発券機で線香を買う!日本と全然違う参拝を、横浜中華街の「廟」でやってみました
日本

これまでいくつかの神社ネタを書いてきました。

日本はグローバル化が進み、キリスト教の教会はもちろんイスラム教のモスクなども見かけるようになりました。しかし、それらの宗教は同じ神様を信仰しているので、意外と神様そのものは身近な存在です。その一方で、地理が近い中国で信仰されている神様はよく知りません。

形を変えて日本の神社仏閣に祀られていることもありますが、純粋に中国の神様を祀っているところは限られているように感じます。今回横浜中華街に行き、中国の神様を祀っている関帝廟と媽祖廟に行ってきましたのでレポートします。

まずは腹ごしらえ 萬珍楼の豚まんはおいしかった


中華大通りに一際華やかな外観のお店の萬珍楼さん。そのどっしりとした外観は清々しいほど仰々しいです。高級感漂う存在感は創業明治25年と老舗だけあって当然という店構えです。

本当はランチを楽しみたかったのですが、しがない著者は豚まんで我慢。ふわっともちとした生地に、塩と生姜の香りがする上品な味付けをした豚肉の触感がムチムチとしていて、ほんのりと小麦粉の甘みがする生地と一緒に食べると、ずしりと喉を通っていき満足のいく食べごたえを感じました。

萬珍樓
神奈川県横浜市中区山下町153
公式HPはこちら

まずは横濱関帝廟へ


日本の神社仏閣とはまた異なる趣のある建物。鮮やかな色が煌びやかで、気の遠くなるような細工を施し、屋根の上には活き活きとした龍が鎮座しています。丁寧に作られた建物から、関帝廟は横浜中華街にとって特別な場所だということがわかります。

関帝廟がある場所はかつての居留地140番地にあり、現在住所にも中区山下町140番地とその名残があります。横浜が開港して直後に祠がおかれてからおよそ150年間、変わらずこの場所にあります。関東大震災、空襲、不審火と大きな被災に遭い、再興を繰り返し、今の関帝廟は4代目です。

廟ってお墓?

日本では神様や仏様といった縋るべき存在が鎮座している場所は、神社や仏閣と呼んでいますが、「廟」となるとインドのタージ・マハル霊廟のようにお墓という印象があります。なので、死んだ人間を信仰している場所なのかなと思っていたら、中らずといえども遠からず、といったようでもうちょっと異なる要素があるようです。

よって、かつて生きていたとされる人間を祀っているのは確かで、関帝廟という名前から三国志の武将として有名な関羽が主神として祀られています。

祀られている神様

主神関羽は神格化され、関聖帝君と呼ばれています。右側には三国志演義で関聖帝君の養子であるとされる(史実では実子と言われているそうです)関平。左側には配下である周倉将軍が一緒に関帝廟では祀られています。

関羽は塩の密売に携わっていたと信じられ、儀に厚いことから信用を第一とする商売人に信仰されるようになったそうです。一説にはそろばんを開発したといわれています。ご利益は商売繁盛はもちろんのこと、学問にも明るい神様でもあります。

他にも天を具象化した神様が玉皇上帝。これは道教の神様の天帝と同一とされています。中国古代の天地創造神話に由来する地母娘娘。日本人にも馴染み深い観音菩薩。ここの観音様は、東京浅草寺から分香されたと伝えられています。中国古代農耕社会から発生し、五穀豊穣と蓄財祈願の信仰のある福徳正神が関帝廟の本殿に祀られています。

関帝廟に参拝


一通り神様の説明をしましたので、参拝方法を説明します。

発券機で線香を購入

参拝するためには、線香を購入します。ラーメン屋のように発券機で購入するのも驚きましたが、なんと最先端のタッチパネルの発券機でした。

今までにない参拝方法に戸惑いながらも、ドキドキしながら500円の線香セットのパネルを押そうとしたら、お釣りの関係上なのか従業員さんが、お金を預かると受付に持っていき線香を持ってきました。これでは、日本の神社仏閣でお守りを購入するのとなんら変わりません。うーん、残念。

購入した線香はバラエティショップで売られている特大ポッキーのようで、風情のある表現をするならガマの穂とでも言いうのでしょうか。5本あり両手でしっかり持っていないと、穂の部分からすり抜けていくぐらい、ずっしりとした重みを感じました。日本で使われる、シャーペンの芯のようにポキポキと折れる線香ではなく、写真を撮っておけば良かった。うーん、失態。

5つの香炉に順番に線香を刺していきます


本堂の手前に香炉が並んでいます。その香炉は5つあり、番号が振られていてその順番に従い、線香を刺していきます。刺す前に3回お辞儀をします。それによって身を清め本堂に入ることができるのです。

本堂に入る際には、線香と一緒にもらったカードをスタッフの方に見せてください。そのカードはお守りと同じだそうです。

日本と全然違う参拝方法

本堂は撮影禁止なので、ここから拙い文章が続きます。ご了承ください。

本堂に入ると、日本のお寺のような雰囲気がありますが、やっぱりどこか違います。中央に関聖帝君。左に地母娘娘。右に観音菩薩。右斜め後ろに福徳正神が祀られているので、順番に参拝していきます。この参拝方法というのが、不慣れなため恥をかいてしまいました。

まず、神前に跪き合掌。住所・氏名・生年月日を告げてお願いするのですが、その際3回お辞儀をします。跪くためのクッションがあり、それが斜めになっていて立ち上がろうとしたとき、ひっくり返ってしまいました。しかも、関聖帝君の前で。これは願いが叶わないということでしょうか。

見よう見まねで参拝をし進んでいくと、金運のご利益のある福徳正神の前で、慣れた様子で1人の女性が真剣に参拝をしていました。その女性は金紙も購入していて、満願成就したのかもしれません。

次は金紙を燃やします


線香と一緒に金紙を購入することを薦められます。本堂で祈願し、そのお礼として金紙を燃やします。日本ではお賽銭ですが、この金紙とは燃やすことによって神様に届けるのです。ちなみに亡霊用は銀紙だそうです。要するに冥銭です。神様に心付け(賄賂)を渡すことによって、お願いの口利きをしてもらうということです。

日本では三途の川を渡るための六文銭が冥銭として有名ですね。ちなみに、無賃乗船はできません。こう考えると、生きても死んでも金に左右されるのが人間なのかもしれません。

著者は満願成就した際に、金紙を盛大に炊き上げようと思っていますが、気持ちというか袖の下というのか、各個人に呼び方はお任せしますが、懐に余裕があれば祈願の際に神様にお渡しした方が満願成就しやすいと思われます。

横濱関帝廟
〒231-0023 横浜市中区山下町140番地
公式HPはこちら

次は媽祖廟に行ってきた


節操のない著者は関帝廟で祈願をした後、媽祖廟に行ってきました。

ここ媽祖廟は比較的新しく2006年に台湾台南市の大天后宮より分霊され、落慶開廟されました。媽祖様は天后とも言われています。中国のマカオの語源は媽祖廟をポルトガル人が聞き間違えたことが有力だといわれているそうです。

この媽祖様もかつて生きていた人です。北宋時代の福建省に林氏の娘で、彼女は1か月たっても泣き声を上げず、才知に長け10歳になると朝晩念仏を欠かさない女の子に育ちました。いろいろ奇跡を起こし28歳の9月9日に修行を終え、天に召され神様となりました。神になった後も海難救助に勤しみ、人々は媽祖様を護国救民の神様として祀られました。

後々いろんなご利益のある神様として信仰されるようになり、縁結びの月下老人や安産のご利益のある註生娘娘や臨水夫人が一緒に祀られていることもあって、横浜媽祖廟には女性に人気があるそうです。媽祖様自身は航海の安全や事故や厄災から守ってくれる神様なので、港町に祀られるのは当然といえば当然の神様だと思います。

おみくじを引いてみた


今回も参拝をしたのですが、関帝廟と参拝方法は変わりません。神社の柏手と同じです。ここでも線香を購入するときは、券売機で購入しました。今回はボタンを押せました。本堂手前の香炉のあるところで火をつけてもらい、各香炉に線香を刺し身を清めて本堂に入ります。入る際は関帝廟と同じく、受付でもらったカードを提示してください。

中央の媽祖様の参拝を終えると、おみくじを引くことにしました。スタッフの方が参拝を終わった参拝者に、おみくじの引き方を丁寧に教えてくれます。

吉か凶を占うわけではない


中国式のおみくじは竹筒の中に、平べったい竹で作られた棒を少し傾けて、上下に振ります。1番先に出ている棒を取り出します。棒には数字が書いてあり、その番号で良いのかと、媽祖様に聞きます。是非を問う方法として、神筈を利用します。それは写真の三日月形の駒のような形をしているものです。これが、表と裏の組み合わせが媽祖様の答えとなり、引いた番号のおみくじで良いとなります。

このおみくじを引く際には名前、住所、生年月日とお願い事を心で呟き、神筈を振る際にはこの番号でいいですかと聞きます。それを著者はスコーンと頭の中から抜けていて、吉が出ろとお願いしまくっていました。

よって、なかなか答えが出ず、神筈を10回ぐらい降るはめになり、そばにいるスタッフの方に申し訳ない気分と、表裏の神筈が出ないことへの気まずさが漂い始めたころ、スタッフの方が「媽様にお願い事をして、聞いてみてください」と改めて、おみくじ方法を確認し、焦って「なんでもかんでも上手くいきますように」とえらくぼんやりとしたお願い事したら、表裏一組となった神筈が出てきました。

そのあとは、引いた番号の棒を持って受付に行き、おみくじの紙をもらいます。そこ書かれていたのは……。ある意味、納得いくような内容でした。

横浜媽祖廟
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町136
公式HPはこちら

おわりに

媽祖廟のおみくじはよく当たるとのこと。おみくじの結果が当たっている反面、手放しで喜べる内容ではありませんでした。関帝廟でもおみくじを引けるそうですが、そこでは神筈を3回降っても答えが出ない時は、日を改めたほうが良いとされているそうです。私も日を改めれば良かったのかしら……。

凪の海に漂う靴を見て、禍福を考える

媽祖廟でおみくじを引いた後、山下公園に行き海を眺めると、穏やかな海に靴が漂っていました。

おみくじの結果は努力が実らない。地道に働きなさいという内容で、また、ダメだと思ったらダメになるというようなことも書かれてあり、ぼんやりとした願い事が見透かされたような気分になりました。

きちんと目的をもって生きている人間では無いと言われているような気がして、海の漂っている靴と自分が重なって思えてきました。穏やかな海の中で空回りをしているのかもしれません。

しかし、転職は不吉とあったので、文章を書く仕事は続けても良いのかな?こればかりは、神様に決めてもらうのではなく、自分で決めることだと思います。
凪の海に漂う靴を見て、禍福を考える

この記事を書いた人

千津

千津ライター

幼いころは何者にでもなれると思っていたのに、成人しても特に何者にもなれず、外に探すようになりました。特に目的もなくふらふらと出かけるのが基本で、旅行も付き合いで行くという主体性のなさ。そんなことを積み重ねて、自分に厚みを出そうと思っています。

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