歴史的な場所はたくさんありますが、奈良県の飛鳥地域は飛鳥時代からの歴史が残り、日本の始まりの場所ともいわれています。不思議な石造物や古墳、歴史のある神社仏閣、更に美しい自然に囲まれた飛鳥(現、明日香村)をご紹介します。
飛鳥時代に活躍した聖徳太子生誕の地、『橘寺』
聖徳太子は、欽明天皇(聖徳太子の祖父)の別宮があったこの場所で誕生し、その後、聖徳太子自身がこの寺を建立したといわれています。創建された年は不明で、元々の建て物は焼失した為、現在の建物は江戸時代に再建されたものです。
聖徳太子といえば歴史上の偉大な人物ですが、実在していたということを改めて感じることができます。
飛鳥のシンボルは『石舞台古墳』
日本最大級の石室古墳で、巨石が39個積み上げられているようです。7世紀の初め頃に築造されたといわれていて、蘇我馬子の墓だという説が有力のようです。築造当時は土に覆われていたようですが、現在は天井石が露出した状態になっています。もちろん、内部も現在は何もありません。写真だとわかりにくいと思いますが、実際に近くに行くとその大きさに圧倒されます。
飛鳥地区に点在する、不思議な『石造物』
いつ、何の為に作られたのかわからない物も多く、伝説的な言い伝えがある物もあります。これらは一か所にあるのではなく点在していますが、それぞれ見ごたえがありますので、時間があれば是非めぐってみられることをお勧めします。昔話にでてきそうな不思議な世界に引き込まれる感覚を味わえると思います。
二面石
善悪二つの顔を背中合わせに彫ってあります。これは先述の『橘寺』の敷地内にあります。
亀石
鬼の雪隠
鬼が用を足したといわれています。(雪隠とはトイレのことです。)元々は古墳の石室の一部だったものが、古墳が壊されてこの形になったようです。
鬼の俎(まないた)
鬼が人を捕えて料理をした俎とのことです。元々は古墳の床石だったといわれています。
猿石
4体全ての顔が猿に似ているのでこう呼ばれています。ちなみに、この4体は同じ場所にあります。
酒船石
酒作りに使用したとの言い伝えからこう呼ばれています。石板の溝が酒を搾る為の物だったといわれていますが、別の説では油を搾る為だとか、宮殿の庭に水を流す為の物だともいわれています。
日本最古の本格的仏教寺院といわれている『飛鳥寺』
596年に蘇我馬子が建立した寺で、飛鳥大仏と呼ばれている釈迦如来像が安置してあります。当然、何度も修復を繰り返していますが、当初からの部分もあるようで、その歴史に驚きます。
飛鳥観光に役立つ情報
散策マップはこちら(PDFが開きます。)
飛鳥路めぐりの拠点は近鉄飛鳥駅になりますが、徒歩だけでの散策は難しいと思いますので、周遊バスを利用されると良いかと思います。
(詳しくは奈良交通株式会社)
また、天気が良ければレンタサイクルもお勧めです。
(詳しくは明日香レンタサイクル)
石造物等は、少し奥まったところにある物がほとんどですので、バスの場合はバス停から歩くようになりますが、自転車だと傍まで乗って行けるので便利です。
自然に囲まれた飛鳥地区は、これからの秋の季節、風景の美しさも格別だと思います。行楽の秋、飛鳥路巡りを楽しみましょう!