関西人は冬になると城崎や香住など日本海にカニを求めに行きたくなりますが、実は、秋には里山の味覚を求めて丹波篠山に行きたくなるのです。今年もやってきました、丹波篠山の秋! 黒枝豆や栗、秋の実りで作ったスイーツ、ついでに紅葉狩りも楽しめる大丹波エリア・丹波篠山をご紹介します。
関西の秋は丹波篠山から
10月になると突然混み始める丹波篠山。普段は静かな城下町なのですが、黒枝豆解禁と同時に混み始め、春日神社秋祭りと重なる週末にはすごい賑わいに!(写真は平日の朝)
ちなみに公共交通機関で丹波篠山の城下町にアクセスするにはJR篠山口が最寄りで、そこから城下町方面のバスに乗って二階町付近で下車するのがおすすめ。
丹波篠山名物の黒枝豆
丹波篠山市では「丹波篠山黒枝豆」に解禁日(例年10月初旬)を設定しています。これは、本場の味覚と粒の大きさを楽しんでもらうため。この解禁日がニュースで流れると、関西人はとりあえず丹波篠山へ向かうのです(笑)
特にコメ不足&新米の季節と重なることもあり、今年はお米を買い求める人も多く見かけました。
豆は枝の状態で売られているものもあるのですが、持ち帰ることと手間も考えて袋入りを購入。「黒豆名人・小島さん」のものを購入しました。朝一で購入したのですが、お昼に帰る頃には小島さんの豆は売り切れていました。他の同じ内容量の豆よりも少し高いのですが、人気のようですね!
黒枝豆は収穫時期によって異なる味わいが楽しめ、10月初旬のものは“初摘み”といってフレッシュな味わい。見た目は黄緑色。中旬のものは“仲摘み”で、さわやかさと旨みがバランスよく味わえるとのこと。下旬は“晩摘み”。黒豆に近い見た目に近づき、リッチな味わいだそう。
今年はいつまでも暑かったので、育てるのも大変だったらしいですね。収穫時期による味の違いもちょっと例年とは異なるのかも。私の購入したのは“晩摘み”に近い時期だったのですが、茹でたものを取り出してみると、“中摘み”に近い感じでした。
驚いたのは、豆の丸々とした大きさと、栗のような風味! さすが枝豆の王様ですね。
大人気の黒豆パン
もし黒枝豆の時期を逃しても大丈夫。黒豆パンならオフシーズンでも販売されています。有名なのは小西のパンですが、これは比較的どこでも手に入りやすいので(通販もあり)、現地で人気の「パンのプー」をご紹介します。
初めて食べた時からずっと、私にとって黒豆パンといえばこのお店です。
湯種を使用した白いもちもちの生地に、ぎっしりと黒豆が詰まっています。3つ入りで売られていて、660円。一つは店先のテーブルでいただき、あと二つは持ち帰りました。これは本当に美味しいのでおすすめ!
黒豆・栗スイーツ
平日に訪れると、黒枝豆シーズンでも比較的空いていてよいのですが、その代わり定休日のお店があるのがデメリット。そんな時にぜひ立ち寄っていただきたいのが「丹波篠山 大正ロマン館」。
丹波篠山の特産物や銘菓を取りそろえているので、定休日のお店の商品なども手に入ります。
今回は見事定休日に当たってしまった、タルトで有名な「梅角堂」の他、小田垣商店の黒豆スイーツを購入。他にもかなりの数の黒豆商品を取りそろえているので、一度は立ち寄ってほしいスポットです。
食パンにも黒豆!
最後はJAのお店へ。余談ですが、赤いコーンが並んでいる場所は朝には黒枝豆を求める人の列ができていた場所です。お昼にはもう売り切れていたので、コーンだけがむなしく並んでいます(笑)
実は「JA丹波篠山 味土里館」に入っている米パン工房で買える「プレミアム食パン」が人気なんです。週末には焼き上がりに合わせて30分以上並ぶのだとか。
丹波篠山の黒豆と山の芋が入っていて、ほんのり甘くて美味しい米粉のパンです。店主さんのおすすめは、「いますぐそのまま食べる」(笑)。でも、それは難しいと思うので「帰ったらラップにくるんでチン」だそうです。
私は軽く焼いてからいただきましたが、里山の秋を感じる味わいで幸せな気分になりました。
これからは紅葉が楽しみな大丹波エリア
黒枝豆の季節が終われば次は紅葉シーズン。篠山城跡の東側には王地山公園とまけきらい神社があり、この辺りは紅葉の名所となっています。
また周辺の市町村を含む“大丹波エリア”には紅葉の名所が多く、高源寺や高蔵寺など、京都などの有名スポットとは違って静かに紅葉を楽しめる場所が多く、これからの季節にぴったり。
ぜひ秋の丹波篠山、大丹波をお楽しみください!
●パンのプー
兵庫県丹波篠山市二階町57
兵庫県丹波篠山市北新町97