韓国旅行、何をしますか? うまいもの巡り? それとも買い物三昧? はたまた、芸能事務所巡りでしょうか。もしかしたら、おしゃれカフェで写真を撮ってアップ?
でもたまには、韓国の人たちとおしゃべりを楽しんでみるのはいかがですか。韓国語が片言しか話せなくても、場合によっては全然話せなくても、少しだけ勇気を出して「日韓交流勉強会」に参加してみませんか。
ソウル市内で活動している日韓交流会や日韓交流勉強会の中から「101匹目のサル」にお邪魔してきました。
きっかけは留学生の声
会を主催しているのは「aah!education(アーエデュケーション)」という留学斡旋会社です。担当者のtakakoさんに聞いてみました。
-どういうきっかけで始まった会なのでしょうか
うちは、韓国に留学したいという日本人の留学希望者の方に、その方の希望や性格、予算などに合う韓国の学校を紹介する会社です。語学留学生から、学部留学や大学院留学を希望している方々が対象です。また、留学中も総合的なサポートをして、帰国後のプラン例えば就職などのお手伝いもしています。
そうやってたくさんの留学生のお手伝いをしている中で「せっかく韓国に語学留学に来たのに、韓国の人と友達になったり、韓国語で話したりする機会が思ったより少ない。もっと、韓国語を話したり、意見の交換をしたりする場が欲しい」という要望をなさる方が多かったんです。
実は日韓交流会ってソウルの中だけでもいくつも開催されているんですよね。ただ、中には、ちょっとお勧めしたくないなと思うようなところもあって……。安心して、学びあい、交流できる場が必要だと感じ、ないなら作ってしまおうと。
-なるほど。そうすると、参加資格は「aah!education」さんのお客さんであることってことになりますかね。
最初はそうですね。うちを利用して韓国に来られている人たちのための、サービス企画として始めたんです。けど、留学生の置かれた状況とか、希望とかって、仲介会社関係なく共通していますよね。
うちの紹介である学校に語学留学されている方が、個人や他社さんを通じて留学してきているクラスメイトを連れてきたりして……。今は、事前にご連絡いただければ仲介会社関係なく参加していただいています。ソウルで仕事をしている方とかもいらっしゃいますよ。
-参加者ってどんな感じですか。年齢層とか人数とか……。
年齢は幅広いですね。それこそ、高校卒業してすぐに語学留学に来られたという10代の方もいらっしゃいますけど、20代30代の方が多いですね。60代の方も来られますよ。日韓の割合は日によって違いますが、特にどちらが多いってことはありませんね。
韓国の方も20代や30代の大学生や会社員から、主婦の方とかもいらっしゃいますし……。会場が20名、最大で24名で満員になる会場なので、参加者は大体20名前後ですね。連休とか、学校の長期休みとかがあると、日本人側または韓国人側が少なくなったりもしますね。
-どんなテーマで話すんでしょうか。
年齢や韓国語・日本語のレベル関係なく、楽しめるテーマを準備しています。一番神経を使っているのは、「話題のせいで話せない」という人を作らないことです。具体的には、例えば、季節にちなんだテーマはよく使います。あとは、身近でよく使う言い回しについてをテーマにすることもあります。
交流会&勉強会という雰囲気
百聞は一見に如かず。早速、参加させてもらいました。この日は、韓国の大型連休の直前ということもあって、人数は少なめでした。
事前に連絡が来ている人数分、ベンと白い紙のようなものがセッティングされています。この日の参加予定者は10名でした。
時間になると、参加者がやってきます。皆さん常連さんなのかと思ったら、この日、初参加の方が2名いました。日本人の参加者は、語学留学中の20代30代の方が合わせて4名。韓国人の参加者は、30代くらいの会社員の方が2名と、50代くらいの主婦なのかなという方が2名でした。
テーマは「中秋節」についてでした。韓国の2大国民行事の1つである中秋節(秋夕とかいてチュソクと読みます)の習慣についてや日本の中秋節の方法、国民行事についてなどなどです。
最初は自己紹介をします。日本人は韓国語で、韓国人は韓国語で。どちらも初級の人も上級の人もいるので、そのあとは、自分の話しやすい言語にして内容についての話し合いを優先してもいいし、勉強中の言語で話してブラッシュアップしてもいいしという感じです。
人数が多いと2つや3つのグループに分けるようですが、一番できない人に合わせて、その人がわかる言語で話し合っているようでした。なので、旅行中にふらっと参加しても、日本語で韓国の人と交流することもできそうです。もちろん、韓国語ができるようでしたらガンガン話してみてもOKだし。
ただのおしゃべり会にはしない
ただ何となくしゃべるだけにはしない。事前にtakakoさんがおっしゃってましたが、そのとおり、言葉の制約はあるものの内容的にかなりまじめな意見交換会になっていました。そして、この日は後半で韓国伝統遊び「ユンノリ」を体験してきました。
「ユンノリ」というのは、中秋節のお休みに家族や親せき、友人たちが集まってする遊びだそうです。人数が多かったので2つのグループに分かれ、それぞれが2チームに分かれて対抗戦をしました。教えてくれる先生は、韓国人の参加者です。
takakoさんが用意してくれたルールブックもありましたが、このゲームをやり慣れた人が日本語と身振り手振りを駆使して説明してくれました。1つのグルーブに2人程度、韓国人参加者がいたのですが、2人の意見が違う場面も。
どうやら国民的な伝統遊びなので、地方によってルールが若干違うっていうこともあるようです。本などでは知り得ない側面を見て、また1つ、韓国への理解が深まったよう思えました。
こちらが、サイコロのようなもの。細長い棒4本の組み合わせで進むマスがいくつかを決定する、すごろくみたいな遊びでした。
サイコロ代わりの棒は、一気に上に投げますが、落ちる先は全部バンダナ内でなければなりません。これが意外と難しかったです。また、2チーム対戦型のすごろくなので、チーム内で戦略を練ったりします。
賽の目もさることながら、どういう戦略を立てるかによって勝敗が分かれる側面もあり、かなり盛り上がりました。こういう遊びは、韓国語があまりわからなくても韓国の文化や人に触れるいい機会になるのではないかと思います。
当日予約でも大丈夫、人に触れるのが旅の醍醐味
「参加希望者が多いと会場に入りきらない場合があるので、できれば、事前に一言参加希望の連絡をいただけると。」とtakakoさん。フェイスブックの「aah!education」からメッセージを送るだけで良いそうです。当日の申し込みでも満員御礼の日以外なら大丈夫だそう。
参加費は1人5,000ウォン(約500円)。買い物三昧も、食い倒れもいいけど、こんな人に触れる旅というのも思い出深いものになりますよね。