蔵王、月山、鳥海山など日本百名山に名を連ねる山々に囲まれ、母なる川「最上川」が流れる自然豊かな山形県。その地形や江戸時代の幕藩体制のなごりから、方言や食文化も少しずつ異なり、内陸の置賜(おきたま)、村山(むらやま)、最上(もがみ)、海沿いの庄内(しょうない)の4つの地域に大きく分かれています。今回ご紹介する「冷たい肉そば」は主に村山地域で昔から愛されているソウルフードです。
冷たい肉そば発祥の地 河北町
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河北町民のみならず、もはや山形県民のソウルフードにもなりつつあるある冷たい肉そば。最近はご当地B級グルメとしても人気を集めています。山形県のほぼ中央に位置する村山地域に位置する河北町(かほくちょう)。ここが冷たい肉そばの発祥の地とされています。河北町谷地(やち)にあるそば屋さんで作られた「谷地の肉そば会」には13店舗が加盟しています。(加盟店舗数はホームページより)
地元の人達は夏はもちろん、冬でも「冷たい肉そば」を食べるそうです。一度食べたらやみつきになる出汁の味はまさに故郷の味なのです。
発祥は大正時代にまでさかのぼります。当時町に多かった養鶏場の鶏肉を使い、蕎麦のコシを活かすため冷たい汁で提供したところ絶妙な味となり人気になったといわれています。
かつおや昆布から出汁をとり牛肉をのせる一般的な肉そばとは異なり鶏の出汁を使った醤油ベースのつゆは一度食べたらやみつきになります。
おすすめは一寸亭本店
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「谷地の肉そば会」にも加盟している一寸亭本店(ちょっとてい)。
お昼を過ぎた時間帯でもひっきりなしに地元の人が食べに訪れる人気のお店です。蕎麦が無くなり次第閉店となるのでなるべく早めに訪れましょう。
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店内は座敷、テーブル席があります。
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こちらが「冷たい肉そば」。まずはスープをいただきます。鶏のうま味がギュッと詰まったあっさりとした醤油味の冷たいつゆはほんのり甘くまさに一度食べたら忘れられない味。トッピングは食べ応えのある親鶏の肉とネギ。コシのある太麺の蕎麦に冷たいつゆが絡みこの暑さでも食欲をそそり一気に食べることができます。
お店では肉そば用の生そばとスープのセットの地方発送も行っています。
今年の夏はぜひ「冷たい肉そば」を食べてみてはいかがでしょうか。
●一寸亭本店