「イスラム教徒禁止」の看板が市場にある理由
マレーシア

マレーシアの市場では、生鮮食品や衣料品など生活に必要なものがほとんど揃います。売られ方もダイナミックで面白いです。

しかし、マレーシアの市場を回っていると、豚肉ブースがないことに気づきます。実は豚肉は別の場所に隔離された状態で売られているのです。そんなマレーシアのマーケット事情についてお伝えします。

マレーシアの市場の様子

マレーシアの市場は朝早くから開かれています。マレー語でパサパギと言います。新鮮な食材が手に入りますし、お店の人と会話しながら買い物ができるので楽しいです。

どの市場も大抵そうですが、市場は売り場ごとにブースが分かれています。野菜を売っているブース、牛肉のブース、鶏肉のブース、魚のブースといった具合にです。

野菜売り場です。おばちゃんがテキパキと野菜を量っています。マレーシアの市場は量り売りです。野菜をカゴの中に入れておばちゃんのところに持って行くと、野菜の重さを量って売ってくれます。

鶏肉売り場です。丸ごとの鶏肉が売られている様子はなかなか衝撃的です。鶏鳥を丸ごと買うこともできますし、その場で小さく切ってもらって、むね肉、もも肉など部位ごとに買うことも可能です。

こちらは豆腐や天ぷらなどを売っているお店です。ここではもやしも売っています。

こちらのお豆腐は毎日手作りです。添加物が入っていないので賞味期限は短いのですが、香りがよく、美味しいです。このようにマレーシアでは豆腐が売られているので、日本食を作る時にも助かっています。

ここは香辛料が売られているお店です。インド系の人も住んでいるのでたくさんの香辛料が売られています。とても興味深いです。

この店にはシナモンスティックやカラシの種などもあります。私はここで買ったカラシの種を使って、粒マスタードを作っています。

特に魚のブースは興味深いです。日本では見ない魚が多く市場に出回っています。とても大きなサイズの魚がテーブルの上に置かれています。大きな魚は、骨も太く、簡単に切ることができません。

魚を売っている店の人は慣れた手つきで、太い包丁と、金槌のようなものを使って魚をぶった切っていきます。その様子はとてもダイナミックです。

日本では魚を捌くというと、とても繊細なイメージがあります。よく研がれた専用の包丁を使い、魚が痛まないように素早くさばいていきます。

しかしマレーシアの市場の魚ブースでは、魚をいたわっている様子が全く見られません。かなり雑な扱いを受けています。最初見た時はカルチャーショックでした。

ショックは受けたのですが「こんなんでいいんだ」と、魚を捌くことのハードルが低くなったのも事実です。

時々見かける面白い風景?!


ときどきマーケットでこんな光景を見かけることがあります。

店番をしながら大きな口を開けて寝ている人です。こんな平和な光景を見ることができるのもマーケットに行く楽しさの1つです。

市場のどこにも豚肉がない!

市場を回っていると、豚肉のブースがないことに気づきます。

ご存知の方も多いと思いますが、マレーシアの国教はイスラム教で、国民の60%がイスラム教徒です。イスラム教によると豚は不浄のもの(汚いもの)なので、食べることができません。

しかもマレーシアにはブミプトラ制度が存在します。プミプトラ制度とは原住民と、マレー人、そしてイスラム教徒に改宗した人が優遇される制度のことです。

そんな状況の中で、豚肉を市場で他のものと一緒に売るなんてとんでもないことなのです。

豚肉を売る場所は隔離されている!

それでもイスラム教徒以外の人(例えば華僑)は豚肉が大好きです。そんな人たちが豚肉を買えるように、わざわざ隔離された場所に豚肉売り場が作られています。

私がいつも行っている市場の豚肉売り場は本当に隔離された建物の中にあります。外から中を見ることができないようになっています。

入り口には「pasar daging babi」と掲げられています。直訳すると「豚肉売り場」という意味です。豚の絵が描かれています。

興味深いのは豚を意味するマレー語の「babi(バビ)」が使われていることです。実はマレーシアの普通の生活で、「バビ」という単語を使うことは滅多にないことなのだそうです。

「バビ」は直訳すると豚という意味です。

でも、「豚=汚いもの」ということから、「バビ」という言葉自体に、人を馬鹿にするときに使うような意味合いが込められることもあるそうです。人々は普段の生活の中で、「バビ」を使わず、わざわざ別の表現を使って豚を表現するなどの工夫をしているようです。

正直なところ私には、「バビ」を使うのが適切な時と、そうでない時の違いがよくわかりません。それで使わないようにしています。

そんなバックグランドがある中で、わざわざ「バビ」という単語を使って警告しているのですからよっぽどの事だということが伝わってきます。要するに「ここは汚い場所だ!」ということです。

私たちが住んでいる場所はイスラム教徒が多い場所なので、特に敏感になっているのかもしれません。

バビ売り場の中に入って行くと……

と言っても私は豚肉の店の建物に出入りすることができます。

豚肉の建物の中に入ると、いくつかのお店が置かれています。私たちの行きつけのお店では豚肉が吊るされています。日本では見かけることができない光景です。

この中から豚肉の部位を選び、好きな量だけカットしてもらいます。お店の人はよく切れる包丁で豚肉を切ってくれます。

できるだけ肉を傷めないように慎重に切ってくれるのですが、その包丁さばきには惚れ惚れします。魚よりよっぽど丁寧に扱われています。

ひき肉が欲しいときには、お願いすると、その場で機械にかけてひき肉を作ってくれます。好みで脂肪を多めに追加してくれたりととても親切です。

気になるお味は?


これは鶏肉、牛肉にも言えることなのですが、日本で売られている豚肉と違ってマレーシアで売られている豚肉は味がはっきりしているように感じます。

そしてよくダシが出ます。濃い味なので豚肉を食べた友達が「ラム肉」と間違えたくらいです。

でもマレーシアで売られている肉は基本、綺麗に洗浄されていません。

日本では考えられないことなのですが、マレーシアで買った肉には砂やアリがついていることがよくあります。時々皮膚の毛がまだ残ったまま売られていることもあるほどです。

なので、よく洗ってから料理することをお勧めします。

市場巡りは楽しい!

市場に行くと、現地の特徴を知ることができます。また地元の人とのコミュニケーションを楽しむこともできます。それによって色々な発見があります。そう言った意味でも、市場に行くのが好きです。

この記事を書いた人

yazu

yazu

九州出身です。 今はマレーシアに住んで数年になります。旅行も大好きでマレーシアを拠点に、東南アジア周辺の旅行にもよく出かけます。 マレーシアで、夫と共に、発展途上国ならではの思いがけないハプニング満載の生活を送っています。そんなことをしていたら、段々たくましくなってきました。東南アジア旅行では、いろいろな文化の違い、食事、地元の人との出会いを楽しんでいます。 そんな中で、自分たちが経験したこと、感じたことを記事にしたいと思います。だれかに楽しんでもらえたら嬉しいです。

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