レインボーケーキ、味は虚無。美食の国・マルタ共和国でその深みを味わう方法
マルタ

イタリアのお隣、地中海に浮かぶマルタ共和国は、美食が自慢の小国です。

新鮮なシーフードや野菜を使った健康的な地中海料理やボリュームたっぷりの肉料理、最近では寿司も大人気のメニューで、雰囲気の良いレストランやバーも多く、食事時には目移りしてしまいますね。

一時期はイギリスに占領されていた事もあり、その食生活への影響は「焼き菓子が美味しい」以上には存在しないと思われていたのですが……

マルタの旅を一層楽しくする、訳のわからない味がする珍味、レインボーケーキについてご紹介致します。

人気カフェ、Cordinaに行ってみましょう


レインボーケーキを味わえるのは、マルタ共和国の首都、ヴァレッタの中心部にある「Caffe Cordina(カフェ コルディナ)」です。目の前には壮大な国立図書館が建つ絶好の立地。「地球の歩き方」にも掲載されている人気店です。

外のお席も素敵ですが、内装もパステルカラーの可愛らしい宮殿のよう。それでいて決して高級店ではありませんので、ケーキも2~3ユーロ程度から食べられてしまいます。

マルタ共和国の名物スイーツのススメ


マルタ共和国の名物スイーツは、ダーツ(なつめやし)のペーストをパイ生地で包んだ、ダーツパイ。ダーツペーストは洋風あんこと言った味わいでこってりと甘く、お茶うけにぴったりな焼き菓子です。

カフェコルディナでは日持ちする箱菓子も手広く販売していますので、お土産選びに立ち寄るにも便利なお店ですよ。

また、マルタ共和国は農業国でもありますので、地物のイチゴやオレンジ、葡萄と言ったフレッシュなフルーツを作ったケーキも外れがありません。

カフェコルディナでは、常に十種類弱のケーキを揃えているようですから、季節のスイーツを選ぶのも楽しいですね。

いよいよレインボーケーキ


さて、マルタの名物でもなければ季節のフルーツも使っていないレインボーケーキがこちらです。果実味はありませんので、一年中いつでも食べられます。

こちらのレインボーケーキ、発祥の地は見た目通りアメリカ。ツイッター上での目撃情報によれば、ミャンマーやマレーシア、イギリス、香港、そして日本でも食べる事が出来るようです。人気の秘訣は、可愛らしく人目を惹く見た目。そしてお味は―――

筆者ツイート

マルタのスイーツ事情については分かっていたのですが、6月のマルタ共和国の気温は日中30度を越す事もしばしば。長旅で判断力が落ち、何だかよく分からないケーキを注文した結果が上記のツイートです。

改めてまとめると、いかにも甘そうでちょっと健康に悪そうな見た目ですが、味は、特には無いです。甘みのない全色同じ味のスポンジが重なっています。

また、メニューには「ホワイトチョコレートのバタークリーム」と記載されていたのに、若干の塩味のあるクリームのケーキとなっています。食感は、ふわ……じょり……じょり……と言う感じですので、恐らく塩が入っています。

レインボーケーキは、私たちに様々な課題を投げかけて来ます。人は見た目が10割などと言う流行言葉もありますが、それは真実でしょうか。私たちは見た目を重視するばかりに、本当に大切すべきだったものをないがしろにしているのではないでしょうか。

Cordina(コルディナ)
244, Republic Street, Valletta VLT 1114, Malta
公式HPはこちら

騎士の話もさせてください


マルタ共和国は、2017年現在日本からの直行便はございません。しかし、地中海の美しい海や美食を求めて、ドイツ人やフランス人からの観光客は非常に多く、夏のリゾート地として大人気のスポットです。

世界遺産に登録されている首都ヴァレッタの町並みや、謎めいた巨石神殿といった見所にも恵まれています。また、元・騎士団の国でもありますので、16世紀を再現した騎士の軍事演習のパレードを見る事なども出来ます。格好良いですね!

筆者はドイツ在住ですので、勿論マルタ騎士団の事を知りたく、個人旅行でこちらに訪れました。

折角マルタに来ているのですから、ピラミットよりも歴史ある謎めいた巨石神殿や、黄金の教会を築き上げた騎士団の繁栄と没落、異教徒との血生臭く長い争いや、世界大戦の戦禍について虚無を感じたかったのです。

皆さま、宜しければ騎士の話もお読み下さい。

この記事を書いた人

華酉

華酉ライター/中世マニア

北海道生まれドイツ暮らし。大学では歯学と宗教学を修めた為、いつ中世ヨーロッパに飛ばされても活躍できる逸材です。その特性を活かし、日系企業ドイツ支店のお堅い正社員として貿易に励んでいます。 訪れた国は30ヵ国以上、時の権力者に城を陥落されて北海道に逃げ延びたご先祖様の無念を晴らす為、より強い城を求めて各国を放浪中。いつ剣と弓の時代が訪れても良いように、皆様にも選りすぐりの歴史情報をお届けします。

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