トランジット前にちょっと仮眠したい。深夜や早朝便の前にシャワーだけ浴びたい。
そんな時「海外の空港にも手軽なカプセルホテルがあればいいな」なんて感じたことのある方、いらっしゃるのではないでしょうか?
そのようなニーズに答えるホテルがメキシコシティに誕生したと聞き、早速取材に行ってきました。
生まれは大阪・カプセルホテルの歴史
日本人にはなじみ深いカプセルホテルという形態。その歴史は今から38年前、1979年に「カプセルホテル・イン大阪」がオープンしたところから始まります。
当初は終電を逃したサラリーマンが予約なしで安く泊まれるホテルとして男性が利用する簡素なもの、というコンセプトが一般的だったものの、現在は女性専用フロアを完備した安心のカプセルホテルや書斎つきのラグジュアリーなタイプまで誕生しバリエーションも豊かになっています。
更には、海外にも進出。今では中国、シンガポールやベトナム、タイなどのアジア圏のみならず、イギリスやロシアにもあるそうです。
メキシコ発「izzzleep」の魅力に迫る!
さて今年6月、満を持してメキシコシティ国際空港ターミナル1に誕生したのが「izzzleep」です。今回はオーナーのセニョール・ルイスとセニョール・ホセに案内していただきました。
右、セニョール・ルイス/ 左、セニョール・ホセ
そもそも、なぜ日本式のカプセルホテルをメキシコに持ってこようと思いついたのでしょうか。セニョール・ホセいわく、
「私たちは元々、空港内の掲示板設置を請け負う会社をやっていたのです。掲示板設置作業といえば、空港内が静かになる夜中に行うのが常道。作業の前に仮眠をとりたいな、とか作業の後にシャワーを浴びたいな、と思っていても、そんな場所はなく……。そこで、なければ作ればいいじゃないか、とこのプロジェクトに取りかかったのです」との話。
なるほど、必要は発明の母、ですね。
まずチェックインをすると、カードキーと靴下、耳栓が渡されます。カードキーはロッカー、カプセルルームに通じるドア、カプセルルーム本体に利用されます。
いざ潜入してみると…そこはまるで宇宙船のような光景!
日本との違いは、各カプセルのドアがしっかり閉まるところでしょう。2人のセニョールたちはこのプロジェクトのために2年を費やし、もちろん日本での現地調査も行いました。
その際見た日本のカプセルはカーテンで仕切られているのが一般的でしたが、メキシコでは受け入れられないだろう、そう考えたお2人。
そこで完全に「個の空間」を作り出すカードキー式のドアを採用することにしたのです。
日本でお馴染みの縦型と、身体を入れやすい横型。合計40カプセル完備です。
室内には31インチのTV、セーフティーボックス、USB端子、ヘッドフォンが備え付けられています。マットレスは形状記憶マットレスで身体にほどよくフィット。またシーツは使い捨てのため清潔です。
こちらはシャワー&洗面台。広さの関係上女性専用スペースはありません。ですが、シャワーとトイレに関しては女性専用もいくつか準備されています。
個別のロッカーにはタオル、毛布(以上2点は要返却)、ミネラルウォーターがあります。また歯ブラシセット(25ペソ、約155円)、ひげそりセット(30ペソ、約186円)などのアメニティは受付で購入可能。
カプセルホテル内では飲食禁止ですが、ホテルすぐ近くに空港内フードコートやコンビニがありますので不自由は感じません。
メキシコ旅行、次のスタンダードに。
オープンから2ヶ月。早くもメキシコをはじめ他の北・中南米、またもちろん日本・中国・韓国の旅行者からの好評を得ており、満室の日も少なくないのだとか。
予約不要、手軽なウォークインが魅力のカプセルホテルではありますがizzzleepに限っては公式サイトもしくはBooking. comなどの大手予約サイトで事前予約をお勧めします、そう話す2人のセニョールたち。
2017年末をめどに同規模のカプセルホテルをターミナル2でオープンすることも予定しているとのこと。快適・安全なメキシコ旅行の顔として、今後ますますサービスが広まるといいですね。
宿泊:605ペソ(約3,750円)(税別)
仮眠:1時間140ペソ(約870円)(税別)。最低2時間からの利用
シャワー利用のみ:130ペソ(約800円)(税別)
公式HPはこちら
メキシコシティ国際空港ターミナル1(2階)フードコートを通り、バス乗り場へ
バス乗り場右手、こちらの看板が目印