有名戦国武将を輩出し、まちの歴史が長い自治体の多い愛知県。そんな愛知県の中心都市として、商業、文化、観光などさまざまな要素で県内隋一の発展を見せる大都市・名古屋。“名古屋めし”という言葉があるように、名古屋市のグルメは、他地域にはない独創的で個性豊かな食べ物があることでも有名です。

今回は、名古屋めしの中でもよく比較対象となる「あんかけスパ」と「鉄板ナポリタン」の創業店を巡ってきました。いわゆる「元祖」のお店で感じた昔ながらの美味しさと、足を運んでみたくなるようなお店の魅力をレポート形式でご紹介します。

あんかけスパの元祖店「スパゲティハウス そーれ」

あんかけスパの発祥店といわれている「スパゲティハウス そーれ」さんは、1961年創業のスパゲティ専門店。名古屋市中区の栄エリアにお店を構えています。このあたりは女子大エリアというナイトスポットの密集地として知られており、深夜まで多くの人々で賑わいを見せています。そのため同店も、ディナータイムは22時までお店を営業。近隣にはビジネスホテルがたくさんあるため、ホテルの宿泊者の夜食スポットとしてもよく利用されているようです。

店内は席数が多く、平常時は待つことなくスムーズに入店することができます。おひとり様でも利用しやすいカウンター席も完備。テーブル席は最大6人まで座れるので、大人数での訪問時も安心ですね♪

あんかけスパの代表格といえば、トマトの酸味とブラックペッパーのピリ辛味が特徴の「ミラカン」でしょう。同店では、スパゲティオーダー時にミニサラダがついてきます。

トマト、たまねぎ、ビーマンといった野菜にくわえて、絶対に外せないのは赤ウインナー。具材だけでもかなりのボリュームですが、パスタの麵は他のお店よりもやや量が多く、太くて弾力がある食感のためかなり食べごたえとなります。それでも、ランチタイムには1.5倍の量のパスタをリーズナブルなサービス価格で提供しており、そのボリュームでもしっかりと完食している人が相当数いるというから驚きです。

鉄板ナポリタンの元祖店「喫茶ユキ」

名古屋市東区葵にお店を構える「喫茶ユキ」さんは1957年の創業。外観はかなり新しめに見えますが、今の店舗は創業60年を迎えた際に全改装したため、とてもおしゃれでトレンド感溢れる見た目となっています。

同店は鉄板ナポリタンを初めて提供したお店として知られており、現在も看板メニューとして、鉄板に乗ったあつあつのナポリタンスパゲティを提供。営業形態は喫茶店ですが、ランチタイムには名物パスタを求めてやってくる人々で混み合います。

同店の鉄板ナポリタンは「元祖鉄板イタリアンスパゲッティー」という名称で販売されており、単品は650円というリーズナブルな価格で提供されているところがポイント。おすすめトッピングのハンバーグを追加しても850円と、低価格でお腹いっぱいになることができるのは喫茶店ならでは！

取っ手のない真っ黒な鉄板の上に、卵が流し込まれたスパゲティが乗っているこの見た目こそ名古屋流！ 現在では全国のおしゃれなカフェや喫茶店でも見かけるようになりましたが、元祖はこのお店なのです。

鉄板の余熱で半熟状態になった卵をパスタの麺に絡めて食べると、やや酸味のあるスパゲティの味がとてもまろやかに変化します。グリーンピースが鉄板全体の絵面にいろどりを添え、アクセントに赤ウインナーが添えられているレトロな見た目はまさにフォトジェニック！

食後の会計時にはデザートとしておやつをもらえるところも、昭和の時代から続く喫茶店ならではのサービスといえるでしょう。

名古屋名物の2大パスタを食べに行こう

今回は、名古屋の2大名物パスタである「あんかけスパ」と「鉄板ナポリタン」の元祖店をご紹介しました。みなさんはどちらのパスタ料理に興味を惹かれましたか？ 観光で名古屋を訪れた際には、ぜひお店へ足を運んでみてください。