こんにちは、はるぼぼです。日本人にとって身近な旅先である台湾。日本と台湾を結ぶLCCの増加により、台北だけでなく、地方都市へも目を向ける人が増えてきました。
そんな中、いま注目の街が、台湾中部に位置する台中。台湾第3の都市・台中では、古い建物を再生したリノベーションスポットが若者を中心に高い人気を集めています。なかでも、絶対に見逃せないのが「宮原眼科」という名のスイーツショップなのです。
日本人が開業した眼科が大変身!
台中を旅行する旅行者が必ず立ち寄るといっても過言ではないのが、「宮原眼科」。「眼科」といっても、眼医者ではありません。地元台中の菓子店「日出」がオープンした、いま大人気のスイーツショップなのです。
「宮原眼科」の名が示す通り、この建物はもともと、日本人医師・宮原武熊氏が1927年に開業した眼科でした。戦後、宮原医師は日本に帰国。建物は国民党政府の管理のもと、「台中市衛生院」として再利用されました。
衛生院が閉鎖されて以来、数十年ものあいだ建物だけが放置されていましたが、「日出」が大胆にリノベーション。日本人医師が開業した眼科は、レトロモダンなスイーツショップに生まれ変わったのです。
ヨーロッパの図書館を思わせる非日常空間
重厚な扉を開けてレンガ造りの建物の中に入ると……はっとさせられるほど豪華な空間。筆者が訪れたときは、他にも日本人観光客が何名か来店していましたが、皆一様に「すごい!」を連発。本当に感動したきは、意外にそんなシンプルな言葉しか出てこないものなのかもしれません。
外観はどちらかというと質実剛健な印象ですが、内装はなんともエレガント。
美しく装飾されたガラス天井に、天井までの高さがある棚に収められた本、きらびやかなシャンデリア……ヨーロッパの図書館を思わせる非日常空間にうっとりせずにはいられません。店内の写真撮影は自由。これは、写真好きにはたまりませんね。
芸術作品のようなディスプレイ
豪華な内装だけでなく、あたかも芸術作品のような商品ディスプレイにも目を奪われます。アンティークの天秤の上に乗っているのは、高級感あふれるチョコレート。
さらには、造花ではない本物の花が、重厚な空間に華やぎを添えます。
宮原眼科の商品はいずれもアート感覚が光る美しいパッケージ。店内に並んでいるお菓子を眺めているだけで心躍ること請け合いです。
台湾みやげの定番・パイナップルケーキ
宮原眼科では、チョコレートやクッキー、お茶など、さまざまな商品を取り扱っていますが、台湾みやげの定番といえば、やはりパイナップルケーキですよね。
実は、日出のパイナップルケーキは、台湾産パイナップルを100パーセント使用したパイナップルケーキの元祖といわれています。「パイナップルケーキ」として売られているもののなかには、パイナップルジャムが使われているものも少なくありませんが、日出のパイナップルケーキは、パイナップル本来の風味にとことんこだわった逸品なのです。
色鮮やかな美しい箱を開けると、レトロなイラストが描かれた袋に入ったパイナップルケーキがお目見え。さすが、細かいところまで凝っています。
酸味と甘みのバランスがとれた上品な味わいに感動
個包装の袋を開けると、丸いパイナップルケーキが出てきました。パイナップルケーキといえば四角が主流なので、丸い形はちょっと珍しいですね。
口に運ぶと、バターがふわっと香ります。続いて、サクッとしていながらふんわりと柔らかい生地を一口噛めば、甘酸っぱいパイナップルの風味が口いっぱいに広がります。
一番人気の「土鳳梨酥」は、やや酸味が強いオリジナルの味。それでも酸っぱすぎるということはなく、ほどよい甘さも感じられるすっきりとした味わい。酸味と甘みのバランスが絶妙です。
噛むとしっかりとした果肉の歯ごたえがあり、パイナップルそのもののおいしさがぎゅっと詰まっています。自然であっさりとした味わいなので、朝からでも食べられそうなほど。こんな上品なパイナップルケーキがあったなんて! 感動です。
店内を見るだけでも訪れる価値がある、宮原眼科。でも、見るだけのつもりで行っても、やっぱり買わずにはいられないかもしれません。美しいパッケージに彩られた宮原眼科のスイーツは、台湾みやげとしても最適。台中でしか買えないという付加価値もあって、プレゼントした相手にもきっと喜ばれるはずです。