大きいことは良いことだ!とは、某製菓会社の有名なキャッチコピーですが、「でっかい⚪︎⚪︎」と聞くと、人はついついそれを見に行ってみたくなるものです。そのためしに漏れず、私も「でっかい⚪︎⚪︎」と聞くと、ついついそれを見に行ってみたくなります。
そんな私が今回私が聞きつけたのは、「台湾の基隆という街にでっかい観音様と獅子がいるらしい」という噂でした。でっかい仏像、というと、日本で思い浮かぶものといえば、仙台の大観音様像や牛久の大仏様像でしょうか?
また私自身の地元が神奈川県の藤沢市なので、お隣の鎌倉市にある高徳院の大仏様や大船観音寺の観音様(胸像)などでっかい仏像を日頃よく見ていたことから、郷愁のようなものを感じたこともあり、基隆にある「大きい」を求めて足を伸ばしてみることにしました。
基隆への行き方と基隆での交通について
さて、基隆市は台北から30〜45分ほどのところにあります。台北からだとバスか台灣鐵路(電車)の二択ですが、渋滞さえなければバスの方が早くて料金もやや安い(バス55元に対し電車64元)ので、バスをお勧めします。切符を買うか、icカードでタッチしてバスに乗れますよ。
基隆行きのバスに乗るには、まずは台北車站(台北駅)の東1出口を目指します。出口を出ると、機関車のオブジェの向こうに基隆行きのバスの乗り場が見えますので、そこから1813路線のバスに乗りこみましょう。
10分~20分に1本バスがありますよ。なお、2016年の年末に台北駅のバス乗り場の場所が変わりましたのでご注意下さい。
バスに揺られて1時間もしないうちに、基隆の駅に到着です。バスを降りて最初に目につくのは、港町らしい眼前に海の広がる風景です。そこから歩道橋を渡った先に基隆市内を走るバス乗り場があるので、基隆各地への観光はここからバスに乗り込むようにしましょう。
基隆のでっかいその1、中正公園の観音様
さて、今回のターゲットである観音様と獅子の像があるのは、中正公園という基隆市で最大の大きさを誇る公園です。基隆駅前の観光案内所でもらえる観光ガイドマップには、アクセス方法として市バスの101,103,104,105等の路線のバスに乗り、「市政府」バス停で下車してそこから徒歩で……とあります。
もちろんこれでも良いのですが、公園は小高い山の上にあるため坂道を登ることになります。直接行きたい場合はタクシーを利用するのが良いでしょう。私はどちらの方法でも行ったことがありますが、利便性でいうとやはりタクシーの方に軍配が上がりました。
基隆の市内から中正公園の坂道をタクシーでゆるゆると登っていくと、やがて見えてくるのがオレンジ色の屋根の門。門をくぐるとまず最初にやや小さめの(それでも大きいですが)布袋様の像がお迎えしてくださって、その向こう観音様の像を仰ぐことができます。
正面に回ると観音様の両側には大きな金色の獅子が控えていて、その大きさにまた度肝を抜かれます。ちなみにこの観音様、身の丈は22.5mでいらっしゃるそうです。
獅子の像の大きさに関する情報は見つけることができなかったのですが、この獅子が二本足で立ち上がると観音様と同じくらいの大きさになりそうなので、そこから獅子の大きさを想像していただくといいかと思います。与えられるインパクトとしては、観音様よりこちらの獅子の方が大きいかも……。
ちょうど夕暮れ時に訪れたので、夕日に照らされる観音様と獅子姿、それに基隆の街の夜景を眺めることができました。海のある景色に街の明かりがキラキラと輝いている様はなかなかに綺麗ですよ。昼から夕暮れの時間にかけて訪れてみるのが良いでしょう。
基隆市信義區壽山路
基隆のでっかいその2、仏様の手のある仏手洞
さて、基隆といえば仏様に関するものでもう1つ、「でっかいもの」を見れる場所があります。それが「仏手洞」と呼ばれる観光スポット。スポットの名前にある通り、大きな仏様の手を拝むことができるのです。
仏手洞へ行くためには、基隆市バスの301,302,304路線のいずれかに乗って、「仙洞巖」というバス停で下車します。バスを降りたら行き先の案内表示が出ていますので、それに従って仏手洞へ進みましょう。
猫の出迎えに会います。
なかなかに風情のある細道を上がっていくと、仏手洞の名の通り、洞窟の入り口がぽっかりと口を開けています。こちらの洞窟は海蝕洞と呼ばれる、波浪によって形成された洞窟なのだそう。
洞窟の中に入ると先がいくつか分かれていて、意外に奥行きのある洞窟であることわかります。かつて人が住居していたほか、第二次世界大戦時には防空壕としても使用されたことがあるそうです。
入り口から振り返るとこんな感じ
洞窟の分かれ道のうち最も深いものをどんどん進んでいくと、やがて洞窟の奥へ突き当たります。そこに仏様の大きな手が……あれ、ない? 実はこの仏様の手、洞窟の再奥にあるわけではありません。
なかなか見つけることができず、同行していた方と共に10分ほどもあたりをきょろきょろと見回しまくって、やっと洞窟の再奥からちょっと手前、頭上に仏様の大きな手を拝むことができました。やっと見つけた!という感動と共に、ちょっとした達成感を味わいました……。
大きな手をぐっと押しつけたような形は風化が形成したとは思えないほどはっきりとしていて、自然の妙を感じます。もしかしたら本当に、遠い昔に仏様がこの地に来て、ぐっと手を押し付けたのかもしれませんね。
ちなみにこの仏手洞がある仙洞巖のバス停ですが、バス停の名前は「仙洞巖」という廟の名前に由来します。こちらの廟は海蝕洞を利用した廟で、洞窟の中にたくさんの仏様や観音様がお祀りされています。
洞窟の中に作られた廟などなかなかに見ることができるものではありませんので、仏手洞とともにぜひ訪れてみてくださいね。
台湾 基隆市中山區
コスパの高さはお墨付き、基隆の廟口夜市
さて、せっかく基隆を訪れたからには、何か美味しいものでも食べて帰りたいところ。そう思った時には迷わず、基隆の廟口夜市を訪れましょう。
廟口夜市は基隆のメインステーションからほど近い場所にあり、歩いていくことができます。廟口という名前の通り、奠濟宮という廟に隣合うような形で形成された夜市です。廟の入り口の前に夜市が広がっている風景は、どこか日本の神社の参道に立つ縁日を思わせます……こちらの夜市は毎日やってますけどね。
夜市は食べ物のエリアと買い物のエリアに大きく分かれます。奠濟宮のから比較的近いところに並んでいるのが食べ物のお店です。それではここで、廟口夜市の食べ物コレクションをどうぞ!
ますは蝦仁肉圓(シャーレンロウユェン)。ロウユェンは、某ジブリアニメで豚されてしまったお父さんが食べていたプリプリの食べ物の正体であると言われています(真偽のほどは定かではありません)。
もちもちした皮の中に肉の餡が包まれた食べ物で、3個60元。台湾のあちこちで食べることができますが、こちらの夜市のはなかなか美味しいですよ。蝦仁は剥きエビのこと。エビの肉圓、ということですね。
少し歩いていくと、豚の丸焼きが目に付きました。お店の名前を見ると「烤乳豬捲(カオルージュージュエン)」豚の丸焼きから作った巻物という感じです。
サクサクのパイのような皮で豚肉やキュウリ、半熟卵などを巻いてあります。齧ると卵の黄身がとろけて美味しいです! 90元でかなりの大きさのものが出てきますよ。
この夜市で私が最もお勧めしたいのが「地瓜餅」です。地瓜とは、サツマイモのこと。地瓜餅はサツマイモでできたホットケーキのようなものですが、これが本当に美味でした。胃袋の都合上1つだけ購入しましたが、これは3つ4つでも飽きずに食べれそう!という美味しさでした。
地瓜球というサツマイモのドーナツと違い、他の地域で比較的見かけることの少ない食べ物でもありますので、基隆にきた時にはぜひ食べてみてくださいね。
基隆市基隆区仁三路、愛四路