今はどこにでも気軽に旅行に行けて、むしろ行けない場所を探すほうが難しいくらい、世界が近いですよね。
でも、動物の世界だけはまだまだ人間が入ることの出来ない場所だと思いませんか?
動物と同じ世界を見てみたい! 本物の大自然を感じたい! そんな夢を少しだけ叶えることが出来るのが、東南アジアの秘境ボルネオ島。
熱帯雨林が生い茂るボルネオ島で、人間の知らない世界を覗いてみませんか?
熱帯雨林ってどんな所?
熱帯雨林って、ジャングルとはちょっと違うんです。
ジャングルは無秩序に植物が生い茂った密林。一方、熱帯雨林は「高さ」で動植物の生息する領域が綺麗に区切られています。
私達人間が歩くような高さは、低い階層に含まれていて、殆ど日光は当たりません。そのため足元は落ち葉ばかりで、草はありませんし、熱帯とは思えないひんやりとした空気が漂っています。
これはボルネオ島内のグヌン・ムル国立公園にあったキャノピーウォーク用の空中歩道。
これ位の高さで、やっと緑色の植物や日光を見ることができます!
地上で生活する人間にとっては、熱帯雨林は意外と歩きやすいという発見でした。
私はビーチサンダルにショートパンツというアウトドアにはNGな服装でしたが、特に困らなかったくらい快適なんです。
直径4センチくらいのダンゴムシっぽい虫。
何でもよく育つのか、生物すべてが巨大なことも熱帯雨林の特徴のひとつかもしれません。
数百万匹のコウモリの巣「ディア洞窟」
大自然のボルネオ島は見所がありすぎるのですが、私が最も感動したのがディア洞窟(ディア・ケイブ)。
グヌン・ムル公園内にあるディア洞窟は数百万匹のコウモリの住処です。
真ん中あたりの黒くなっている部分が洞窟の入り口。
洞窟の中は日中でも真っ暗で懐中電灯がないと何も見えません。
天井の穴から日の光りが差していても洞窟が深すぎて、地面まで光は届いていませんでした。
くだらないですが、この洞窟の入り口部分、人の横顔に見えませんか?!
ボルネオ島は石灰質の地質のため、洞窟内は鍾乳石がたくさん。ボルネオ島は虫だけじゃなくて、鍾乳石も大きいみたいです。
暗くてよかった?! ”何か”の気配がすごい。
数百万匹のコウモリの巣といわれているディア洞窟ですが、暗くて本当に何も見えません。
ただ、入った瞬間から動物特有の匂いが充満していて、何かがいる! と感じます。
また暗闇を見つめていると、黒い何かが天井や地面で動いています。
足下にコウモリが落ちてきました。洞窟内でみることが出来たのはこの一匹のみ。
この細い糸のようなものは、ツバメの唾液で巣作りに使用するようです。
ディア洞窟を出た後に聞いたのですが、洞窟内の地面は数メートルのコウモリの糞が堆積していて、その糞を餌にしている虫が更にその上に30センチ位の層をつくっているそうです。
見てしまったら倒れそうなので、暗くて良かったかも……?
夕方にドラゴンが現れる!
洞窟内では存在感は十分に感じたものの、数百万匹いるというコウモリは殆ど見ることができませんでした。
でも、コウモリといえば夜行性! そのため、実は夕暮れ時にその姿を見ることが出来るのです!
日が沈む時間が近づくと、ディア洞窟の上から……黒い煙のようなものが!
これ、よく見ると粒ひとつひとつ全てコウモリなんです!!
夜行性のコウモリが狩りを行うために巣の外に一斉にでてきている様子がこの黒い物体の正体。
空をドラゴンがくねくねと飛んでいる様子に似ているため、現地ではドラゴン・ダンスと呼ばれています。
約15分間このドラゴン・ダンスは続きます。ずっと見ていると、数百万匹という数の大きさを実感できます。
そしてドラゴン・ダンスが終盤になってくると、ついさっきまで青空だったのにも関わらず、すぐに夕焼けに。
コウモリ達には日が暮れる時がわかるんだと、野性の本能に感心です。
人が全くいない、こんな旅先も人生に一回位あっても良いと思いませんか?
大自然の中であなただけの発見や感動を見つけて下さいね。