映画「インフェルノ」のロケ地を巡る、ヴェッキオ宮殿主催のツアーがある!
イタリア

ダン・ブラウン原作、「ダ・ヴィンチ・コード」、「天使と悪魔」に続く第3弾「インフェルノ」が公開されたのは2016年10月のこと。フィレンツェで多くのシーンを撮影したことで、ヴェッキオ宮殿500人広間でワールドプレミアも行われました。

ヴェッキオ宮殿には、普段のコースでは見れない場所をガイド付きで見られる「インフェルノツアー」があります。ラングドン教授はどんな通路を辿ったのでしょうか?

その前に、ヴェッキオ宮殿ってどんなところ?


ヴェッキオ宮殿(古い宮殿の意)は、14世紀以来、フィレンツェの政治の中心地「政庁舎」だった場所。16世紀にメディチ家のコジモ1世が政治をとるようになってからは、お気に入りの建築家、芸術家であったジョルジョ・ヴァザーリにより増改築が繰り返され、住居を兼ねた政庁舎に変貌します。現在は博物館ですが、半分は市役所として使われており、結婚式もできます。
 
ラングドン教授が通ったのは、この博物館部分と繰り返し増築されて複雑になった未公開のお部屋と通路です。

参加費はわずか4ユーロ!

ネット検索すると「インフェルノツアー」が沢山出てきますが、そちらは街中のロケ地を巡るもの。今回紹介するツアーは、本当にヴェッキオ宮殿が主催するツアーです。他のツアーと違うポイントは、宮殿内でラングドン教授が巡った、通常は見られない「秘密の通路」をガイド付きで見られるところ。
 
案内してもらうガイドの言語は、予約の際にイタリア語か英語が選択できます。多くの方が英語ツアーを選択されると思うのですが、ご心配なく! イタリア人の英語発音は日本人にとって比較的わかりやすいですし、映画を見た後や本を一度読んで参加すると、かなり楽しめます。しかも、ヴェッキオ宮殿の入場料10€に4ユーロの参加費を払うだけでガイド付きツアーに参加できる、というかなりお得なツアーなんです。
 
ネット予約したら、ヴェッキオ宮殿の正面から入場し、天使の彫刻のある中庭を過ぎた左に切符売り場があります。ハイシーズンは切符売り場に行列がありますが、そのまま切符売場の中にはいって左奥の受付に直接行き予約の旨を言って下さい。下記の写真のところです。

少し早めに行って、切符購入することをおすすめします。観光の所要時間は1時間15分程度。リュックで入館はできませんのでクロークに預けます。トイレはクロークの奥ですが、入場券を提示しないと入れません。切符をなくさないようにしましょう。

複雑に入り組んだ宮殿内

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ツアーは、⑤番の狭い入口からスタートします。このバックヤードツアーで行ける、通常は見られない部分は、⑩番の屋根裏部分、⑦番の地図の間の隠し扉の中などです。宮殿内は複雑に入り組んでいるため、通常の見学ルートとバックヤード部分を交互に見ていく感じです。

⑤番の扉から入り、狭い螺旋階段を上がります。
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ジョルジョ・ヴァザーリによる豪華絢爛の500人広間。映画にも出てきますね。
 
16世紀初頭、フィレンツェ共和国から依頼されたレオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロがそれぞれこの壁に大壁画を描く予定でした。しかし、計画は頓挫。レオナルドが「アンギアーリの戦い」を途中まで描いた上から、16世紀にジョルジョ・ヴァザーリが現在の大壁画を描くことになります。

このマルチャーノの戦いの壁画の中に物語の鍵となるチェルカ・トローヴァ〈cerca trova〉の文字が隠されている!のですが、小さすぎて肉眼では見えません。この壁画を剥がせばレオナルドの絵が出てくると言われています。
 
壮大な天井画の上はどうなっているのでしょう? バックヤードツアーで見学できます。
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天井画の上はトラス組みになっています。日本でも工場の屋根などは同じ方法で組まれていますね。建築家ヴァザーリは、柱のない500人広間の重量を側面の壁に逃がすように設計しているそうです。映画では、ラングドン教授とシエナの屋根裏のシーンがありますが、勿論セットで組まれたもの。実際は大変暗く、奥の方は全く見えません。

ダンテのマスクの裏には?


通常の見学ルートに戻ると、途中でダンテのマスクが展示してあります。ダンテは1265年にフィレンツェに生まれた有名な詩人。「神曲」を書きました。物語では大きな役目を持っていたこのマスク。ガイドさんによると、「勿論、このマスクの裏には何も書いてない」そうですよ。でも、イタリアの2ユーロコインの裏側はダンテの顔がデザインされています。
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こちらのツアーの最後に見学する地図の間。各地図は物入れになっており、よく見ると蝶番や鍵穴があります。物語の中ではアルメニアの地図の場所が隠し通路になっています。

開いた!
 
実際には、ラングドン教授達はこの扉から階段を使って上階へと進みますが、インフェルノツアーはこの奥のビアンカ・カッペロの部屋を見学して終わります。上階には上がれないそうです。詳細に書くと楽しみが半減してしまいますので、実際にツアーでお楽しみ下さいね。
 
地図の間で解散した後、ツアー参加者は皆、出口階段に向かって出ていってしまいます。実は、出口方向への階段を降りないで、インフェルノツアーの中で見られなかった、通常の見学ルートをゆっくり見学しながら逆進し、500人広間から出ることも出来ますよ。

ブックショップでお土産

ブックショップは、切符売り場のお隣にあります。

お土産に、チェルカ トローヴァcerca trovaの旗の絵葉書(1€)はいかがでしょうか?
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インフェルノグッズもあります。

インフォメーション

予約はMUSE.EのHPから予約できますが、係の人に直接聞いたところ、メール(info@muse.comune.fi.it)でも対応しているとのこと。
メールには、「tour inferno」と書いた上、希望日、時間(毎日10.00am, 2.00pm, 4.30pm; 木曜日は10.30amのみ)、名前、人数、国籍、携帯番号、メールアドレス、希望言語を書いて送ってください。
 
人数制限がありますので、日本出発前に早めにネット予約して行くことをおすすめします。木曜日午後は休館日です。
入場料や時間などは、ヴェッキオ宮殿公式HPでご確認を。

日によって違う参加人数

冬場ということもあってか、英語ツアーは6人前後の様子でしたが、平日の火曜日にイタリア語で予約して行ったら、なんとお客さんは私ひとりでした! ガイドひとりに客ひとりという超豪華?ツアーとなりました。ごく稀にあるそうです。
 
火曜日はウッフィツィ美術館をはじめとする国立美術館が開いているので(国立美術館は月曜日休館)、市立博物館であるヴェッキオ宮殿は逆に観光客が少なくなる傾向があるとのこと。参加する方は是非本や映画を見た後で行くと楽しいですよ。

この記事を書いた人

ゆきとさな

ゆきとさなフィレンツェ県公認ガイド

旅行業界で20年以上働いています。旅行の度にコロコロシステムが変わるイタリアですが、できるだけ最新の情報を心掛けます。歴史と魅力が沢山の国イタリアに来て下さいね!

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