「1貫10円の寿司屋が代々木にある」
そんな噂を友達から聞き、「え? なんというお店?」と聞き返したら、返ってきた返事は「名前はない」。
店の名前が「名前はない」ではなく、お店自体に名前がないので、みんなが「名前のない寿司屋」と呼んでいるのだとか。
寿司は大好物。明日地球が滅びるとしたら、最後の晩餐は絶対寿司!と決めている私が、そんなお店をスルーできるわけもなく、早速出かけてきました。ひとりで。
代々木駅から徒歩80歩
場所はJRと都営大江戸線の代々木駅。北口、西口から徒歩1分もかからないビルの1階です。歩きながら歩数を数えてみたら、北口からも、西口からも、80歩でお店着きました。近い!!
開店は夕方5時半から。はやる気持ちを抑えられず、5時には代々木駅に着いてしまったので、当然お店はまだ準備中。
お店の周りをウロウロ。外の看板によると、今日はブリが10円でいただけるようです。
なぜか見覚えのあるノスタルジックなビル
ちょっと離れてビル全体を見たら、なかなか雰囲気のあるビルです。代々木会館という名前で、まるでお化け屋敷……いえ、昭和の雰囲気が香るビルなのに、なぜか懐かしい気がすると思ったら、かつて大ヒットしたドラマ「傷だらけの天使」で、ショーケンが住んでいたビルでした。
ビルの裏側はどうなっているんだろうと見に行こうとしましたが、立ち入り禁止となっていたため断念。
1番端にあるお店が唯一営業をしていました。
こちらもなにやら気になるお店。入口は狭いですが奥までお店が続いているようです。
ふと、横を見ると「名前のない寿司屋」に灯りがついていました。5時20分ですが営業開始のようです。当然1番乗り!!
カウンター中心の立ち食いスタイル
店内はカウンター中心。立ち食いのお寿司屋さんです。お店の入り口に2人掛けのテーブルが2つあるので、座って食べることもできます。
壁一面にメニューが貼ってあって、予想外の豊富なメニューに何を頼んでいいか悩みます。
とりあえず、生中と「本日の超特価」と書かれた10円のブリを10貫。「本日の超特価」のお寿司は、ワンドリンクオーダーしたら、ひとり10貫まで頼むことができます。
まずは生中(480円)。
お通しはカニカマと若芽の酢の物でした。お通しの値段は書いていませんでしたが、あとで計算したら400円と思われます。
小ぶりだけど脂ののった天然ぶりに感動
こちらが10円のブリのお寿司。10貫で100円です。ネタは天然もので、大将が目の前で握ってくれます。
おいしい!!
ちょっとした回転寿司よりおいしいです。
機械ではなく手で握っているので、箸で持ち上げてもシャリが崩れません。小さめのブリですが、しっかり脂がのっています。あっという間に10貫食べきっちゃいました。
で、追加オーダー。
イカゲソ(50円)、玉子(70円)、お稲荷さん(30円)。これで150円。
これでお会計は1,130円。安いです。お腹いっぱいです。
お客さんは様々! 本当に様々!! 老若男女様々!! 私の後、おじさんがひとりで入ってきてホッピー片手に10円寿司を。しばらくひとり飲みのおじさんが続いたかと思ったら、若いお兄さんがひとりで入ってきて、ビールと10円寿司。その次に入ってきたのは、うら若きお嬢さん。やはりひとりで入ってきて、カルピス(280円)と10円寿司。
そっか!! ワンドリンクはアルコール以外も大丈夫なのね!! ソフトドリンクは、カルピ以外にコーラ、オレンジジュースがあって各280円。アルコールが飲めない人も10円寿司がいただけます。
そうかと思うとワインの種類も充実しているのが不思議。
混雑していると聞いていましたが、開店してすぐの早い時間はそんなに混んでいませんでした。また、もし混雑していても、立ち食いなので回転は早いです。
店の名は。
食べながら大将に、なぜ名前がないのか聞いてみました。実はこちらのお店、先ほど気になっていたビルの角にあった「きぬちゃん食堂」の一部なんですって! なので、敢えて特に名前はつけていないのだとか。
確かに大将の後ろにはテーブル席があって、飲んでいるお客さんが見えます。飲み物を注文すると、どこかから持ってきていましたが、「きぬちゃん食堂」から運ばれてきていたんですね。建物の縦にお店があるのかと思っていたら、L字に曲がっているようです。「きぬちゃん食堂」は、超激安居酒屋。看板メニューの10円寿司だったんですね。納得です。
「名前のない寿司屋」には、お寿司以外のメニューもありましたが、それは「きぬちゃん食堂」のメニューでした。「きぬちゃん食堂」で10円寿司が食べられるのでしょうか? 新たなミッションが課せられた気がします。
住所:東京都渋谷区代々木1-35-1
営業時間: 17時半頃~
不定休