四季折々、繊細で穏やかな景色を生み出す六義園。その六義園で、今年も庭園のライトアップが行われています。
上京してきて3年、初めて六義園を訪れたのですが……想像以上の美しさに、私はとても驚きました。喧噪から隔離され、空と葉の色彩が印象的な日中の空間、賑わいをみせつつも暗闇と僅かな明かりの中に静寂さを持つ夜間の世界。昼間と夜間にそれぞれの美しさを持っています。
ここではライトアップ時の様子をメインにお伝えしていくことになりますが、紅葉が綺麗なこの期間は、ぜひ日中にも訪れて頂きたく思います。
昼間の様子
青空のもと、赤や黄色に色づいた鮮やかな景色が楽しめます。平日の昼間は、そこまで混雑していないので、撮影や写生がしやすいかと思います。16:30以降は安全確保の理由から解放されるエリアが少し狭まりますので、庭園内全体を見てまわりたい方は、昼間にも訪れることをお勧めします。
日没後、染井門から入場
撮影日は日曜日の夜7時頃。駒込駅から近い染井門から入場したのですが、思っていた以上に混雑していました。と言っても、入場券購入に時間がかかったり、移動が大変というわけではないです。ですが、辺りは暗く人混みが激しい場所もあるので、小さなお子様をお連れの方は、はぐれないよう手を繋いで見てまわった方が良いかと思います。
ぼぅと浮かび上がるような……
道を照らす明かりは少なく、木々のひとつひとつに照明を当てています。夜の闇に木々が浮かび上がり、暗闇の怖さを感じる不思議な美しさがありますね。写真では葉の色がはっきりと映っているのですが、肉眼では葉の色はほとんど見えませんでした。周りに人がいるので怖くはないのですが、もし誰もいない中を独りで歩くことになったら背後を振り返る勇気は絶対生まれないと思います(笑)
肉眼ではもっと暗めに見えるのですが、池の向こう、闇に身を隠す色づいた木々達が浮かび上がっているように見えます。闇の暗さが勝っているので、イルミネーションのような「明るさで美しく魅せる」というものではなく、照明器具が少なかった時代の夜の闇を彷彿させるような「暗闇と仄かな光り」の両方を重視しているように感じます。派手な演出ではないですが、落ち着いた雰囲気が庭園に合っていてとても美しいです。
蘇る水香江
作庭当初はあった『水香江(すいこうのえ)』と呼ばれる蓮池を、現代風にLEDとミストで表現しています。辺りには、蓮の花をイメージした香りを香らせているようなのですが、私は風邪をひいていたので香りを楽しむことはできませんでした……。訪れた際は、私の分まで香りを楽しんで下さると非常に嬉しく思います。
お団子やお酒の販売も
身体が温まる軽飲食の販売も行われています。近くに飲食スペースが置かれているので、座ってゆっくり味わうことができますが、テーブルや椅子が汚れている場合があります。暗いため汚れに気付きにくいので、利用する際は服を汚さないようご注意下さい。
最後に
ライトアップの時間は日没から21:00(最終入園は20:30)、期間は11月19日(土)から12月7日(日)までととても短いです。ですが、夜の闇に浮かび上がる庭園は、すうっと心に入り込む美しさがあり一見の価値ありです! 学校帰りや仕事終わりに立ち寄って、日本庭園の美しさに心を奪われに行ってはいかがでしょうか。