大阪人は「まむし」が大好物♪ なんて聞くと、ちょっとギョッとするかもしれませんが、きっと皆さんも好きなはず。「まむし」は大阪（京阪地方）ではうな丼のことを指します。今回は、インバウンド向けに高騰する黒門市場ではなく、良いものをリーズナブルに楽しめる木津卸売市場をご紹介します！
こんなところに卸売市場？
都会の卸売市場というと、中心部からちょっと離れたところにありそうなイメージですが、大阪木津卸売市場はミナミにあります。
それゆえ、ミナミに素泊まりして朝食を木津卸売市場で楽しむ人々が沢山訪れます。ここ最近はインバウンドが凄まじく、私が訪れたこの日は韓国の大型連休中ということもあり、並んでいる9割はインバウンドという状態。
ちなみにまだ朝の6時40分。しかも雨。うそでしょ…、、この人気！
実はインバウンドの多くは海鮮が目当て
「え…、、めっちゃ混んでる。どうしよう…」と思ったのですが、実はインバウンドの皆さんは海鮮が目当て。
お国の事情で日本の高品質な魚介類を食べられない人々が、ここで日本の安くて新鮮な海の幸を満喫して帰るというわけです。先ほどの列はこの丸で囲んだ海鮮丼のお店まで続いています。私のお目当てのお店じゃなくて、ホッとしました（笑）
「まむし」を堪能！ 松・竹・梅ではなくS・M・Lは時代の流れ？
「まむし」を提供する川上商店さんは、“焼き”にこだわるお店。美味しいものに目がない友人たちもこぞって「美味しい！」とおすすめしていたので、楽しみにして早起き。
店内は4人掛けが3テーブルと、2人掛けが1テーブル。早朝は作業場として使われているカウンターもお昼時にはお客さんが座れるかもしれません。お世辞にも広いとは言えませんが、お持ち帰りの注文が多いような印象を受けました。
席について驚いたのが、この「S・M・L」のメニュー表。鰻といえば「松・竹・梅」で育った私には驚きの光景！ 思わず店員さんに、「これってどういうこと…？」と聞くと、通常メニューを見せてくれました。
恐らく先ほどの「S・M・L」は、増え続けるインバウンドの対応のために作ったメニュー表かと思われます。日本語メニューは「まむし」「上まむし」「特上まむし」の表記。再びお店の人に聞くと（忙しいのにごめんなさい）、乗っている鰻のランクは変わりないけど、丼の大きさが違うとのこと。なるほど、確かに「S・M・L」だなと納得。
でも、「まむし」と「上まむし」の金額の差が550円もあるので、絶対に米の多さだけではないはず…！ ということで、「上まむし」を注文。
なるほど！ 確かにMサイズ。朝ごはんにいただくならSサイズでもいいかな…というサイズ感。
しかしこの鰻、めちゃくちゃ美味しい！ 外はカリっと香ばしい焼き目がついているのに、中はふわふわ。タレがくどくないので、朝ごはんでもペロリと食べられちゃう！ そして食べ進んでいくうちに、550円の値段の差を発見。上に載っている鰻の他に、ごはんとごはんの間にも鰻が！！ これを見つけた時の幸せといったら…！
ちなみに壁におもしろいものを発見。雑誌か新聞に載った時のもののようですが、お値段がまむし1,000円（現在は2,200円）、上まむし1,200円（現在は2,750円）という表記。何年前の料金かわからないのですが、大阪の市内局番が4桁になったのが25年前の1999年。ここに載っている電話番号の市内局番も4桁だから、長くてもこの25年以内で倍になったということです。そういえばこの10年～15年で鰻がものすごく高根の花になったような感じですもんね。
それでも川上商店さんの「まむし」は、このお値段だと安く感じるくらい大満足なお味でした。ミナミに泊まる人は、ホテルは素泊まりで木津卸売市場の朝ごはんをおすすめします！
大阪市浪速区敷津東2丁目2-8
