一直線に伸びる参道の先に、黄金に輝く夕陽が沈んでいく…。福岡県福津市の宮地嶽神社で、2月と10月のわずか数日間だけ現れる「光の道」。誰もが一度は夢見る絶景ですが、実はそのハードルは驚くほど高いことをご存知でしょうか? わずかな雲が太陽を遮るだけで、その「奇跡」は姿を消してしまいます。
しかし、タイミングと天候さえ味方につければ、特別な機材は必要ありません。あなたのスマホやカメラが一生モノの1枚を切り取ってくれるはず。本記事では、2月・10月の両シーズンを知る筆者が、後悔しないための鑑賞ポイントをお伝えします。
「光の道」が現れる時期と、奇跡が起こる仕組み
毎年2月と10月の年二回しか見られない“奇跡の絶景”として知られる「光の道」。夕日・地平線・参道・鳥居が一直線に並び、参道が光り輝く神秘的な情景が楽しめます。国民的アイドルグループである嵐が2016年に航空会社のCMに出演し、「一生に一度は見たい」絶景スポットとして爆発的に注目されるようになりました。

玄界灘の「相島(あいのしま)」へ夕陽が沈む瞬間。参道と一直線に重なる奇跡
宮地嶽神社の参道は西に向かって真っすぐ伸びており、そして参道と直結する一般道が玄界灘まで一直線に伸びています。夕陽が沈む位置がこの参道の直線的な延長線上に来た時に、この神秘的な絶景に出会えます。その夕陽が沈むタイミングが2月下旬と10月下旬の年二回であり、それが奇跡の絶景が起こる理由なのです。
事前の確認が必須! 鑑賞のためのルールと準備
「光の道」が現れる期間中、宮地嶽神社では多くの参拝客の安全を確保するため、特別な観覧ルールが設けられます。なお2026年春の場合、「光の道」の見頃に合わせて、2月19日~2月28日まで「夕陽のまつり」が執り行われます。
参道の規制
例年15時頃から参道の階段は一般の通行が制限され、観覧席となります。ここには「特別祈願席(予約制・初穂料が必要)」と、当日配布される整理券による「一般観覧席(無料)」があります。行って整理券をゲットしましょう。
整理券の配布
一般観覧席を利用したい場合、当日午後(例年14時頃)に整理券が配布されます。しかし非常に人気が高いため、早い時間に終了することもあります。配布時間や場所は、事前に宮地嶽神社へ最新情報を確認してください。

多くの人で賑わう一般観覧席。マナーを守って奇跡の瞬間を皆と分かち合いましょう 。
禁止事項
境内での三脚・一脚の使用や、ドローン撮影は禁止されています。また、通路での長時間の立ち止まりも避け、警備員や職員の方の指示に従いましょう。
【攻略法】運を引き寄せる! 天候の見極めとスマホ撮影のコツ
2月と10月、どちらの時期も景色の美しさに差はありません。しかし、最大のハードルは「天気」です。
「水平線の雲」をチェック
予報が「晴れ」でも、海上に薄い雲があるだけでも夕陽は姿を消してしまいます。こればかりは運次第と言いたいところですが、実は違います。
事前準備としては、当日の天気予報だけでなく、雨雲レーダーで日没時間に雲が無いか確認すること。宮地嶽神社付近だけでなく、遠くの海(ほぼ西側直線上にある長崎県の壱岐島辺りまで)雲が一切ないかチェックすることが肝心です。
スマホ撮影の裏技「露出調整」
特別な機材がなくても、スマホでも十分綺麗な「光の道」を撮影することは可能です。そのコツは『露出(明るさ)を下げる』(太陽をタップして明るさを下げる)こと。これだけで、白飛びしていた光が黄金色にギュッと凝縮され、ドラマチックな「光の道」を写し出すことができます。
撮影時は若干暗すぎるくらいでも大丈夫。撮影後に明るめに調整した方が、結果的に「映える」光の道が記録として残せます。これは一眼カメラでも同様です。

露出を調整して光を絞り込むことで、夕陽の光条(光のトゲ)を強調
撮影の更なる裏技「時期を少しだけ外す」
座席が上手く確保できたにしても、ハードルの高い天候条件をクリアするのは至難の業。筆者は春秋ともに絶好調の「光の道」に遭遇できた経験がありますが、チャンスは1シーズンで数回程度でしょう。正直言って、「夕陽のまつり」の期間中でも出会えないことの方が多いのが実情。逆にそれが「奇跡の絶景」の価値を高めています。
期間中どうして天候に恵まれない場合は、「夕陽のまつり」を少し外した前後に訪れてみるのも良いでしょう。当然ベストタイミングではないので、参道の手前で夕陽が沈むか、参道より高い位置で夕陽が通過することになります。

祭りの前後でも黄金に染まる参道は神々しく、息を呑む美しさ
手前で夕日が沈むとどうしても少々残念な気持ちになるので、あえて夕陽が参道と一直線上に通過する画もドラマチックな光景です。その時期は祭り時期よりも少し日没が遅くなる日、つまり春だったら3月初旬、秋だったら祭り開催前の10月上旬です。場所取りもまつり期間中に比べると容易ですが、天候(特に西側の雲の有無)の事前チェックは変わらず必須作業になります。
もし「奇跡」に出会えなくても。宮地嶽神社の魅力とは
この様に「光の道」はハードルが高い奇跡の絶景ですが、もしも出会えなくても宮地嶽神社の魅力はそれだけでありません。
宮地嶽神社は約1800年前に創建され、全国に鎮座する宮地嶽神社の総本宮。開運商売繁昌にご利益があるとされ、福岡県では太宰府天満宮と共に最も参拝者が多い神社の一つです。

迫力満点、日本一の大注連縄。境内には他にも2つの「日本一」があります。
また宮地嶽神社には、三つの日本一があります。一つは、境内にある大注連縄。直径2.6メートル、長さ11メートル、重さ3トンあり、毎年掛け替えられています。あと二つは、直径2.2メートルの大太鼓と450キログラムの大鈴が日本一を誇ります。
また、2月の光の道の「夕陽のまつり」の時期は梅の花の開花時期と重なります。運が良ければ、梅の花で戯れる小鳥(メジロ)に出会えるかもしれませんよ!

2月の境内を彩る梅とメジロ。光の道を待つ間に見つけたい春の景色
・所在地:福岡県福津市宮司元町7-1
・電話番号:0940-52-0016
・アクセス:
車 (福岡方面から)九州自動車道古賀IC下車、約20分。(北九州方面から)九州自動車道若宮IC下車、約25分
バス JR福間駅から西鉄バスに乗車、宮地嶽神社前バス停下車(約6分)
・光の道「夕陽のまつり」開催期間:2026年2月19日~2026年2月28日



