「さんぱち食堂」は、京王線千歳烏山駅から徒歩10分ほどの静かな住宅街にあるカジュアルフレンチとワインが楽しめるお店。オーナーがまだ若い頃、一時期滞在したニュージーランドの片田舎のユースホステルが気に入って、そのアットホームな雰囲気を味わってもらいたいと、お店の設計から壁の色まで自ら考えたとか。そんな熱い想いのこもった小さな食堂へお邪魔しました。
気さくなオーナーとシェフ
夜の帳が下りるころ、暗い夜道に明かりが漏れるお店のドアを開けると、笑顔が絶えない人好き話し好きのオーナー(ワインと接客担当)と、吉祥寺や青山、自由が丘などの数々のレストランで腕を磨いてきた寡黙なシェフ(料理担当・たまに接客)のコンビが出迎えてくれました。堅苦しさとか威圧感とは無縁のお二人なので、初めて訪れてもまったく気兼ねなく入れます。
こだわり抜かれた店内
店内には、オーナーが各地を探し回って揃えた、古さの中にも味わいのあるアンティーク家具や雑貨が随所に置かれ、誰かの家に遊びに来たような感じ。まさに、オーナーが求める「アットホーム」という言葉がぴったりの雰囲気です。
アンティークなものはテーブルや椅子、照明などたくさんありますが、オーナー曰く、その中でも一番こだわりのあるのが、19世紀最初に作られたフランス製のドア。店内から見ると飾りドアのように見えますが、ちゃんと開け閉めできます。
これらのアンティーク家具を置いてから、アンティーク好きのお客さんも訪れるようになったとか。私はそっち方面はぜんぜん詳しくないですが、感覚的に大好きなのでお店のあちこちを撮影させてもらいました。
お店の一角に目をやると、スタッフが作っている本物の花やスパイスを使ったピアスやイヤリングなども陳列され、シックなアンティークに彩りを添えています。このアクセサリーは通信販売もしているそう。
さて、自慢の料理とワインは??
「さんぱち食堂」では、季節感のある旬野菜や鹿や猪など普段あまり食べられない食材を多く使用しています。野菜は、無農薬野菜を栽培している静岡の契約農家「馬場修一郎農園」や地元千歳烏山の農家から仕入れ、魚は小田原から朝どれのものを直接購入。
お店の定番で売れ筋は、季節の野菜のグラタン、馬場農園の野菜、ラム肉のハンバーグ、骨つきラム肉のロースト。シェフがラム好きなので、ラム肉料理は常にメニューに掲載されているそうです。
また、来店したらぜひ食べてもらいたいシェフ一押しの料理が、イワシと炒め玉葱のパイ包みで、トロトロになった飴色の玉葱とイワシ、そしてそれを包むサクサクのパイ生地が絶妙。一度食べたらやみつきになる美味しさです。
何度来ても飽きない味付けと体が喜ぶ新鮮な食材で、訪れるお客さんの約7割がリピーターだとか。
そしてワインは、常時50から100種類近く揃い、料理に合わせてオーナーが見繕ってくれます。ワインの仕入れは各インポーターや酒屋さんから行い、フランス産を基本にした重すぎず食事との相性のいい自然派ワインが中心。
フランス以外にも、イタリア、ドイツ産もあり、日本のワインも充実しています。特に、大阪にある日本ワインの草分け的なワイナリー「仲村わいん工房」のワインがおすすめで、日本全国にファンを持つ人気の逸品。
ワインの入荷状況により、グラスワインもボトルワインも随時変わるので、何が飲めるかは行ってからのお楽しみ。お酒が飲めなくても、農家やワイン生産者が作るオーガニックジュースなどもあります。
素敵な食事と素敵な雰囲気のお店
というわけで、この日は上記でご紹介した料理の数々をワインと共にちょっとずついただきました。野菜やラム肉などヘルシーなものが中心なので、お腹いっぱい食べても「食べ過ぎた~」という罪悪感がないのが女子的に嬉しい。さらにワインも自然派ということで、健康や美容が気になる人でも安心して嗜めます。
若き日のオーナーがすこぶる気に入ったニュージーランドのユースホステルのゆったりと流れる時間の中で、文化も言葉も違う様々な国から訪れた旅人が集い、自然と話が盛り上がる居心地のいい空間で、美味しい料理とワインを楽しんでください!