こんにちは! てぃがです。
突然ですが、みなさんは旅の前に下調べはしっかりする派ですか?
僕は普段どこかへ行く時、リサーチをばっちりしてから行くようにしています。
しかし今回は急な用事が重なり…いつか行ってみたいと思っていた太宰府天満宮へ、突然行く機会に恵まれました。
今回は旅での予想外の出会いと、やっぱり下調べは大切。というお話をしていこうと思います。
太宰府天満宮とは
太宰府天満宮とは、学問の神様・菅原道真公を祀る神社であり、全国に約12,000社ある天満宮の総本宮です。
天神とも呼ばれ、また学業の神としても広く知られる菅原道真公。
自分も受験シーズンには湯島天神のお守りを大事にしていました。
最近では漫画『呪術廻戦』で五条や乙骨のご先祖として描かれたり、「日本三大怨霊」として紹介されることもある菅原道真公。歴史の教科書では政治家として習いますが、実は平安時代きっての文化人であり、幼少期から詩歌に優れた天才であったと伝えられています。
福岡県にある太宰府天満宮は、そんな文化人としての菅原道真公を体現したような、美しく洗練された境内や立派な本殿が特徴的な場所なんです。
参道を歩く ―― 懐かしさと新しさが交差する道
今回僕は所用で博多駅周辺に泊まっていました。
1日自由に動ける時間が作れることになったので、そうだ太宰府にいこう!と前日に思い立ち、博多駅からバスで太宰府駅へ。
博多駅から電車で太宰府へは意外と行きづらいらしく、直行のバスで行くのがおすすめだよと地元の人が教えてくれました。
バスに揺られて45分ほど、太宰府の駅へ降り立つと、観光地特有の賑わいと、どこか懐かしい雰囲気が混ざり合った独特の空間が広がっていました。
参道の両側に並ぶお土産屋さん、食事処、甘味処。初めて訪れる町をゆっくり歩くときの、あの特別な高揚感がじわじわと湧いてきます。

やがて漂ってくるのは、梅ヶ枝餅の甘く香ばしい匂い。
焼きたてのお餅に餡子を包んだ太宰府名物で、複数の店舗が軒を連ねています。店先で焼く音と香りに誘われて、思わず足が止まりそうになりました。
「ああ、太宰府に来たんだな」
そんな実感が、香りとともに訪れます。
参道の途中には、太宰府天満宮仕様のスターバックスも。建築家・隈研吾氏が手がけたという店舗は、木材を組み合わせた独特のデザインで、周囲の景観に自然に溶け込んでいました。

観光地の中にありながら、和の雰囲気を壊さない絶妙なバランスです。
鳥居をくぐり、庭園を楽しむ
参道を抜けると、視界が開けます。
そこに立つのは大きな石鳥居そして鳥居の先、参道脇には「御神牛」の像が鎮座していました。

御神牛は、菅原道真公と深い縁がある牛の像。道真公が丑年生まれであること、亡くなった際に遺体を運んでいた牛車が動かなくなった場所に墓所を定めたこと――そんな伝承から、天満宮には牛の像が祀られています。
参拝者が牛の頭を撫でると知恵がつく、体の悪い部分を撫でると治るとも言われており、多くの人が順番に触れていました。御神牛の頭は、長年の参拝者の手によってつるつるに磨かれていますよ。
庭園の美しさにも目を奪われます。

あふれんばかりの自然とひときわ目立つ赤い橋のコントラストがとっても美しかったです。
そして次に目に飛び込んでくるのが、朱塗りの楼門。

鮮やかな赤が青空に映え、その堂々とした佇まいに圧倒されます。
立派な楼門を見上げると、由緒ある大きな神社なんだなという実感と、何故かほんのり南国感を味わうことができました。
鮮やかな朱色がそう感じせるのか、独特な龍の飾りのおかげなのかは分かりませんが、
「ああ、太宰府天満宮まで来たんだ〜」
と、改めて思うことができました。

楼門をくぐって境内へ入ると、ふっと空気が変わります。
騒がしさが遠のき、心が静かに落ち着いていく感覚。緑が多く、歩きやすく整備された境内は、初めて訪れる場所なのにどこか安心する雰囲気がありました。
本殿へ向かって歩を進めると、やがて目に入ったのは――

屋根の上に森があるような、不思議な建物。
「太宰府天満宮って、こんな感じの建物なんだ〜!?
森みたいになってるし、歴史のある神社はすごいな〜」
なんて事を思っていましたが…。
「立派な仮殿だね〜」
「完成が楽しみだね」
!?
近くを歩いていた参拝客の会話が耳に入ってびっくり。
仮殿、ですと…??もしかしてこれは本殿ではない…??
そこで初めて、事前のリサーチ不足だったことに気がつきました。
太宰府天満宮の本殿は、現在「令和の大改修」の真っ最中。
実に127年ぶりの改修工事なんだそうです。
全く知らなかった~~~。
飛梅伝説をかたちにした、特別な仮殿
後で調べてわかったのですが、この仮殿は、大阪万博会場の「大屋根リング」や2028年に東京で竣工予定の 「Torch Tower」 をデザインした事でも知られる、建築家・藤本壮介氏の設計によるものだそう。テーマは「飛梅伝説」。
仮殿って事は、本殿改修後はどうなっちゃうんだろう? と思っていたら、木々などは天神様の社へと移植されるそうです。大屋根リングもそうですが、建てて終わりではなくその先を見据えた持続可能なデザインは流石の一言に尽きますね。
文化人として名を馳せた菅原道真に相応しい、差し詰め神のデザイナーズマンションといったところでしょうか。
「飛梅伝説」とは、菅原道真公が京都から太宰府へ左遷されたとき、愛した梅の木が一晩で太宰府まで飛んできたという伝説です。

仮殿の屋根に植えられた木々は、その飛梅伝説をイメージして「豊かな自然が本殿の前に飛んできた姿」を表現しているのだとか。
内部に入ると、木の温もりを感じる落ち着いた空間が広がっていました。仮設とは思えない丁寧な作りで、静かに手を合わせることができます。
仮殿の裏側には黒い布を被った本殿の姿が。

隣の飛梅が何だか寂しそうに見えますね。
いやしかし、飛梅だけでも見られて良かった〜。
太宰府天満宮に来たかったのも確かですが、本物の飛梅を見てみたいという気持ちも強かった僕。

というのも、仮殿のテーマにもなっていると説明した飛梅の伝説だすが、初めて聞いた時からすごく素敵な話だな〜と思っていて。
自分も慕う人のためにどこまでも駆けつけられるような恋をしたいな〜、なんて思ったり…。(お前が追うんかい)

正直工事中と知った瞬間はがっかりしましたが、初めての太宰府天満宮が、こんな”レアなタイミング”になるなんて。
そして、今しか見られない仮殿が、自分の大好きな飛梅をテーマにしたものだとは。
これはむしろ、ラッキーなことなのかもしれないー僕にとってはそう思えた、素敵な旅でした。
まとめ
太宰府天満宮の工事は2025年12月下旬までの予定となっています。(11月現在)
今しか見ることのできない仮殿の姿を楽しんでみてはいかがでしょうか?
工事中でも御朱印はしっかりいただくことができますのでご安心を。
色んなご朱印帳もありましたが、僕はやっぱり太宰府といえばの梅モチーフのものをいただきました。


思いがけない素敵な出会いとなった太宰府天満宮への旅行でしたが、同時に下調べの大切さを実感する旅でもありました。
実は太宰府天満宮の後に「竈門神社」という、鬼滅の刃めいたお名前の神社にも行ったのですが、山道を30分以上歩き…帰りになってバスがあるという事を知ったりだとか…。
次に行くときはバッチリリサーチしようと心に決めました。
仮殿を見たい、完成したての本殿をみたいと人それぞれ希望があるかと思います。
工事の予定も変更になるかもしれないため、見たいものが決まっている人は希望に合わせて準備をしていく事をお勧めします!
それではまた!チャオ!
●太宰府天満宮
福岡県太宰府市宰府4丁目7-1



