こんにちは、ライターの新田浩之です。
桜の美しさを表した言葉のひとつに、花いかだという言葉があるのをご存知ですか? これは、水面に桜の花びらが散って流れていく様子を筏(いかだ)に例えたことが由来だと言われています。
今回はそんな花いかだが楽しめる間近で楽しめる阪神地域の桜の名所を、現地での最新レポートを踏まえながら紹介します。
ファミリーに最適! 川遊びもできる都賀川
新駅(JR摩耶駅)の登場でグーンと便利になった神戸市、都賀川の桜をレポートします。都賀川は神戸市の灘区に位置し、川遊びがしやすいスポットとして知られています。子供連れにはピッタリです。
都賀川は水量が多く川幅が狭いことが特徴。ですから、川遊びには持って来いです。川沿いには美しい桜がたくさんあります。私が2016年3月下旬に行った時にはちらほら咲いていましたが、これが4月になると一気に咲くのです。
ただ、子供たちはあまり桜に興味がありませんよね。そんな時は都賀川で遊べばいいのです。
また、川を上がって川沿いの道を歩いてみると、美しい桜を間近で見ることができます。都賀川沿いの道は1995年の阪神大震災のあとに整備され、ベンチが多いことが特長。お年寄りでもゆっくりと桜を鑑賞することができます。
そして、川沿いの道に小川が流れ、そこにも小魚や鯉が泳いでいるのです。なんとも風流な気分になりますね。
新駅、摩耶駅の登場で都賀川が便利に
2016年3月27日、JR神戸線の灘駅と六甲道駅の間に新しい駅が誕生。新駅の名は摩耶(まや)駅と名付けられました。摩耶というと夜景で有名な摩耶山を思いつく方も多いはず。実際に摩耶駅からは摩耶山を見ることができます。
摩耶駅から直線に南に下ると阪神西灘駅に着きます。今のところ、普通しか止まりません。三ノ宮からですと、そのまま普通に乗るだけでOK。
大阪から新快速や快速で行く場合、芦屋か六甲道で普通に乗り換える必要があります。都賀川までは駅から東に徒歩10分です。
「日本のセーヌ川」、芦屋川でゆったり
在原業平など文学とのつながりや、素敵な建造物もある芦屋川。芦屋市で世界遺産の登録運動が起きたこともあります。このような環境は、フランスのセーヌ川の環境とよく似ているそうです。そんな、多くの地元民に愛され、「日本のセーヌ川」とも言える芦屋川で一味違った花見を楽しんでみてはいかがでしょうか。
私が行った2016年3月下旬は、ちょうど開花が始まったくらいでした。
Photo by Flicker
満開時にはなんとものどかな風景になりますね。
芦屋川は周辺の川よりも川幅が広いことが特長です。なので、ゆったりとシートを広げながらお花見が楽しめます。川の流れはものすごくゆったりとしているので、時の流れもスローモード。思わず春の気候に誘われて寝てしまう方も多いのではないでしょうか。
また、「桜」のイメージが強い芦屋川ですが、忘れてはならないのが立派な松林。松林は芦屋市の市木にもなっています。一般の川で桜と松が同時に楽しめるのも珍しいのではないでしょうか。
エキゾチックな洋館が立ち並ぶ芦屋川
芦屋は高級住宅地で有名な町。当然、芦屋川沿いにも大きなお屋敷が見られます。そして、注目したのはエキゾチックな洋館。
例えば写真のカトリック芦屋教会は芦屋市を代表する名建築です。芦屋教会は1956年に建てられ、美しいステンドグラスは多くの市民に愛されてきました。兵庫県には芦屋教会のような昔ながらの美しい教会がたくさんありました。ところが、1995年の阪神淡路大震災でその多くが倒壊。芦屋教会は奇跡的に倒壊を免れ、今では文化財的にも貴重な存在となっています。
芦屋川へのアクセス
芦屋にはあまり駐車場がありませんので、鉄道利用をオススメします。一番便利なのはJR。大阪から芦屋までは「新快速」でわずか15分、三ノ宮からは7分です。JR芦屋駅から芦屋川へは西に徒歩5分です。他に阪急芦屋川駅、阪神芦屋駅からもアクセス可能。大阪、神戸からのアクセスが近いのも芦屋川のウリです。
関西有数の名所、夙川
約1,660本もの桜が咲き誇る関西有数の桜の名所、夙川(しゅくがわ)。川岸に2.8kmの桜並木が続く公園です。阪神間にふさわしく、品のいい落ち着いた印象があります。
その最大の見どころは、西宮オリジナルの桜が2種類も見られること。
ひとつ目は「西宮権現平桜」。これは、桜博士で有名な笹部新太郎氏が「日本一の山桜」と称した、和歌山県にある熊野神社参道の桜がベースになっています。それを、西宮市の職員がバイオ技術で増殖させ、西宮市に植えたのです。一般的なピンク色ではなく、白色が特徴となっています。
ふたつ目は「夙川舞桜」です。こちらは、西宮市にある桜を自然交配させて作られた、西宮完全オリジナルの桜です。平成17年に市民の公募によって「夙川舞桜」と名付けられました。特長としては淡いピンク色になり、後に白色へと変わります。
2016年3月下旬に訪れた際には、桜は蕾の段階でまだまだ時間がかかりそうな様子。やはり4月の上旬から中旬が見頃になるでしょうか。
夙川は美しく、川は透き通っており、美しい錦鯉が泳いでいます。桜のイメージが先行する夙川ですが、桜のシーズンでなくても、のんびりと散歩を楽しむことができます。
夙川へのアクセス
阪急の最寄りは阪急神戸線の夙川駅。特急で、大阪梅田から15分、神戸三宮から11分です。
JRですと、JR神戸線のさくら夙川駅になります。駅名がズバリ「さくら」と付いています。分かりやすいですね。大阪から18分、三ノ宮からは芦屋で各駅停車に乗り継ぐ形で10分です。
阪神ですと、香櫨園(こうろえん)駅が最寄りになります。大阪梅田からは西宮で各駅停車に乗り継ぐ形で18分。神戸三宮からは御影で各駅停車に乗り継ぐ形で20分です。
電車でのアクセスが便利な場所ですので、気軽に足を運べるのではないでしょうか。
まとめ
今回は好アクセスで気軽に楽しめる阪神の川桜を紹介しました。
川面に花びらを散らす、風流な桜の表情をぜひ楽しんでみてください。