こんにちは! ボリビア在住のZICです。
実はボリビアの卵の多くは日本人が作っているということをご存知でしょうか? サンファン日本人移住地、そしてオキナワとふたつの日本人居住地があるボリビア。日系人が営む養鶏場がその移住地にはたくさんあります。
そしてその養鶏場から出荷される卵はボリビアの食生活を支えていると言っても過言ではありません。
そんなボリビアの養鶏と卵事情についてご紹介します。
ボリビアだけでなく多くの国でも生卵はNG
海外の人たちが日本に来て驚くことのひとつは、生卵を食べることができるということ。
日本の卵かけご飯は私たちにとっては当たり前の存在ですが、海外の人たちにとっては衝撃を受ける食べ物です。
なぜなら、海外では卵を生でそのまま食べるならサルモネラ菌の恐れがあり食中毒を引き起こすからです。なので、私たちが当たり前のように食べている生卵、卵かけご飯は世界的には非常に貴重なメニューなのです。
もちろん、ボリビアでも普通に売られている生卵をそのまま食べるのはNGです。でも、日本人が作っている卵はそうではありません。
新鮮なうち、マックス1か月までと言われていましたが、その間なら生で卵を食べることができます。
日本人が営む養鶏場へ行ってみました。
サンファン日本人移住地にはたくさんの養鶏場があります。
ボリビア第二の都市サンタクルスより100㎞ほどの場所にサンファン日本人移住地があります。
今から60年以上前に、主に九州出身の方たちがボリビア政府の土地を与えるという招きに応じて移住し、原生林だった場所を町にまで開発した移住地です。
米や大豆、野菜などを生産しておられる方、日本食を提供しておられる方、魚の養殖をされている方やマカダミアナッツを輸出している方など、そこに住む日本人の職業は多岐にわたります。
そんな中、多いのが養鶏場を営む方です。ここにはたくさんの養鶏場があります。
ちょうど、サンファンに住むある日本人の家族から、養鶏場に新しくヒナが入ったから見に来てくださいと言っていただき、養鶏場を見学させてもらいました。
ライトに照らされてほんのり温かい部屋の中には4,000羽のひながいました。
所狭しとぎゅうぎゅうにつまったひなたち。ものすごく可愛かったです。
ほんの数日前に到着したらしく、まだ人に慣れていない様子で、近づくと逃げてゆきます。
時間が経つと少しづつ慣れてくれたのか、近づいて写真を撮れるようになりました。このひなから段階を経て少しづつ成長して卵を産むようになります。3段階くらいに分けて場所を移動してゆくそう。
この4,000羽のひなたちは全部メスになります。大きくなるにつれて何度も何度もワクチンを注射するようです。そうすることによって菌を防ぎ、新鮮で安全な卵を家庭に届けることができるようです。
日本人の営む養鶏場はたいていボリビアのカイシーと呼ばれる組合に属しています。その組合には厳しい基準があり、その基準にクリアして初めて卵を出荷できます。
その厳しい試験をクリアしているからこそ安全な卵を食べることができます。そう、生で食べることができるのです。
そして卵は出荷されてゆきます
そして生み出された卵は大きさによって選別されてボリビア中へ出荷されてゆきます。この動いている機械が面白かったです。
大きさごとにレーン別に送られ、その時にカイシーというスタンプを押されてゆきます。ほとんどの卵は首都のラパスに送られてゆくのだとか。
日本人の養鶏場ですが、こうして実際に手作業で働いているのはボリビア人です。
サンファンに住むボリビア人に雇用の手を差し伸べているのが日本人というのも興味深いです。特にこのサンファン日本人移住地では日本人とボリビア人は雇い主と雇われ人という関係性ができています。
日本人移住地ならではの光景かもしれません。
そして、カイシーとして卵は出荷されます。
このカイシーの提供している卵は安全が保障されています。厳しい試験を何度も通過し安全な卵として知られます。
ボリビア第二の都市サンタクルスのスーパーでもカイシーの卵は取り扱われています。
そう、日本人のつくる卵がボリビアのスーパーに並んでいるのは面白い光景です。生卵がNGと言われる海外ですが、ボリビアも同じ。でもこのカイシーの卵は安心して食べることができます。
特に、サンファン日本人移住地で手に入る新鮮な卵は生で食べることができます。日本品質はボリビアでも安心というところでしょうか。
卵ひとつをとっても本当に興味深い事実がボリビアにはあります。