国立新美術館で開催中の「チューリヒ美術館展」に行ってまいりました。
モネ、ダリ、ピカソ、シャガールなどなど超有名画家たちの74作品、しかもその8割が初来日。
個人的に気に入る作品や発見が多く、期待以上の企画展でした!感想を交えてお伝えいたします。
日本初のチューリヒ美術館展
チューリヒ美術館は、スイス最大の都市チューリヒにある収蔵作品数が10万を超える美術館。
日本でチューリヒ美術館収蔵作品による企画展は今回が初めてで、この企画展では19世紀後半~20世紀中頃の74点が展示されています。
産業革命後のヨーロッパは、人々の暮らしは豊かになり、芸術の世界においても国境を越えて互いに影響しあった時代でした。
そうした時代に作られた作品が、技法や画家という枠を越えて展示されている今回の企画展。
近代美術を俯瞰して見ることができるだけでなくアーティストそれぞれの表現を味わうことができます。
今回の74作品のうち、8割が日本初来日の作品ということもありますが、絵画の巨匠たちの、超有名作品ばかりじゃないのが見どころ。
この絵見たことあるな~、と思った隣の作品には、こんな絵もあるんだ!と思ったり。
先日の3連休最終日に行ったのですが、連休ということもあり結構混雑していました。
来場者数が10万人を突破したようで、ものすごい人気。さすが巨匠たちの作品が並ぶだけあるなという感じでございます。
最注目はモネ!
8割が初来日と書きましたが、その中でも注目なのが縦2m・幅6mのモネの大作です。印象派の父であるモネと言えば〈睡蓮〉の連作が代表的ですが、そのひとつである〈睡蓮の池、夕暮れ〉。
photo;チューリヒ美術館展
▲画像ではまったく伝わりきらない迫力と美しさ。どうか本物を目で確かめていただきたいです。
6mの長さで描かれた、水面に夕焼けを写す睡蓮の池。
数歩引いて全体を眺めたとき、ため息のもれるような美しさがキャンバスを飛び出して壁一面に広がっているよう…
夕暮れの繊細な機微が見事に描き出されていて、モネの素晴らしさを改めて感じる1枚でした。
ちなみに、モネの〈睡蓮〉に描かれる池がどこにあったかご存知でしょうか?
モネはフランス・ジヴェルニーにある自宅の庭に池を作り、睡蓮を浮かべ、これを最高傑作と呼びました。そして1899年から没する1926年まで、この池をモチーフに200以上の作品を描きます。
これが連作〈睡蓮〉です。
満足感たっぷりの企画展
美術館展のいいところは、風景画が好きなひとも、人物画が好きなひとも、印象派が好きなひとも、写実絵画が好きなひとも、楽しめるところではないでしょうか?
特に好きじゃなかった画家や、知らなかった作品を見てみたら「あ、これいいかも。」っていう出会いがあるのも魅力だなあと思っております。
例えば、風景画や印象派の絵が好きなわたし。今回のチューリヒ美術館展でも、ホドラー〈日没のレマン湖〉やココシュカ〈モンタナの風景〉が気に入りました。
でもそれだけじゃなく、
シュルレアリストであるミロの〈絵画〉〈夢の絵画〉とか、
▲ミロ〈絵画〉のポストカード
色彩論に欠かせないイッテンの〈出会い〉を素敵に感じたり、
▲イッテン〈出会い〉のポストカード
それからムンクの筆遣いに興味をそそられたり、改めてシャガールの魅力に気付いたり。
▲シャガール〈パリの上で〉のポストカード
1時間もかからずに見終わりましたが、美術館を出るときにはなんだかお腹いっぱい。
開催前から楽しみにしていた企画展ではありましたが、こんなにいい出会いがあるなんて!と、いい意味で期待を裏切られた気分です。
東京展は12月15日で閉幕しますが、その後来年1月末~神戸市立博物館でも開催予定です。
会期:2014年9月25日―2014年12月15日
開館時間:10:00~18:00、金曜日は~20:00(最終入館は30分前まで)
休館日:毎週火曜日
会場:〒106-8558 東京都港区六本木7-22-2 国立新美術館 企画展示室1E
公式サイト:http://zurich2014-15.jp
今回紹介したスポット
-
国立新美術館
日本最大の延床面積を持つ、国内5つ目の国立美術館。東京メトロ「六本木」駅または「乃木坂」駅から徒歩圏内で、近隣施設は東京ミッドタウンや六本木ヒルズです。六本木ヒルズ内森タワーの森美術館と同じく常設展示はありません。絵画等に限らず、書道展などの企画展を開催。また施設内には図書館やギャラリーショップも併設されており、展示の閲覧以外にもアートを楽しめる場所となっています。