全長約25kmという驚きの長さを持つ世界最長のコースが、ドイツ北西部ニュルブルクリンクにあります。通称ニュル! 高低差が激しくエスケープゾーンが狭いため、ドライバーにとって世界一過酷なサーキットとも言われています。
ニュルをどれだけ速く走ったかでその車の性能を示すことができるため、スポーツカーなどのテストコースになっていることでも有名です。
そんな車好きにとっての憧れの地ニュルブルクリンクでは、レースも開催されています。筆者は今回、年に1回だけ開催される24時間耐久レース開催時に行ってきました。
スタンドなどの施設がある5kmほどのGPコースと、森の中を走る20kmほどの北コースがありますが、24時間耐久レースはこの両コースをつなげての開催となります。
私も24時間耐久! 1日中いたので、夜中の様子も含めてお伝えしますね。
アウトバーンを走ってみよう!
ドイツの高速道路(アウトバーン)と言えば、速度無制限! 高速道路なのに無料!で有名ですよね。
そんな、走ることが好きな方には夢のような道ですが、実は速度無制限は区間が限られていて、他区間は制限速度が設けられています。
速度無制限の標識は、白地の円に細い数本の黒斜線が入ったものです。速度表示はそのつど道路脇にありますが、車内のメーター表示画面にも速度表記が出たので、私はそれも意識して運転していました。
あとは周りの速度に合わせて走っていれば、なんとな~く速度が上がったり下がったりします。スピードが落ちたな?と思うと、表示のスピード制限も低くなっているので、周りの状況に合わせて運転するのが一番スムーズかもしれません。速度無制限の区間は、だいたいみんな120から130キロぐらいでした。
サービスエリアはシンプルなところが多く、小さな売店と軽食処、お手洗いがあるぐらいでした。1人で行ったので、運転中の写真が1枚もありません。文章だけの説明で申し訳ないですが、言葉だけの説明にもう少しお付き合いください。
渋滞時はどうなるの?
ドイツの高速道路は、事故渋滞の場合は2車線ともに封鎖することが多く、完全にストップするそうです。
これは別日の写真ですが、渋滞するとこんな感じ。外に出てリラックスしている人や、タバコを吸っている人もいました。
速度無制限区間を飛ばすときは?
走って最初のほうに、速度無制限の長いストレートがあったのでその場所を覚えておいて、私は帰りにそこで180キロぐらい出してみました。せっかくなのでね。
飛ばしたい人は、行きに速度無制限の区間でできるだけ長いストレートを覚えておくといいかと思います。道路の状態や周りの状況もありますので、飛ばせるところとそうでないところがあるなと実感しました。
くれぐれも、運転にはお気をつけくださいね。
意外に怖い、工事中
「工事をしている脇を通るときが怖い」と聞いていましたが、なるほど確かにでした! 工事している分は道幅を広げる、ということをあまりしないんですね。車幅ギリギリ!
タイヤ(私の運転テクニックだとむしろ車体)を擦るんじゃないかという幅を通ることになります。しかもそんなときに大型車が横を通っていくもんだから、もう恐怖でしたよ。何度叫んだことか……。
ニュルブルクリンクへ出発!
私は当日、フランクフルト駅でレンタカーを借りて行きました。8時にフランクフルト駅でレンタカーを借りて、出発できたのが9時前。
カーナビの目的地設定に、思っていた以上に時間がかかりました……。私の場合はかかりずぎですけどね。言葉の壁高すぎ! そして、目的地の入力機能がよくわからない上に、地図上からサーキットを見つけ出すの難しすぎ!……と まぁ、完全に言い訳です。
目的地設定は、サーキット入り口付近のリンドナー(コレグレス&モータースポーツ)ホテルに設定しました。
ホテルの外観です。GPコースの施設などが集まっている場所にあるので、目印にするととても便利だと思います。
出発してアウトバーンの走行時は順調でしたが、降りてからの一般道が渋滞していて、サーキット付近の駐車場に到着できたのが12時半頃でした。お手洗いはアウトバーンを走っているとき 早めに済ましておいたほうがいいです。
あと、カーナビはあったほうがいい! 私が借りたものは最初の設定はドイツ語でしたが、少なくとも英語とフランス語の切り替えはありました。たとえ言葉がわからなくても、地図があったことでどれだけ救われたことか!
駐車場についての事前情報が少ない?
到着後は車に乗ったまま一度サーキットの入り口前を通過して、それから駐車場を探しました。事前に調べていて思いましたが、駐車場の情報が少なすぎ! しかもアバウト! うん、まぁいいけど!
GPコース周辺にゾーンがAからDにわかれてたくさんありましたが、入り口近辺の駐車場は、契約車両用だったり すでに満車だったりで駐車できず。
私は自然の流れでBのゾーンへ。最初に止めた駐車場がここです。
B9。入り口まで徒歩20分ほど。無料でしたが、不審な人もうろついていたので夕方車を移動しました。
止め直した駐車場がここ、B7です。最初に止めたとこよりもサーキットの入り口寄りで、徒歩10分ちょっとでした。
有料で7ユーロ払いましたが、駐車場沿いに歩いて行くとコースが見えたので、とてもいいところだったと思います。(コース沿いは、24時間耐久レース有料ゾーンのためチケットチェックあり)
また一度敷地内に入れば、コース沿いを歩いてスタンドのほうまで移動ができました。この駐車場付近からはGPコースの先のほうが見えました。
スタンドのほうへ向かっていくときに見られる、GPコースのカーブ。
スタンド付近にあるインフォメーション。
チケットをネットで事前購入していきましたが、スタンド付近で原券を提示したら「先にインフォメーションへ行って」と言わたので、インフォメーションへ行って引き換えてから入場しました。
それがこれです。
丈夫な紙のリストバンド。イベントっぽくていい感じ!
こちらはスタンドがある建物の中です。少しでしたがメーカーのブースがありました。
ピット周辺
スタート40分前のスタンドはこんな感じ。スタンドは出入り自由でしたが、スタート時とゴール時は特別混みあいます。レース開始15分前にスタンドに入ろうとしたら、もう入れないと断られました。
ゴール時は30分前に行ってギリギリ入れましたが、もう人がいっぱいで立ち見でした。スタンドには早めに入っておいたほうがよさそうですね。
24時間だから、当然 夜も走りっぱなし
「寝ずに24時間走るの!?」と、私も最初はそう思い驚きましたが、それだと違う耐久レースになっちゃいますからね。1チームにドライバーさんが4人いるので、交替しながら走るようです。それでも相当大変ですよね。
夜は視界が制限され、肉体的にも精神的にもかなり負担がかかるそうです。
真夜中のスタンド。さすがにあまり人はいませんでした。
敷地内から見た朝焼け
近くにニュルブルクリンク城というお城があり、コースはこのお城を囲むようにあります。せっかくなので、朝方 歩いて行ってみました。
けっこう坂を登りましたが、ドリントホテル側の入り口から出て徒歩15分ほどで入り口の門に到着。朝6時なので開いていませんでした。当たり前なのですが、せっかく来たのに残念……。
お城の門前からの景色です。登ってきたので眺めがいい! そして清々しい!
ここからも、走っている車の音が聞えました。町全体に響いているのかも……。この日は町の人たちも24時間耐久なのかな?
お城まで歩いて行くときにあった町の看板です。
服装は?
昼間は半袖で過ごしました。2017年は半袖でも暑かったぐらいです。夜は例年はダウンが必要なぐらい寒いと聞いていたので、冬用の下着と靴下、ウインドブレーカーとカイロまで持って行きましたが必要ありませんでした。
ヒートテックに長袖Tシャツ、パーカーで過ごせました。2017年は1日を通して比較的暖かかったみたいです。ニュルブルクリンクのHPに天気と気温がリアルタイムで載っているので、出発前に参考にするといいかもしれません。
レース以外にも楽しめる場所がいっぱい!
敷地内にはミュージアムもあります。
ミニサーキットや展示車、展示品があったり、アトラクションがあったり。
ミュージアムを出たところにショップがありました。ステッカーやマグカップ、ブランケットやTシャツなどの服飾品もありました。
ニュルのコースの形をしたクッキーの型がかわいかったので、自分用のお土産として購入。
サーキットが見えるホテル
レース終了日、ドリント アム ニュルブルクリンクホテルに泊まりました。サーキットの内側からこんな風に見えるだけあって、とても近いです。窓から見ている人もいて、うらやましかったな~。
客室は防音になっているらしいですが、私がチェックインしたときはすでに走っている車はいなかったのでそのあたりがどうかわからず……残念。
館内はやはり、当然のように車モチーフが多かったです。かわいい!
部屋のカーペットがニュルのサーキット模様でした!
お風呂の壁にも車モチーフ!
エレベーター前にあるオブジェは、各フロアによって違いました。
観戦する側も、24時間耐久のつもりで行く?
ニュルブルクリンクの周りはホテルが少なく、24時間レース開催時は宿泊先を確保するのがかなり難しいです。
スタート当日はニュルから20kmの宿泊先を一応確保していましたが、それは近いほうなのだそうです。周りが森なので、その中を車で移動するか、サーキットに残るか、当日の様子を見て自己判断ですね。
5月後半だったので9時過ぎまでは明るかったですが、車に戻ったり その後移動するのであれば、できるだけ日が落ちる前に行動したほうがいいと思います。
周辺の駐車場付近では、キャンプをしていたりライブで盛り上がっていたり、時間帯とそれぞれの場所の雰囲気もありますが、全体的には女性が1人で行っていい場所ではないかも?と実際に行ってみて思いました。
でも、間近で観られてとてもとてもおもしろかった! これも実際に行ってみて思ったことです。なので行動する際は十分注意して、そして十分楽しんでください!
ゴール時間 スタンドからの動画です。みんなが立ち始めたので、「お、なんだ?なんだ?」と思って撮りました。
私が「え? どれ? どれに? みんなどれに?……これ? え?」となっている様子が見てとれる動画になっていると思います。恥ずかしい……。