれど、その姿でいられるのは、陸に上がってから1日だけ。それを過ぎると、次第に体に鱗が浮かび上がり、元の姿に戻ってしまうのです。
ある満月の晩、女友だちに騙された人魚は、 海へ帰る時間を誤ってしまいます。気づいたとき、彼女の体に鱗が浮かび、二本の脚は一本の尾ひれに変わり始めました。その激しい痛みに、彼女の口から恐ろしい呻き声が上がります。
彼女は、必死に笑顔を作りますが、友だちも愛する男も、逃げ惑います。見られた……! 本当の姿を見られた……! 人間との楽しい思い出は、激しい怨みへと変わっていきました。
今でも、満月の夜になると、人魚が陸に上がり、 愛する男と自分を騙した女を探しています。彼女が探しているのは、あなたかもしれません……。
―ホラー水族館「あやかしの人魚」特設HPより―
日本のお化け屋敷のシナリオって、どうしてこうも完成度が高いのでしょうか。なにはともあれ、私はもう覚悟を決めました。
どーんと来い!と思っていたら、当日アテンドしていただいた「サンシャイン水族館」のスタッフさんに「菅さん、もしお化け屋敷が苦手だったら覚悟して挑んだほうがいいですよ」と一言ご忠告をいただき、私の鼓動は早くなったのでした……。
プロローグ
開場時間が近付き、私の心臓はバクバクです。入場時には音声ガイド機器が配られるので、イヤホンをつけて物語を聞きながら館内を進みます。
大勢で来てもそれぞれイヤホンを装着するので、外部とは遮断された感覚が味わえます。怖いもの好きにはたまらないですね。
入場した途端からなんだか嫌な予感がします。ここが本当に「サンシャイン水族館」?
よくよく考えたら夜の水族館て薄暗くて気味悪いですよね。
照明などの演出によってはこの特殊な空間をロマンチックにもできるし、このように奇妙で恐ろしい世界観を醸し出すこともできるなんて、水族館てとても不思議な空間です。
なんて比較的冷静でいられたのも最初のうちだけ……。
先に進めば進むほどに恐ろしいことが待ち受けているのは予想ができていましたが、もう後戻りはできません。私には順路通りに進むという選択肢しか残されていないのです!
ここで主人公が登場。ちょっと怖いけどまだ余裕です。そもそもここは水族館です。この先もこんな感じでちょこちょこ主人公が水槽の中でつつましく姿を現すだけかもしれません。
意外と大丈夫そうかもと思った矢先に……。
なんだかすごいのが出てきました。この先私の想像を遥かに上回るよからぬ出来事が待ち受けていたらどうしよう? いきなり弱気になりましたが、気づいた時には時既に遅しでした。
普段は大好きな美しいクラゲの展示も、このときばかりは不気味に浮かび上がって見えました。
体中にシミワタル恐怖
悪い予感は的中しました。ここから先は第2ステージです。ここでイヤホンを回収され、真っ暗な階段を登ります。
先に階段を登った明らかに私よりも冷静な女性の悲鳴を聞き、階段の先にある景色を想像します。これが取材じゃなければここで棄権していたかもしれません。
こんなの聞いてないよと思いながら、重い足取りで前のグループの後に続きます。
もう勘弁してください。取材なので平静を装っていたつもりでしたが、ここから先は素が出てしまいそうです。
怖すぎてもう半笑い、半泣き状態です。アテンドしていただいたスタッフさんともまともに話せなくなり「いや~、これは想像以上に本格的なお化け屋敷ですね」と連発していた私は我ながらに滑稽でした。
そんな臆病な私に襲い掛かる更なる災難の数々。お恥ずかしいお話ですが、最終的には怖すぎて足がガクガクになり、自分の力で歩くのもままならなくなりました。
もちろん取材のことなんて忘れて久々に大きな悲鳴をあげちゃいました(笑)。最終関門をなんとか突破し出口を出るとホッと一息。と同時にもう一周したいという願望が芽生えました。
お化け屋敷を出てこんな感情を抱いたのは生まれて始めてなので自分でも戸惑いましたが、やはり舞台が水族館ということもあってか、なんだかんだでかなり楽しんでいたようです。
この怪しい雰囲気がやみつきになってしまいそうな気さえします。本当は皆さんにもっといっぱい伝えたいことがあるのですが、ネタバレになってしまったら面白くないのでこれにて失礼致します。
最後に特に怖がりなあなたへ。当日は動きやすい服装で行くことをおススメします。
限定フード&グッズも楽しめる
イベント開催期間中は「サンシャイン水族館」の屋上エリア「マリンガーデン」のカナロア カフェにてホラーメニューが販売されています。
見た目はかなりグロいですが、記念にいかが? お土産ショップでもイベント限定商品が手に入るようです。詳細はこちらから。
決して大袈裟ではありません
単調なイベント宣伝文になってしまっても面白くないので、今回は私の実体験をありのまま記事に書かせていただきましたが、誇張した表現は一切ございません。
ということは……そうです、本当にこの恐怖はあなたの想像を超えてあなたに襲いかかってきます。筆者は入場してから出口まで終始ドキドキしっぱなしでした。
中には心臓が飛び出そうな場面も。美しく癒しの空間である水族館が一変するのは夕刻から。じわじわと迫り来る恐怖に、あなたは耐えることができるのか?