こんにちは。アーメッド弥央です。
2016年1月からバングラデシュに住み始め、途中出産・育児などのため日本に一時帰国し、最近またバングラデシュで住み始めました。
今回はそんな私のバングラデシュに住むことになった理由や住んでみた感想など紹介したいと思います!
なぜバングラデシュに住むことになったのか
理由は2つあります。「ソーシャルビジネスに興味があったため」そして「バングラデシュ人の彼氏(現夫)と一緒に暮らすため」です。
バングラデシュで働き始める前は、シンガポールでITの営業として働いていました。シンガポールはエンターテイメントも多く、プライベートも充実し、忙しくも楽しい日々を送っていました。
しかしながら、1年ほど経った頃、すでに発展しきっている国で働くことに物足りなさを感じ、以前から”なんとなく”興味があった新興国での社会課題を解決できるような仕事をしたい、という思いが強くなっていきました。
そんな中、日本に住んでいたバングラデシュ人の彼氏が自分でビジネスを起こすためバングラデシュに帰ってきており、もしよかったらバングラデシュに来ないか?とお誘いを受けました。
ちょうど「新興国で働きたい」と思っていたタイミングでこの誘いがあったため、想いが一気に具体化された感じがしました。
一度4日間だけバングラデシュに行き、「ここで暮らして仕事をしたい」と確信することができ、その2ヶ月後にはシンガポールでの仕事を辞め、バングラデシュに移住しました。
バングラデシュで働いてみて感じた事
現在、私は夫が経営するITスタートアップのHR/Corporate Strategyとして働いています。
その中で日々感じた、この国でビジネスをする上でも生活をする上でも心に留めておくべき大原則のひとつは、「簡単に人を信じてはならない」ということです。
例えば、「問題ない」と言われていても、大抵問題があったりするため、口頭の答えだけでなく、何かしらの証拠を自分の目で見ない限りは安心できません。
書類コピーのような、どんなに単純な作業を頼んだとしても、ページがバラバラのままホチキスで留められていたり、ページが抜けていたり、そもそも印刷されていないファイルがあったりします。
信じられないことですが、自分のレジュメの学歴や職歴を詐称する人が多いと言われています(しかも実際にない大学名を記載したりすることもあるとのこと)。その為、学歴については大学に連絡を取って確認、職歴については前職のボスの連絡先を聞いて、実際の在籍の有無・評価・給与まで照会をかけたりします。
他に大切な原則としては、「常にリスクヘッジする感覚をもつ」ことです。
バングラデシュは車で20分で行ける所まで渋滞で1時間かかったり、銀行の突然のポリシー変更や煩雑な手続きのせいで突然お金が下ろせなくなったり、毎日のように起こる停電やインターネット断線で仕事を中断せざるを得なくなったりと、スムーズに物事が進むということがあまり無い国です。
不可抗力の部分が大きいので、大変ですが自分たちで二重、三重にもバックアッププランを作っておくと、被害を最小に抑えられる確率が高くなります。
上記で記載したことはきっとバングラデシュだけでなく、新興国であればどこでも大方共通する事柄かもしれません。日本の常識からすると考えにくいですし、本来なら不要なはずの労力が物凄くかかるのが容易に想像できるでしょう。
個人的には日本なら1時間で済むプロセスが、バングラデシュだと10時間くらいかかる覚悟で臨むのがベターだと思っています(昔住んでいたシンガポールでも、海外特有の適当さや英語で結構苦労した記憶がありますが、それでも日本の2~3倍くらいの時間で終わっていたと思います)。
最初は、想定できないハプニングの連続にいちいちイライラしたり怒ったりしていましたが、すぐに諦めにも近い「しょうがない」という気持ちに変わりました。
上記で述べてきたようなことは、この国のゆっくりしたお国柄、ある意味文化であり、それに自分の日本人としての価値観を押し付けて「相手を攻撃して変えさせる」ようにするのはナンセンスな気がしました。
自分から望んで選んだ、バングラデシュで働くという選択肢。うまく現地の事情を許容しつつ、「では自分がどうすれば良いのか」を念頭に進んでいくことが大切です。
そしてビジネスをする上での障壁はまだまだ高いですが、そのぶん成長のレバレッジの大きさに期待し、ブルーオーシャンを開拓する厳しさと楽しさを経験値として積みながら、自分の成長の糧にしたいと思っています。