無人の波を求めて 〜ギリSurf Trip vol1〜
インドネシア

gili

ギリ surf trip banner

ずいぶんあちこち旅してきた。
そして旅の果てに今家族とともにバリ島で暮らしている。
でも旅は終わっていない。

gili

最近ではバリを拠点にインドネシア国内、近隣のアジア諸国などを歩いている。
旅は続いているのだ。

ボクの旅には変ることのない相棒がいる。
それは『サーフボード』だ。

ボクにとって旅に出る目的はただ一つ。
まだ見ぬ波を追いかけること。
それがボクにとっての基本的な旅のスタイルなのだ。

サーフィン好きがこうじてプロサーファーになったボクは現在そのキャリアを活かしてライターとして主にサーフィン専門誌に記事を寄稿している。ようするに大好きなサーフィンについて書いていればいいのだ。

読者の大半がサーファーであるわけだからニュアンスも伝わりやすい。
そんな温室育ちのボクに当サイトからのオファーが届いたときにはわかりやすく後ずさりしてしまった。

なぜならトリプロのユーザーのほとんどがサーファーではないだろうと容易に想像できたからだ。ボクにとっての『旅』はどうしてもサーフトリップの話になってしまう。

サーフィンに触れることなく旅を書くことはできない。
果たして一般の読者がサーフトリップを読んで面白く感じるのだろうか。
そんな不安は払拭しきれていないのだが、サーファー以外の方に旅を通じてサーフィンの魅力を伝えることができるのであればライター冥利に尽きる。

というわけであまりごちゃごちゃと考え過ぎても仕方がないのである旅について書いてみよう思う。

旅は始まる

バリ島はハワイと並ぶサーフィンのメッカだ。
サーフィンに適した波が一年中押し寄せる。
ついでに波を求めたサーファーも世界中から押し寄せてくる。

サーフィンのポイントは混雑を極め、ゆったりとサーフィンを楽しめる状況ではなくなり始めてしまっている。波の数とサーファーの数のバランスが取れなくなってしまっている。

サーファー同士で波を取り合わないと波に乗れなくなってしまっているのだ。
空いている海でのびのびとサーフィンをしたい。
誰に気兼ねすることなくサーフィンをしたい。
そんな思いが膨らんでいった。

思いが膨らみ、強い願望に変ると自然とそんなことばかり人に話をするようになる。
すると案外情報は集まるものだ。誰もいない海に人知れず波がブレイクする夢の島。
そんな島がバリ島の近くに存在するようなのだ。

バリ島から高速船で約4時間。
3つの小さな島が身を寄せ合うように浮かんでいる。
ギリ・トラワガン、ギリ・メノー、ギリ・アイルの3島から成っているギリ。

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どうやらそこに波があるらしい。
サーファーはほとんどいないらしい。
海が恐ろしく美しいらしい。

らしい、らしい、という話が次々と耳に飛び込んできた。
もうこうなったら『らしい』を信じて旅に出るしかあるまい。

先の見えない旅ほど面白いものだ。
というわけでボクはバリニーズの友人Miki Mosol(以降Miki)を誘ってギリに向かうことにした。

旅は始まったのだ。

gili

vol2:無人の波を求めて 〜ギリSurf Trip vol2〜 – tripro VOICE

この記事を書いた人

有本 圭

有本 圭ライター

世界一周旅行をきっかけに「海と共に生きる」ことを決意し、湘南へ移住。2000年にJPSA公認プロサーファーになる。2007年まで7年連続シード選手として活躍しつつ、サーフボードとともに世界を歩いた。2012年10月に家族と共にバリ島へ移住し、ライターとして『Blue.』や『NALU』といったサーフィン誌に寄稿している。

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