今まで世界中の様々な美術館・博物館を訪れましたが、久々に感動した美術館が山梨県・河口湖畔にある久保田一竹(いっちく)美術館。
この美術館を訪れるためだけに河口湖を訪れるのもありだなぁと思うくらい素敵な美術館を見つけました! 2009年度版ミシュラン観光ガイドで三ツ星を手に入れたこの美術館。何がそんなに感動するの? その魅力を皆さんにご紹介したいと思います。
感動ポイントその①:建物が素晴らしい!
見てください! これが入口です。この厳かな入口の雰囲気で、あの有名なミシュラン観光ガイドで三ツ星獲得も納得してしまいました。入口から訪れる人のテンションを上げるってすごいですよね。この美術館は建物もお庭も染色工芸家の久保田氏が手掛けているそうで、彼の世界観を感じることができます。
緩やかな傾斜が続く素敵なお庭を抜けていきます。カエデの木がたくさんあったので紅葉の時期は真っ赤になるのでしょうね。絶対に秋に来ようと思います。
最初の建物が見えてきました。なんだか不思議な建物ですよね。実は沖縄のサンゴ石を使っているようです。
この写真を見て「ん?どっかで見たな……」と思った方はさすがです。そうです、スペインのガウディの建築に似ていますよね。スペイン好きの私はさらにテンションがあがりました!
こんな所で出会えるとは! こちらの建物は受付になっていて、中にはショップが入っています。この建物を通り抜けさらに上に本館があります。
受付でチケットを買ってさらに上へ。山の斜面をうまく使って建てられているんですね。
こちらが本館。樹齢1,000年を超える16本もの大きな木が、ピラミッド状に組まれている素敵な建物で日本的な感じになっています。
先ほどのガウディ的な雰囲気からガラッと変わりました。このように16本の柱がむき出しで見えています! これも面白い! 飽きさせないですね。
感動ポイント②:本館の展示品 「辻が花」の技術を再現して作られた着物が美しすぎる!
本館は靴を脱いで鑑賞します。
残念ながら本館の中の撮影ができないので、パンフレットの写真をお借りして載せてみましたが、ここに展示してある着物がすごいんです! 日本人で良かったぁと思えるくらいカラフルで素敵な着物なんです。
単なる着物ではなく「辻が花」という室町時代に使われていた幻の技法を復活させた「一竹辻が花」という技術を施して作られた作品。
私が訪れた5月中旬は、「光響」という数十点の作品が展示されていました。この技法は一種の絞り染めの技術ですが、幻のこの技術を久保田氏が生涯をかけて復活させたのです。
着物を良く見ると糸で絞った跡が残り、そのしわに色が染み込み、なんとも言えない風合いを醸し出しているんですね。また題材になっているのが日本の四季、富士山などの自然。
実際に富士山を見た後に着物の作品を見たので、とても感動しました。
写真でお伝えできないのがとても残念なんですが、「日の出の太陽」「雪景色」など、自然と四季を大切にする日本人の美意識が表現されていて、感動すること間違いなしです!
着物も素晴らしいですが、建物も素敵で木で作られた空間は落ち着きました。
感動ポイント③:奥にあるお茶室が素敵すぎる!
展示室の奥に素敵なお茶室を見つけました。ここは撮影が可能だったのですが、またこれが素晴らしい! ここではお抹茶など頂くことができるようです。
どうしょうこの空間。やはり緑ってすごい癒しの力があるんですね! 大きなガラスの向こうには素敵な日本庭園が広がり、アジアの不思議な雰囲気と日本の庭園の美の融合が、素晴らしく調和しています。これも彼の世界観なんですね。
時間があればここでぜひ抹茶を堪能してみてください、贅沢な空間です。
寒い日はなんと床暖房が入るそうです! ゆっくり過ごすのもいいかも。
使われている家具もすべてが特徴的。
感動ポイント④: 建物の後ろに広がるお庭は、自然に出来たアート!
山の斜面をうまく使ったお庭が建物の後ろに広がっています。素敵な着物の展示を鑑賞した後は、ぜひお庭を散策しましょう。
実はこの辺りは、富士山の噴火によって流れた溶岩の台地でもあり、自然をそのまま生かした作りになっています。
これも久保田氏の構想だそうです。彼の偉大さを感じます。
岩に生える苔がわび・さびの精神を感じ。
新緑の時期も素敵ですが、紅葉の時期は真っ赤に染まるそうです、それも素敵でしょうね。
何やら洞窟を見つけました。ポタポタと水が落ちる音がします。何でしょう……
おーっと思わず声をあげてしまいました……ちょっと怖かったですが、これは久保田氏がお母さまのためにつくった慈母像だそうです。
いかがでしたか? 実はふらっと訪れてみた美術館なんですが、とても感動しました。
この感動具合が皆さまに伝わるといいのですが……こんな素敵な美術館があったことすら知らなかったのですが、この感動を皆さまにも是非、味わって頂きたいと思います!