奥入瀬渓流は冬が穴場なワケ。ここだけの絶景と体験がある。
日本

青森県十和田市の奥入瀬渓流は、国の特別名勝にして天然記念物。

一般に、奥入瀬渓流のシーズンは夏とされていて、夏になると大勢の行楽客でにぎわいますが、奥入瀬渓流が輝く季節は夏だけではありません。

今回、あえて冬に奥入瀬渓流を訪れた筆者は、奥入瀬渓流は冬が穴場であることを確信。なんといっても、夏と違って空いているのみならず、冬だけの絶景やアクティビティが待っているのですから。

 

あなたも、冬の奥入瀬渓流でこの時期だけの幻想風景を見つけませんか。

冬の奥入瀬渓流は空いている

冬の奥入瀬渓流が穴場だと感じた理由のひとつが、なんといっても空いていること。

ハイシーズンの初夏~夏にかけては、国内外から多くの人々が奥入瀬渓流に押し寄せるため、奥入瀬渓流周辺に宿泊している人は、混雑を避けるため朝5時ごろから観光をスタートさせるほどです。

反対に、冬の奥入瀬渓流は空いていて、車の通行も少なければ、観光客の姿も少なく、渓流周辺を観光していても、ほかの旅行者の姿はまばら。

 

奥入瀬渓流は、観光地であると同時に、極力人の手を加えないようにして保護されている国の天然記念物。観光客の少ない冬にこそ、豊かな自然にふさわしい、奥入瀬渓流本来の静けさを感じることができるのです。

冬ならではの絶景が見られる

いくら空いているとはいっても、冬に観光が楽しめなくなってしまうようでは「穴場」とはいえません。

でも、心配はご無用。「夏の景勝地」というイメージの強い奥入瀬渓流ですが、冬は冬で、この時期だけの絶景を拝むことができるのです。

雪が積もった枯れ木や、こんもりと雪に覆われた岩石、凍りついた滝など、山水画のような景色の数々は、冬ならではの奥入瀬渓流の表情。

あえて季節をずらすことで、人の少ない奥入瀬渓流をたっぷりと満喫できるばかりか、冬ならではの幻想敵な風景の数々に出会えます。

奥入瀬渓流観光なら「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」

奥入瀬渓流を旅するなら、「星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル」が便利。渓流沿いに建つ唯一のリゾートホテルで、奥入瀬渓流観光にはこれ以上ないほどの理想的なロケーションです。

「渓流スローライフ」のコンセプト通り、お部屋はすべて28平米以上のゆったりとした造りで、館内には内湯と外湯の2ヵ所の温泉を完備。

岡本太郎が手がけたアートワークが目を引く2ヵ所のラウンジからは、外の木々を眺めながら、しっとりとした大人の時間が過ごせます。

 

奥入瀬渓流ガイドツアーや苔さんぽをはじめ、自然とふれあえる季節ごとのアクティビティも充実。スノーブーツ、ベンチコートの貸し出しも行っているので、アウトドア初心者でも、奥入瀬渓流の自然を満喫することができます。

冬の奥入瀬渓流ガイドツアー

冬の奥入瀬5

奥入瀬渓流ホテルでは、四季折々の奥入瀬渓流を楽しむためのアクティビティを開催しています。

そのひとつが、「冬の奥入瀬渓流ガイドツアー」。ネイチャーガイドがシャトルバスに同乗し、ホテルから雲井の滝までの見どころをめぐります。

立ち寄りポイントのひとつが、馬門岩。真冬になると、荒々しい岩肌が真っ白な雪と氷柱に覆われ、ダイナミックな光景を見せてくれるスポットです。夏のあいだはあまり注目されない場所だといいますから、まさに冬ならではの表情といえるでしょう。

奥入瀬渓流のハイライトのひとつが、3つの川が交差する三乱の流れ。苔むす岩々で有名な奥入瀬渓流ですが、冬には苔のかわりに雪で覆われた岩の姿が楽しめます。こんもりと雪をかぶった渓流は、夏とは別世界の白銀の風景。

フワフワの雪に包まれた岩は、じっくりと眺めていると、動物のようにも見えて、今にも動きだしそう。冬だけに姿を見せてくれる自然の芸術です。

氷瀑ライトアップツアー

目下、冬の奥入瀬渓流観光の目玉となっているのが、氷瀑ライトアップツアー。

2018年からスタートした冬季限定のスペシャルイベントで、毎回満員になるほどの人気を博しているといいます。

 

その名の通り、凍った滝「氷瀑」や、氷柱、雪景色のライトアップが楽しめるツアーで、ここで見られる絶景は、ツアーに参加した人だけの特権。というのも、各見どころは常にライトアップされているわけではなく、ライトアップ車がツアーに同行し、ツアー実施中のみライトアップを行うからです。

これも、天然記念物に指定されている奥入瀬渓流の自然に影響を与えないための配慮なのです。

夜の闇のなかで照らし出される馬門岩は、日中とはまったく異なる幻想風景。氷や雪が青い光に照らされて妖しげな魅力を放ち、神秘的な造形美に引き込まれます。

氷瀑ライトアップツアーでは、冬景色を照らすライトの色の変化にも注目。馬門岩、千筋の滝、三乱の流れという3つのポイントそれぞれに、「氷」「カルデラ湖」「牡丹雪」というテーマが設けられていて、時間の移ろいともに、白、青、ピンクと、ライトの色合いも変化していきます。

同じ場所でも、光の色調が変わると、まったく異なる雰囲気に。この瞬間にしか見られない特別な風景を、いつまでも瞼に焼きつけたくなります。

スノーシューツアー

雪の中を歩くためのスノーシューを装着してのウォーキングツアー。冬のアクティビティになじみのない人は、「雪のなかをわざわざ歩くの!?」と思われるかもしれません。正直なところ、筆者もはじめはそう思いました。ですが、やってみるとこれが思いのほか楽しいのです。

 

奥入瀬渓流ホテルで貸し出しているスノーブーツに履き替え、現場に着いたらさらにスノーシューを装着。積もったばかりの新雪は、さらさらでふんわりとしていて、一歩足を進めるごとにぼこっと沈み込むのは、初めての体験。

それでも、スノーシューがあれば、足が雪に深く沈み込むことはないので、分厚く積もった雪の上もどんどん歩いていけます。

スノーシューツアーの面白いところは、夏には歩けない場所も歩けること。奥入瀬渓流沿いの遊歩道は、雪に閉ざされて入れませんが、そのかわりに、夏は歩けない森の斜面なども、雪のおかげで歩くことができるのです。

筆者が参加した回は、メンバーが皆若かったこともあってか、かなり本格的な雪道ウォーキングとなりました。

斜面をのぼったり、ふわふわの雪にダイブしたりと、「こんな体験は一生に一度かもしれない」と思うような非日常の一コマの連続でしたよ。

露天風呂「氷瀑の湯」

奥入瀬渓流ホテルでは、館内でも冬限定のお楽しみが待っています。それが、大浴場の壁面に氷瀑を再現した露天風呂、「氷瀑の湯」。

 

冷え込みの厳しい冬の青森で露天風呂に入るのは少々勇気がいりますが、一度お湯に入ってしまえば、外の寒さもなんのその。片側には、この時期にだけお目見えする氷瀑が、そしてもう片側には、葉を落とした木々が広がっていて、冬ならではの情緒あふれる風景に胸が熱くなりました。

夜になると氷瀑がライトアップされ、ひときわ幻想的な風景が楽しめます。

ラウンジからの冬景色

奥入瀬渓流ホテル滞在中は、館内からの冬景色にもはっとさせられました。チェックインの際にまず目に飛び込んでくるのが、西館ラウンジ「河神」。

 

岡本太郎作、岩にあたった水しぶきが妖精になる様子を物語る、うねるようなシルエットの暖炉が中央に配されたアーティスティックな空間は、まさにホテルの顔。その向こうには木々が顔をのぞかせ、四季折々の自然美を感じることができます。

奥入瀬渓流といえば、みずみずしい緑のイメージが強いかもしれませんが、雪をかぶった幽玄なる木々の姿もまた、味わい深い美しさがあります。

カフェ・バーとして利用できる東館「ラウンジ 森の神話」もまた、奥入瀬渓流ホテルのイメージを代表する場所。

日中はホテルのオリジナルスイーツやお茶を楽しむカフェとして、夜は暖炉の火を眺めながらお酒をたしなむバーとして、自然とアートにふれながら、上質なひとときが過ごせる空間です。

スイーツ好きなら絶対に見逃せないのが、一日10食限定の「幸福りんごのミルフィーユ」。

フレッシュなりんごとサクサクのパイ、なめらかなクリームが一体となった、見た目にも美しい逸品です。

 

※「ラウンジ 森の神話」は、2019年3月11日~2019年4月12日まで、リニューアルのため営業休止を予定しています。

慌ただしい日常から離れ、冬の奥入瀬渓流で過ごす休日は、心と身体も満ちていく上質な時間。冬にこの地を訪れた人だけに待っている、特別な体験と絶景の数々に出会ってください。

星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
住所:青森県十和田市大字奥瀬字栃久保231
電話:0570-073-022(星野リゾート予約センター)
公式HP:https://www.oirase-keiryuu.jp/

この記事を書いた人

はるぼぼ

はるぼぼ旅するライター・ブロガー

和歌山出身。東京での会社員時代、旅先の長野でドイツ人夫に出会う。5ヵ月間のアジア横断旅行と2年半のドイツ生活を経て、2018年7月日本に帰国。これまでの海外旅行歴は60ヵ国240都市。特に目がないのが、「旧市街」「歴史地区」と名のつく古い街並みを歩くこと。旅のリアルな「ワクワク」をお伝えします。

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