韓国ソウルを代表する景色といえば? ここはやはりNソウルタワーを推したいもの。ちょっと見晴らしのいいところからなら、ソウル市内のどこからでも見えるNソウルタワーはやはりランドマークなのではないでしょうか。
その、Nソウルタワーの楽しみ方を伝授しちゃいます。
昼の顔と夜の顔
南山のてっぺんにそびえるNソウルタワーは、晴れた日なら青い空に映えます。南山公園の緑は都会のオアシスにもなっています。中心部から近いので気軽にハイキングも楽しめます。
また、周辺の住民たちにとっては生活の一部。犬の散歩に来た人達が南山公園にある広場で情報交換をしたり、欧米系の居住者がランニングをしていたりする姿も見られます。
季節の移り変わりを楽しめるのもここの魅力の1つ。秋が深まるにつれて、木々が赤や黄色に染まっていく姿は風情があります。
すぐ近くまで民家が建っているので、角度によっては古い住宅の合間からそびえるタワーも楽しめます。写真を撮るのが好きな方なら、お気にいりの撮影スポットを探してみるのもおすすめです。
夜になるとぐっと雰囲気が出てくるタワー。以前の記事でもご紹介しましたが、Nソウルタワーのライトアップはちゃんと意味があるんです。それがわかると、「今日は何色かな?」と眺める楽しみも倍増します。
下から見ようか、上から見ようか
下から眺めるNソウルタワーも素敵ですけど、せっかくソウルに来たのなら一度は上ってもらいもの。Nソウルタワーから一望できるソウル市内も捨てがたいですよ。
上るのだったら、天気のいい、空気のいい日を選んでください。特に、日中に上るのなら、これ、大事。なんだかんだ言って、人口1千万都市のソウルは、盆地という特性もあって、あまり空気がいいとは言えません。
せっかく時間と労力かけてのぼってみたものの、見えたのはスモッグで薄汚れた空だけ……になっては悲しいですもんね。
おすすめなのは、夜。昼間に比べて、失敗する確率が低いからです。それにソウルは、昼にしか楽しめないところがたくさんありますからね。限られた時間内で十分楽しむためには、天候に左右されにくく、ほかのスケジュールとかち合いにくい夜の時間を活用しましょう。
ソウルの夜景は宝石をちりばめたよう
Nソウルタワーの展望台から見えるソウルの夜景は、光の帯がとてもきれい。写真のように、街灯もオレンジ色と白色の2色があります。オレンジ色がどちらかというと昔ながらの住宅街。
この写真で手前に見えているのは、フアム洞(ドン)からヨンサン洞(ドン)までのいわゆる「開放村」と呼ばれる庶民の居住地なんです。手前、暗く光のないところは南山公園。昼間は木々の茂った緑色地帯ですが、夜景になるとひたすら黒。
そこから、タルトンネともいわれる斜面に面した庶民の町が広がり、坂を下り切ったところには白い光(新しいオフィスビルなど)が続きます。光の帯は幹線道路。手前はミョンドン方面からトンネルで南山を突っ切ってきた車の流れです。
夜景の中で黒い帯が見えます。これは、漢江。漢江の両側は自動車専用道があるので、ひときわ明るく縁取られています。遠くに見える背の高い建物は蚕室のロッテタワーです。ここから、蚕室ロッテタワーもくっきり見えます。
高層ビルが特に多く、夜なのにさんさんと輝いているところは東大門市場。東大門市場の近くの暗いところは、宮殿エリアです。
改めて、昼のソウルとの表情の違いが楽しめるのではないかと思います。展望台は360度ぐるっと回れるので時間をかけてご覧になるといいかと思います。
展望台はいつでも旅行客やカップルでいっぱい。
展望台の内側にはお土産物屋さんなどもあります。記念品や、オリジナルグッズなども買えます。Nソウルタワーに上るエレベータの前で撮った記念写真の販売もしているんですよ。
それから、せっかく来たのならぜひ寄っていただきたいところがあります。それは、トイレ。
トイレの前の待ち合わせスペースからしてこんな感じです。この右側が男子トイレ、左側が女子トイレになっています。トイレの個室は外側に配置してあり、外側の壁はガラス。
つまり、用を足している間、まるで空中にいるかのような開放感。高所恐怖症の方にはつらいトイレですが、一見の価値はあります。(高所恐怖症の方は、下の階のトイレをご利用くださいね)
タワーの下にも注目
Nソウルタワーは、下のほうも忘れないでください。
Nソウルタワーは、5階建ての建物にタワーがついている構造です。なので、せっかく訪れたのだったら、この建物ごと楽しんでみられるのはいかがでしょうか。
キラキラロード
まずは、この連絡通路。駐車場やNソウルタワー行きのバスの終点から直結しているここは、夜景写真のスポットとしておすすめポイントです。
ここからだってすでにソウルの夜景が楽しめます。でも、それ以上に、記念撮影ポイント。インスタ映えのする1枚が撮れそうです。
また、タワーの下の階にはいくつかの展示があり、タワーとセットにすると割安で展示を見ることができます。
チケット売り場でセットチケットを購入すると、タワーに上るエレベータの順番(ここでは搭乗待機番号となっています)が書かれるので、待ち時間を有効利用して展示を楽しむのはいかがでしょうか。
ハローキティアイランド
タワー入り口にあるハローキティアイランドはキティづくしの展示室。
チケットを提示すると、係のお姉さんが入り口を開けてくれます。
日本人なら誰でも知っている国民的キャラクター・ハローキティ。キティ好きの方も少なくないはず。ここでは年代別のキティが並んでいます。
変わらないと思っていたけど、こんなに変わっているんだ……とか、懐かしいキティに再会したりとか、キティの国の人なら楽しくなること請け合いです。
キティづくしのお家を再現している展示は、寝室、リビング、ダイニングという感じで作られています。ダイニングでみつけたものは、韓国×キティ。壁際にある木の枠は韓国の伝統的なインテリアです。
伝統家屋には必ずあって、今どきのアパートにだってついている韓国のふすまのようなもの。木で作られた繊細な模様が韓国らしい建具ですが……これ、キティちゃんのリボンなんですよ。 食卓に置かれたお菓子派もキティ。
食器ももちろんキティです。まさにキティづくし。
記念写真スポットもあり、置かれている椅子などに座って好きなポーズで写真を撮ることもできます。子供たちも喜びそう。
ショップも併設しています。ありとあらゆるキティグッズがそろっています。
どうやら、キティだけじゃなくてぐでたまもいるようですよ。タワー待ちのちょっと手持無沙汰な時間もこれで有効活用しましょう。
キティアイランドを出ると、すぐ横が展望台入り口です。
鍵のテラスも
ドラマのロケなどにも使われるため有名なこちら。
カップルたちの名前や想いが書き込まれた南京錠は、Nソウルタワーの建物のすぐ横のテラスにあります。南京錠はつけられる範囲が決まっていますので、記念につけていきたい方は必ず指定された場所につけてくださいね。
アクセスは2つ
そんなNソウルタワーに行くアクセス方法は2つ。どちらも公共の交通機関のみです。以前は、マイカーや一般のタクシーの乗り入れができたのですが、環境への配慮から、外国人観光客を乗せたタクシー以外は乗り入れが禁止になりました。
しかし、外国人観光客を乗せたタクシーしかなくなると、料金の相場がわかりにくくなりぼったくりが多発してしまったため、現在では、ロープウェイと、循環バスのみのアクセスになっています。
ロープウェイ
韓国語では「ケーブルカー」といいます。南大門市場とミョンドンの境目、新世界デパートの向かいを南山のほうに向かって歩いていくと、斜めに斜面を登るエレベータがあります。
そのエレベータに乗って終点まで来ると、南山ケーブルカーの乗り場があります。切符はここで買えます。片道と往復がありますが、バスも乗りたいという人、帰りは歩いて下山するぞ!という人以外は往復を買いましょう。
そして、乗り場へ。2台のロープウェイが交互に行き来しています。ドラマで見たことがある人もいることでしょう。どちらかというと昼間に乗るほうがオススメな乗り物です。
ロープウェイ下り場から階段を少し上ると広場があります。この、韓国っぽいあずまやが目印です。その広場の中心にあるのが、Nソウルタワーです。
循環バス
南山公園の中と市内中心部を結ぶ黄色いバスです。ソウルの黄色いバスは4路線ありますが、そのうち3つがここに集まっています。
02番は「忠武路(チュンムロ)」駅の前またはシーラホテルに近い「東大入口(トンデイック)から乗れます。このコースは底以外に地下鉄の駅とはジョイントしないので、ピンポイントで乗ってピンポイントで降りる感じになるでしょう。
03番はソウル駅、会賢(フェヒョン)駅(南大門市場)、緑莎坪(ノクサピョン)駅、梨泰院(イテウォン)駅、漢江鎮(ハンガンジン)駅、薬水(ヤクス)駅、東大入口(トンデイック)駅を経由してNソウルタワーに向かいます。
経由駅が多いので、現在地から一番アクセスしやすい駅まで地下鉄で行ってそこからこのバスに乗るのも一案。ただ、距離があるので、例えば、ソウル駅からこれに乗るとNソウルタワーが目の前に見えるにも関わらず、到着するまで小1時間かかってしまうのでご注意ください。
05番はソウル広場(市庁前広場、明洞、忠武路(チュンムロ)、東大門歴史文化公園(東大門市場)、新堂洞(シンダンドン)、薬水(ヤクス)、東大入口(トンデイック)を経由してNソウルタワーに行きます。
東大門あたりにいる人にとっては利用しやすいかなと思います。また、ついでに、ソウルの旧市街観光地をバスツアーするつもりで乗るのも悪くないかなと思います。
これらの循環バスは大体20~30分間隔でそれぞれ運行されているので、路線が複数あるところだったら、先に来たものに乗るといいかと思います。
ソウルの魅力が伝わることを願って。