「人口よりも羊の数のほうが多い国」とよく言われるニュージーランド。
ニュージーランドと言えば? と聞かれたら、きっと多くの人は、
「羊がいて、どこまでも牧草地が広がってて、自然が豊かで……」
と、なんとなくどこかで見聞きしたような印象を思い浮かべると思うんですが……それ、実は全部正解なんです! むしろニュージーランドはそれ以外に何もないと言っても言い過ぎではないくらい、酪農・農業・観光で国がまわっているようなシンプルな国です。
さて、日本からニュージーランドに行こうと思うと、たとえ直行便を使っても片道10時間、さらに直行便はなからず北部のオークランドという都市で乗り換えを挟むので、NZ南部の別の都市へ行こうと思うと移動だけでかなり時間がかかってしまいます。
そこで僕がおすすめしたいのが、オークランドを拠点にして、限られた時間を目いっぱい観光にあてるニュージーランド旅行。短い滞在日数でもニュージーランドらしい景色が楽しめるので、ひそかに人気があるんですよ。
オークランドは人口約150万人を抱える最大都市にも関わらず、都会の観光だけでなく、一歩郊外へ出れば「これぞニュージーランド!」と声に出したくなるような風景にもたくさん出会うことができます。今回は、オークランドから車でわずか30分でいけるNZらしい景色を3か所に絞って見に行ってみましょう。
こんな面白い&きれいな場所があるんですよ。
羊がいっぱい、アンバリー自然公園
▲アンバリー自然公園の羊たち
ニュージーランドといえば、やっぱり羊ですね!
「広々とした牧草地を羊に囲まれながら歩けたら……」
そんな願いは車で20分のアンバリー自然公園(Ambury Regional Park)で叶えましょう。ガイドブックにはなぜか載っていない穴場ですが、ここならその夢(?) が叶います。
アンバリーはもともと地元の住民が代々営んでいた放牧地を県が買い上げ、だれでも安全に遊べる“公園”として無料公開されているんです。放牧地の中にまっすぐ伸びるハイキングコースを歩けば、道の先には羊の群れが! こちらを向いてちょっと立ち止まり、一斉にお尻をふって逃げていく羊たちを見ていると、思わず笑ってしまいます。そんな景色に出会うと、「あぁ、ニュージーランドに来たんだなぁ」と心の底から思えますよ。
ゆっくりした時間の流れるビーチ、ミッションベイ
時間の流れがのんびりしてて、広い空と青い海がいっぱいに広がってて、おいしいスイーツもあって、アクセスもよくって……なんて贅沢なリクエストにすべて応えてくれるのが、車でわずか10分のミッションベイ(Mission Bay)。
オークランド近郊のビーチと言えばまず名の挙がる、かわいらしいビーチリゾートです。
夏の晴れた日の週末に行けば、名物のニュージーランド・クリスマスツリーと呼ばれる真っ赤な花がビーチ沿いに咲き(NZは真夏にクリスマスを迎えます!)、青と赤のコントラストが見事なクラシックなNZの景色が楽しめます。
通りにはNZ産のミルクを使ったアイスクリーム屋もあって、ミッションベイに行く日本人女性は100%買ってるんじゃないの? と思えるほど女性たちに絶大な人気です。
シダの生い茂る原生林、ワイタケレ自然公園
僕が思うオークランドの一番の良さは、大都会なのにすぐ隣に手つかずの自然が広がり、しかも手軽にアクセスができることです。車で30分ほどの西に広がるワイタケレ自然公園(Waitakere Regional Park)はその代表格と呼べる原生林地帯。
ここは樹木のように成長する大型のシダが生い茂り、まるで映画のジュラシックパークを連想させます。
絶滅が心配されるような鳥や生き物たちも普通にいます。たとえば、街中ではまずお目にかかれないNZ固有の鳥・ニュージーランド・ロビン。森にすむ小さなヒタキという鳥ですが、ワイタケレのハイキングコースではよく顔を出してくれます。
「ニュージーランドらしい景色」という意味では、固有の生き物たちとの出会いもNZならでは。
珍しい生き物たちにいつでも会いにいけるというのも、オークランド発の旅の良さのひとつです。
オークランド周辺だけを見ても、今回紹介した3か所以外にもっともっと楽しめる自然や観光スポットがたくさんあります。
ニュージーランドの素晴らしい景色を、今後もレポートしていきますのでご期待ください。