愛知県のとんかつといえば、濃厚な八丁味噌をベースにしたソースがかかった「みそかつ」というイメージが強い印象です。しかし、実は愛知県には、もうひとつユニークなとんかつがあることをご存じでしょうか?
尾張地方の真ん中あたり、名古屋市に隣接したあま市が発祥といわれているそのとんかつとは「焼きとんかつ」のこと。現在では名古屋市内を始めとした近隣地域の専門店でも食べることができるヘルシーでユニークなとんかつに、改めて注目してみました。
今回訪れたのは…名古屋市内の老舗とんかつ店
今回、筆者が訪れたのは、名古屋市中村区鈍池町にあるとんかつ店「とんかつオゼキ 鈍池店」さん。本店は同中村区名楽町にありましたが、現在は閉店しており、こちらの鈍池店にすべての業務が集約されています。
開業は今から70年近く前の1954年。数ある名古屋のとんかつ店の中でも歴史が古く、昭和の時代から変わらないノスタルジックな店構えも相まって、“老舗”として現在も多くの人々に親しまれてします。
オゼキの「焼きとんかつ」の特徴
入店しメニューを開いてみると、最初のページに同店が誇る「焼きとんかつ」の特徴を説明する紹介文が書かれていました。
同店ではとんかつソースとして、創業当時から続く味噌ベースの秘伝のたれを使用。提供時に味噌、ソース、塩、タルタルソースなどから好みの味わいを選ぶことができますが、多くのお客さんが「味噌」を選ぶとのこと。
いざ実食! 定食or単品から選べる「焼きとんかつ」
同店の焼きとんかつは、ご飯、赤だし、サラダ、香の物がついた定食と、サラダがつけあわせでついた単品から選ぶことができます。
濃厚なソースがかかった焼きとんかつはお酒のアテにもぴったりなので、単品の焼きとんかつとビールという組み合わせもOK! 味が濃くお酒が進むので、飲みすぎないようにご注意を!
こちらはもっともオーソドックスなロース肉の焼きとんかつに味噌ソースをかけたもの。1.5センチほどの厚みのあるロース肉は脂身がほどよく入り、やわらかくジューシーな食感が食欲をそそります。
小ぶりでやわらかいヒレ肉の焼きとんかつは、塩でさっぱりといただくのも良いでしょう。
また、サラダに添え付けられていたマヨネーズ感強めのタルタルソースをつけるとやや濃厚な味わいとなります。一般的なとんかつであれば脂っこくハイカロリーに感じてしまうこの組み合わせも、焼きとんかつならあっさりとしているので罪悪感も軽め。サラダのキャベツとあわせながら美味しくいただきました。
揚げ物が苦手な方も挑戦しやすい! ヘルシーな「焼きとんかつ」を食べてみて
焼きとんかつは一般的なとんかつとは違って“油で揚げない”ということがセオリー。細かく薄い衣をまぶして油を引いた鉄板でこんがりと焼き上げるとんかつは、見た目はまるでカツレツのようです。
揚げ物は脂っこく苦手に感じる方も、きっと焼きとんかつであれば挑戦しやすいのではないでしょうか? ぜひ一度、試してみてくださいね!
●とんかつオゼキ 鈍池店
愛知県名古屋市中村区鈍池町3丁目6