こんにちは、新田です。今回はチェコ共和国の最高峰、スニェシュカ山の登山をご紹介します。
「チェコ共和国の最高峰」と書きましたが、ちょうどチェコ、ポーランドの国境線にある山です。したがって、日本では考えられない体験ができます。
どのような体験でしょうか。さっそく、見ていきましょう。
スニェシュカ山はどんな山?
スニェシュカ山はチェコ共和国の最高峰です。と言っても標高は1,602mです。日本ですと阿蘇山と肩を並べる存在です。
スニェシュカ山は富士山のように単独で存在しているのではなく、クルコノシェ山脈の中にあります。したがって、スニェシュカ山の周辺も山がちな環境です。
まずは、ポーランドのカルパチを目指す
スニェシュカ山はポーランド側から登ることができます。ポーランド側にあるスニェシュカの登山町がカルパチです。
カルパチまでは、ポーランド西部の町ヴロツワフからイェレニャ・グラまで列車に乗り、そこからバスで行きました。ヴロツワフから3時間~4時間ほどかかります。
カルパチは登山町であると同時に山岳リゾートでもあります。夏はハイキングや登山、冬はスキーで賑わいます。多くのポーランド人観光客で賑わっていますが、外国人観光客はほとんど見かけません。
もちろん、アジア系観光客は皆無! カルパチの町やカルパチ行きのバスでは「なんでカルパチに来たの?」的な不思議そうな目線を感じました。
カルパチ自体は魅力的な町です。おいしいポーランド料理店やお土産屋が軒を連ねています。また、ペンション風の家も見かけました。まさしく、カルパチは「ポーランドの避暑地」です。
いよいよ、スニェシュカ山に登る
登山口近くにあった教会。
実はカルパチに来た理由はカルパチに住むポーランド人の友人に会うためでした。友人は「スニェシュカに登るから」と言いました。私はスニェシュカ山を全く知らなかったので「どうせ、ハイキング程度だろう」と思っていました。
しかし、友人が「ほら、あれがス二ェシュカだ」と指した先を見ると、予想をはるかに超える山だったのです。「本当に大丈夫かな……」と不安を抱えたまま登山をスタートしました。
このような心配は全くの杞憂でした。道はこのように整備されており、勾配はなだらか。ペースさえ守れば、全く疲れません。周囲の景色はこのようなゴツゴツした岩もあれば、きれいな小川や池もありバラエティーに富んでいます。
おそらく登山が苦手な方も、そこそこ楽しめるのではないでしょうか。景色を楽しみながら登ること3時間、お昼になったので山小屋で昼食をとることにしました。
シンプルだけど美味しかったキノコスープ
山小屋にはたくさんのポーランド人がいました。私はよく分からないままキノコのスープを注文。このようなシンプルなスープが出てきました。
ポーランドをはじめとする中欧・東欧の国はキノコがよく出ます。山間部ですと、毎回キノコが出ます。スープはシンプルながらもキノコの味を存分に楽しむことができました。写真で見ると量が少ないように感じますが、結構なボリュームでした。
エネルギーをチャージした上で、再びスニェシュカに向かって歩き出しました。標高が高くなり、後ろを振り向くとポーランドの平原が見えてきます。ボコボコと丘はありますが、基本的には平原です。山から見るとまるで鉄板みたい。
日本ではなかなか見られない風景ではないでしょうか。あらためて「平原の国」ポーランドを実感しました。
ところで、ポーランド人は登山の途中で景色を楽しむことはあまりしないようです。景色を見る楽しみは山頂に着いてから! そのように割り切っているような感じがしました。
もしかすると、このような平原は見飽きているのかもしれませんね。
あれ、チェコ共和国の看板が
山頂に近くなったところで、立派な看板が目に飛び込んできました。
なんと、それはチェコ共和国の領土であることを知らせる看板だったのです。つまり、登山をしながら国境を越えるのです! なお、ポーランドとチェコはシェンゲン協定に入っているため、パスポートチェックはありません。
国境を示す碑。Cはチェコ側を表す。
私は「山で国境を越えるなんて!」とひとり興奮していました。しかし、周りのポーランド人は「国境を越える」ことに対して特段の関心は持っていないような感じでした。
きっと、国境を越えることに興奮するアジア人を奇異な目で見ていたことでしょう。リアルに日本とヨーロッパとの「国境」に対する認識の違いを感じました。
チェコ共和国にあるスニェシュカ山頂に到着
登り始めて7時間ほど、ようやくチェコ共和国側にあるスニェシュカ山頂に到着。
残念ながら霧がかかっていたので景色は楽しめませんでした。それでも「登った」という達成感と充実感はありましたね。ここでも外国人観光客はほとんど見かけませんでした。
休憩がてら、山頂にある山小屋に入りました。そこで、私は驚きの光景を目撃したのです! なんと、おじさんがビールをグビグビ飲んでいるではありませんか。この日はリフトは止まっていました。つまり、自力で下山しなければなりません。
日本では考えられませんが、ヨーロッパの人はアルコールに強いので大丈夫なのでしょう。いろいろ、カルチャーショックを感じた登山でもありました。