巳年の今年は弁財天参りがオススメということで、各種メディアで有名な弁財天ゆかりの神社仏閣が紹介されていますよね。しかし、パワースポットマニアの筆者はあえて有名どころではなく、東京の穴場の弁財天へとあなたを誘います。
今回は静かで自然豊かなパワースポットを好むあなたに、都心から30分程度の武蔵小金井~国分寺エリアの「貫井神社」と「下弁天」の二社をご紹介しましょう。
中央線沿線のパワースポットとは!?

今でこそ住宅など建物で埋め尽くされていますが、小金井から国分寺界隈は国分寺崖線(はけ)と呼ばれる武蔵野台地。アップダウンが激しく、所々湧き水が流れる自然のエネルギーに満ちた土地でもあります。
そんな場所で人々は自然からの恵みを受け、感謝の印として神様に祈りを捧げてきた経緯から、エリア内には数々の神社仏閣が点在しています。代表的なのは何といっても奈良時代から続く国分寺ですね。

●パワースポット「国分寺」の詳細はこちら『東京で古代ロマンに触れる穴場のパワースポット―奈良時代から続く「武蔵国分寺」』
古来日本人は自然豊かな場所を聖域として崇めてきたことから、現在に至るまでその痕跡が残っていることもしばしば。今回ご紹介の貫井神社と下弁天もそんな縄文の時代から続くパワースポットなのです!
縄文時代からの聖地―貫井神社

JR中央線武蔵小金井駅と国分寺駅の中間に鎮座する貫井神社の起源は、1590年に水の神である水神様を「貫井弁財天」として祀ったことにあります。

【ご祭神】
・市杵島姫命(いちきしまひめのみこと):弁財天と同一視されている神様です。
・大己貴命(おおあなむちのみこと):大国主命の別名といわれています。
【ご利益】
学芸成就、商売繁盛、起業成就、五穀豊穣、良縁祈願など

境内は森で覆われており、さらに社殿の周囲には「東京の名湧水52選」に選ばれた湧水が流れ、まるで結界が張られているかのよう・・・そのおかげか清らかで凜とした空気に包まれています。

境内裏は丘になっており、向かって左側の急勾配の階段から上を目指しましょう。途中に不動明王堂・愛宕神社・八雲神社の摂社末社が鎮座しており、山中巡礼の気分が味わえます。

周囲の住宅街が嘘のように、深い森が広がっています。筆者の中ではこの森こそが貫井神社のパワースポットだと確信。

実際に調べてみると、貫井神社の深い森は縄文時代に遡るそうです。実際に当時の集落跡の遺跡も発掘されており、崖上(はけ)の地形と水源の土地の利から当時の人々が暮らしを営み、さらに神への信仰を捧げた痕跡を今に伝えているとのこと。つまり16世紀に貫井弁財天になる前からこの地は聖域だったのです。
この辺りのお話は、武藤郁子さんの『縄文神社(首都圏編)』に詳しく記載があるので、興味がある方はぜひお目通しを!
●貫井神社
東京都小金井市貫井南町3丁目8-6
姉妹スポットの下辨財天

武蔵野に太古から残る弁財天のパワースポットは貫井神社だけではありません。貫井神社から野川沿いを武蔵小金井駅方面へ進み、248号線・新小金井街道を渡ってさらに南下すると「下弁天」と呼ばれる弁財天の神社に行き着きます。

ご由緒書によれば武蔵野の地を開墾した一族が、水源への感謝として水神を勧請したのが始まり。そして中世に入り貫井神社を「上弁天」、こちらを「下弁天」と称するようになったそうです。

残念ながら昭和の時代に水脈が枯れてしまい、現在は弁財天の象徴とも言うべき弁天池は外枠こそ残っているものの、すっかり干上がった状態に・・・それでも境内は美しく整えられ、小ぶりながらも比較的新しいお社からは地域民の弁天様信仰の篤さが伝わってきます。

折しも筆者が参拝したのは桜の時季。境内は薄紅色に染められ、心なしか祀られている弁天様も喜んでいるのかな、なんて思ったりしました。
●下弁天
東京都小金井市貫井南町2丁目1
もう一つの穴場パワースポット―滄浪泉園

冒頭でお伝えした通りこの地域は崖線(はけ)と呼ばれる地形から、すっかり現代的な街並みに様変わりしてはいるものの、豊かな水脈による自然パワーを今なお宿しています。今回訪れた貫井神社と下弁天は、そんな武蔵野台地の代表的なパワースポットと言っても過言ではありません。

しかし今回はもう一箇所、神社仏閣ではありませんがどうしてもご紹介したい場所があります!それは貫井神社にほど近い、新小金井街道と連雀通りが交わる地点に位置する「滄浪泉園(そうろうせいえん)」です。

元は明治~大正期の有力者・波多野承五郎の別荘跡地で、現在は東京都の管理の下、自然豊かな庭園として公開されています。
筆者が地図アプリで確認していた際に偶然見つけた場所なのですが、パワースポットハンターの勘で妙に気になってしまい、今回の弁天参りの流れで足を踏み入れてみることにしたのです。

これが正解で、階段を降りた先に広がる深い森と大きな池からは、いにしえの武蔵野の森にタイムスリップした気分になりました。この滄浪泉園の池辺こそが純度の高いパワースポットなのでは!?

実際に武蔵野の地形と自然を活かした設計だそうで、都会では見られないような杉・赤松、そしてニリンソウなどの野草が今なおこの地に生い茂っています。
100円の入園料で心洗われるパワースポット体験ができるのですから、これは行かない手はありませんね!
●滄浪泉園
東京都小金井市貫井南町3丁目2-28
都内から電車でわずか30分弱! 武蔵野のパワースポット

筆者は個人的に、西東京に広がる武蔵野をパワースポットとして注目しており、これまでに国分寺や府中の大国魂神社などをご紹介済みですが、今回は巳年に参拝必須の弁財天に絞って貫井神社と下弁天の魅力をお伝えしました。
そしてパワースポットと言うと神社仏閣がイメージされますが、今回ご紹介の滄浪泉園のように、昔ながらの土地を保存した庭園なども古来のエネルギーが充満するパワースポットだったりします。
次の巳の日の開運弁天参りには、JR中央線に乗って武蔵小金井~国分寺界隈を選んでみてはいかがでしょうか。