今回はスロバキア人のキャラを紹介します。年配の方ですと「チェコスロバキア」のほうが通りがいいかもしれません。チェコ人とスロバキア人は似ていますが、何かが違います。それでは、知られざるスロバキア人のキャラを説明しましょう。
そもそもスロバキアとは? スロバキア人とは?
そもそも「スロバキア」という国名を初めて聞いた方もいるかもしれません。スロバキアはヨーロッパの真ん中にある小さな内陸国です。面積は日本の7分の1ほど、人口は約540万人です。
首都はオーストリアのウィーンに近いブラチスラバです。ウィーンからブラチスラバまでは列車でたったの1時間です。独立は1993年のこと、チェコスロバキアから独立しました。
「スロバキアという国名だから、みんなスロバキア人でしょ」このように思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。スロバキアにおけるスロバキア人の割合は8割ほどです。1割弱はハンガリー人です。スロバキアは長年、ハンガリーの統治下であったので、今でも南部を中心にハンガリー人が居住しています。
さて、スロバキア人の簡単なプロフィールをしましょう。スロバキア人はチェコ人やポーランド人に代表される西スラブ系に属します。スロバキア人がスロバキアにやってきたのは5世紀のこと。それ以降、スロバキア人はスロバキアに居住しています。
例外はオスマン帝国の迫害から逃れてきた南スラブ系のクロアチア人です。クロアチア人はブラチスラバ近郊に住んでいました。現在では、完全にスロバキア人に同化した、という状況です。
チェコ人とは異なるスロバキア人のキャラ
よく、スロバキア人は隣国のチェコ人と比較されます。外見はチェコ人とさほど変わりません。ただ、キャラは大きく異なります。
スロバキア人の性格を一言で表すと「素朴」。ラテン系民族のように、積極的に観光客に声をかけることはまずありません。あまりにもおとなしい性格なので「怒っているのかな」と心配になってきます。スロバキア人は決して怒っているわけでも、無愛想なわけでもありません。単にシャイなだけです。
列車の中でスロバキア人に声をかけると、優しくいろいろと教えてくれます。もちろん、世間話に発展することも少なくありません。ただ、その時も静かなコミュニケーションです。決して、身振り大きく派手なパフォーマンスはしません。
一方、チェコ人は「都会的」というイメージがあります。どこかスタイリッシュな印象を受けます。これは実際に会ってみないとわかりませんが、チェコ人とスロバキア人は明確に違います。その「違い」を探しながら、チェコとスロバキアを旅行するのもいいでしょう。
自然と地域を愛するスロバキアの人々
私は現地に住むスロバキア人の友人がおり、スロバキアを旅するたびに友人の家にホームステイします。ホームステイの度に感じることは、スロバキアの人々は心から自然と地域を愛していること。毎回、これに驚かされます。
友人の家はブラチスラバから電車で30分のところにあります。家は庭付き戸建て。リビングは1階になります。リビングで食事をとっていると、庭からアリの行列がテーブルにある果物めがけて歩いてきます。日本だったら、慌てて噴霧器で抹殺でしょうか。
しかし、スロバキア人は違います。友人の父親はアリを見るなり「これは我が家のペット」だと言い、可愛がっていました。他のメンバーも何事もなかったように普通に食事を楽しんでいます。私は虫アレルギーではないので、全く平気でした。ドイツの友人の家に泊まった際は、このような感じではありませんでした。
さて、友人の家族と一緒に歩いていると、出会う人、みんなに挨拶と軽い世間話をします。どうも、町の人、みんなが知り合いで仲がいいみたいです。教会に行くと、ちょうど結婚式の記念撮影をしていました。
友人の父親は僕にこう言いました。「あの結婚式の写真に入ったらいい」と。そして、結婚式の関係者にも「日本人と一緒に撮影してほしい。きっといい思い出になるよ」みたいなことを言い、関係者もあっさり快諾。
私は片隅に立って、結婚式の記念写真に入りました。新婦さん、数年後に私が入った結婚式の写真を見て、どう思うのでしょうか。
また、町にあるワイン農家も見学しました。小規模ながら、味はなかなかのもの。白ワインで軽やかな味わいなので、ワインが苦手な方でも気軽にたのしめます。
実は簡単にスロバキアに住める?
ところで、日本人は簡単にスロバキアに住めることをご存じでしたか? 正確に書くと30歳以下の方はある制度を利用して、1年間スロバキアに簡単に住むことができます。その制度とはワーキング・ホリデーです。日本とスロバキアの間にはワーキング・ホリデーに関する協定が結ばれています。
ただし、スロバキアで就職するとなると少し難しいかもしれません。友人にスロバキア就職のコツを聞いてきました。スロバキアに興味のある方、ぜひ参考にしてください。
1.スロバキア語はできなくていい。英語ができれば大丈夫。スロバキアには多くの外資系企業があるから。
2.プログラムができたら就職できる。逆に言うと、それ以外は厳しい。
3.とりあえず、履歴書を送ること。話はそれから。