セルビアって、どこにあるかよく分からない国ですよね。
しかし、その名前を知っている人にとっては「え!?そんな所に行って大丈夫なの!?」と不安になるような国でもあります。
”悪名”高いセルビアですが、その実態はモダンで、お洒落で、治安の良い、女子会にピッタリの国なのでした。インスタ映えも意識した、知られざる今のベオグラードをご紹介します。
まず一般的な”悪名高い”セルビアについて
セルビアは2006年に生まれたばかりの新しい国です。マイナーなのも当然。バルカン半島に位置し、ハンガリーやクロアチア、ルーマニアと国境を接しています。
もちろん、無から急に生まれた国ではありません。
2006年まではユーゴスラビアという一つの大きな国でした。しかし、1992年に民族間で三つ巴・泥沼の内戦が発生し、収拾がつかなくなります。
本当に収拾がつかず、民族浄化、ジェノサイドと言った近代史に残る血で血を洗う事態になり、国連も仲介に失敗。20万人近くの犠牲者を出した末にNATOが重い腰を上げます。内戦の切欠になったセルビア人の本拠地、ベオグラードを空襲しました。セルビア人勢力を壊滅に追い込む事で、とりあえず戦争を終わらせる事にしたのです。
NATOの空爆により、複雑なユーゴスラビア内戦の情勢は「とりあえずセルビアが悪かったんじゃない?」という事になり、幕を下ろしました。
当時のセルビアの行いについては擁護不可能な悪行の限りですが、何しろ隣人同士で殺しあっていた内戦の有様。誰かが悪かったと言えるのか。
しかし2018年現在でさえ、コソボとの国境で小競り合いが続く火薬庫、バルカン半島。
これ以上つつくとまた戦争が始まるかも知れません。
とりあえず、セルビアが悪かったという事にして、この話はやめておきましょう。と言うのが、2018年現在の結論です。
ベオグラードなう カワイイの限り・モダンな夜
内戦と空襲の痛手も激しく、復興を余儀なくされたセルビアの首都、ベオグラード。
しかし、その復興はかなり素早く進んでいます。”モダンな町並み”は一度空襲で焼かれ、復活した証。
その町並みがオシャレである事は、セルビア人本来のセンスでしょうか。
ナイトライフも充実しており、旧市街にはセンスの良いパブや、カフェ飯が充実したカフェバーも多く集まっています。雰囲気としては、表参道に近いように思えます。
しかし特筆すべきは、その物価の安さ! セルビアは2018年現在、ユーロに加入しておらず、独自通貨ディナール(RSD)を使用しています。一方で、セルビア人の平均月収は400ユーロ程度。体感としてはロンドンの三分の一、表参道の二分の一程度の物価でしょうか。「めちゃ安い!」の宝庫です。
物価が安いと聞くと、不安になるのが治安です。ところがベオグラードは治安も格段に良い!
まず、内戦は終わり、戦争の面影はもうありません。しかし国家に余裕は無いので、移民は来ません。観光客が多い訳でもないので、スリや強盗で生計を立てるのも難しい。堅実に生きるしかないのです。
しかし、セルビアはEU加入を目指しています。
国土も豊か。これから発展して行く事は間違いありません。
もしEUに加入すれば、国境を開放しない訳には行きません。観光客が増えれば、スリもやってくるでしょう。もしかするとこの平和は、ほんのひと時の奇跡なのかも知れません……。
今行った方が良い国、セルビアです。
若者向けブランドが揃う、オシャレなショッピングモールも見逃せない!
セルビア人はオシャレです。
流行を意識し、重ね着という概念があり、外出の際には化粧をしようという気概があります。
そうした事から、ショッピングは大変に充実しています。しかし、先述した通り、平均月収は400ユーロ程度。欧州の平均からすると、低い部類です。
そうした事情から、セルビアのショッピングモールには低価格でオシャレな、セルビア産やスペイン産、トルコ産などのブランドが並んでいます。日本未進出の珍しいブランドも見付ける事ができますよ。スペインやトルコのブランドは東洋人の体格とも合うので、値段と並んで嬉しい要素です。
プチプラファッションを楽しむなら、セルビアのショッピングモールで掘り出し物に出会えるに違いありません。
観光名所、あります。カレメグダン要塞
旧ユーゴスラビア域の中で唯一空爆を受けたにも関わらず、セルビア・ベオグラードは活気ある町です。その理由は、もう焼かれ慣れてるし……という歴史にあるのかも知れません。
ベオグラード自慢の観光名所が、カレメグダン要塞。
街の真ん中、川沿いの好立地にある古要塞です。周囲は広い公園になっており、軍事博物館を内包する他、恐竜の実寸大フィギュア、古教会などが点在する、散策し甲斐のあるスポットです。
実はベオグラードはヨーロッパ最古の都市のひとつ。ヨーロッパへの玄関口として長らく栄え、紀元前六千年には既に人が住んでいたというから驚きです。
カレメグダン要塞からは、ベオグラードの町と自然を圧倒的なスケールで見下ろす事ができます。
とにかく美味しい!ミックスカルチャー飯
文化が交じり合う場所は飯が美味い、とは世界の必定。イスラム文化とキリスト文化が交じり合うセルビアの料理が美味しくないはずがありません。
ジューシーな棒状のハンバーグ「チェバプチチ」はトルコの風を感じますし、ハンガリー風煮込みのグラシュや、ギリシャ料理の「ムサカ」もセルビア風アレンジで美味しく頂けます。
どのお皿もボリュームたっぷり。特に肉料理が得意な国です。
また、セルビアで「パンケーキ」を注文すると、もちもちしたクレープのようなデザートが楽しめます。
ケーキも小振りでお洒落なタイプが多く、スイーツ食べ歩きも満足できる国です。
セルビアはワインの名生産国ですから、ぜひワインと一緒にお楽しみ下さい。
治安良し・ご飯美味しい・オシャレで可愛い、と女性に嬉しい要素たっぷりのセルビア、いかがでしょうか。
インスタ人口も多いようで、オシャレスポットには「インスタに投稿してね!」とハッシュタグ付きの看板が飾ってあったりもします。
英語が通じて、人も親切とくれば、好きになってしまうこと間違いなし。是非一度遊びに行って欲しい国です。
編集部注:2020/02/07 読者よりご指摘いただき、誤りのあった写真を確認し、差し替えました。