年に一度だけの開催! フランクフルトの「ナイトミュージアム」とは?
ドイツ

いつもとは違う夜の美術館を散策する、「ナイトミュージアム」は映画の世界だけではありません。

フランクフルトの「ナハト デア ミュージアム(美術館の夜)」は、フランクフルトにある約50もの美術館が、一年に一夜だけ、深夜まで開かれる特別なお祭りです。
チケットを一枚買えば、全ての美術館に入館できるというお得さは誰にも嬉しい限り。その上、それぞれの美術館では趣向を凝らした出し物やパーティ、特別な料理が振舞われるので、眠る間もないお祭りなのです!
(トップ画像はフランクフルト「ミュージアムの岸」:マイン川の両岸には特に美術館が多く集まっています)

美術館の夜の巡り方

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△パーティトラム。なんとパーティを繰り広げながら街中を走るトラムで、これも「ナハトデアミュージアム」の出し物です。
でも、一晩で50箇所もの美術館を巡ることができるのでしょうか?
 
当然、無理です。
 
フランクフルトの美術館は全域に散らばっている上、「ナハトデアミュージアム」は、隣町の「オッフェンバッハ」と「ヘキスト」も含まれており、徹夜覚悟でも一晩ではまわる事はできません。
そこで便利なのが、「ナハトデアミュージアム」の為だけの特別バス&トラム。通常のコースではなく、美術館の前だけを効率良く巡ってくれるので安心です。これらの交通費はチケットの中に含まれています。

まずは押さえよう! 厳選スポット3点

目移りしてしまうような美術館の数ですが、せっかくなら今夜だけの見どころがある場所を訪れたいもの。普段は早くに閉まってしまったり、非公開だったりする厳選スポットをご紹介します。

1.フランクフルト動物園

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「ナハトデアミュージアム」に参加しているのは、美術館だけではありません。
まずは、フランクフルト市内の動物園はいかがでしょう。
普段は寝てばかりいる印象のライオンの大迫力の食事シーンや、昼間は展示されていてもどこにいるか良く分からないワニやコウモリと言った夜行性の動物達が大活躍しています。

夜の動物園は人気スポットですので、周囲ではフリーマーケットや軽食の屋台も立ち並び、お祭り気分も味わえます。フランクフルト動物園は、「ナハトデアミュージアム」専用のバス・トラムが集合する地点にあるので、ここからならどこの美術館にも行きやすいです。

フランクフルト動物園

2.スカイラインプラザ

フランクフルト有数のショッピングセンター、スカイラインプラザもしっかりコースに含まれています。普段は21時には閉店するスカイラインプラザですが、この夜は朝まで屋上を開放中。ここからはフランクフルトの夜景と朝焼けを楽しむ事ができます。

「ナハトデアミュージアム」では大盛り上がりのスカイラインプラザ屋上ですが、ドイツ人たちの楽しみは夜景ではなく、一夜限りのバーとバーティ会場。こちらは若者向けのノリノリの音楽、派手なネオンにアルコール、とリア充の若者向けのスポットです。

若者でもなければリア充でもない! ディスコパーティ怖い! という方、夜景の写真を撮ったら次のスポットに急ぎましょう。スカイラインプラザはフランクフルト中央駅のすぐそばで、アクセス抜群です。

スカイラインプラザ

3.ボロンガロ宮殿

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フランクフルトの隣「ヘキスト」地区にある「ボロンガロ宮殿」は、18世紀にマイン川沿いに建てられた宮殿で、手入れの行き届いた庭園やマイン川を望む眺めの美しいスポットです。しかし、現在はほとんど公開されておらず、夏季のコンサートなどで稀に利用されるのみとなっています。

普段は立ち入れないボロンガロ宮殿も、「ナハトデアミュージアム」では主役級の扱い。翌朝の5時頃までと、最も遅くまで公開されているスポットのため、夜が更ければ更ける程、「ナハトデアミュージアム」の参加者が集合してきます。

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ボロンガロの宮殿の一階は、薄暗くてロックなミュージックが流れ、ビール瓶とカクテルを手に激しく踊り狂う人で満たされたなんとも近未来的な空間。
宮殿らしく、無数の部屋の一室一室に異なる色のライトが当たり、様々な音楽がかかり、賑やかで激しい空間なのですが二階へあがると……

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二階はボロンガロ宮殿が建てられた華やかな18世紀の空気が流れ、人々が手に持つのもワインか紅茶に早代わり。
優雅な弦楽器の音に合わせて、ドレス姿の人々が踊る、タイムスリップしたような空間になっています。

ロックで近未来な一階を楽しむのも、バロックで前時代的な二階を楽しむのもお好み次第。宮殿の中庭でも随時演劇やコンサートが開かれますので、飽きずに夜を明かせるスポットです。

ボロンガロ宮殿

美術館の夜の楽しみ方

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美術館の夜は、何といっても自分の好きなジャンルの美術館に行くのが一番。

近代美術館に行けば、モダンダンスや現代演劇が見れますし、映画博物館に行けば一晩中巨大モニターで映画が見れます。
写真のイコン美術館では、イコンの地である東欧にちなんで、東欧の伝統芸能が披露されています。

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「ナハトデアミュージアム」は、一晩中人々が繰り出す、街をあげてのお祭り。パンフレットに載っている美術館だけではなく、観光客に人気の「レーマー広場」では、ミュージシャンや大道芸人が夜通し人々を楽しませています。

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何気ない教会や公園、ホールなどが、思いもがけずライトアップされている事も。どこに行こうか迷ってしまっても問題ありません。ただ歩いているだけでも楽しい一日です。

「ナハトデアミュージアム」の夜は、ぜひ力尽きるまでフランクフルトの街を満喫してみてください。
なんといってもここまでのお楽しみは全て「ナハトデアミュージアム」のチケット一枚、14ユーロ(2016年7月現在)に含まれていますからね。

Frankufrt Nacht der Museum公式サイト

この記事を書いた人

華酉

華酉ライター/中世マニア

北海道生まれドイツ暮らし。大学では歯学と宗教学を修めた為、いつ中世ヨーロッパに飛ばされても活躍できる逸材です。その特性を活かし、日系企業ドイツ支店のお堅い正社員として貿易に励んでいます。 訪れた国は30ヵ国以上、時の権力者に城を陥落されて北海道に逃げ延びたご先祖様の無念を晴らす為、より強い城を求めて各国を放浪中。いつ剣と弓の時代が訪れても良いように、皆様にも選りすぐりの歴史情報をお届けします。

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