フィリピンには、コックファイティング(闘鶏)という、鶏同士を闘わせる競技があります。
例えるなら日本での競馬のようなもので、多くのフィリピンおじさん達を熱狂させる賭け事です。
フィリピンのおじさん達が少年の心に戻り、無我夢中に鶏を応援するその熱に圧倒されながら、闘鶏場(コックピット)に潜入してきましたのでそのレポートをさせていただきます。
闘鶏(とうけい)とは?
動物を闘わせる競技としては闘牛や闘犬がありますが、闘鶏とは、文字通り鶏と鶏を闘わせる競技です。
この競技は、ヨーロッパからアメリカ、アジアまで世界的に存在している文化のようです。
日本においても、軍鶏(しゃも)という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
近年では日本で闘鶏を行うことを禁止していますが、ベトナムやフィリピンなどの東南アジアでは、今なお残っています。
闘鶏場独特の雰囲気
今回訪れた闘鶏場はLa Loma Cockpitというコックピット。
「Blumentritt」という駅から歩いて約10分程の場所にあります。
中に入ってみると、ムッとする熱気。
見渡すと200人くらいいますが、ほとんどおじさんで女性は3名位しか見当たりません。
どうやらファイティングの途中のようで、おじさん達は、中央のリングに掛け声や声援を一生懸命投げかけていました。
試合が終わると、今度はぐちゃぐちゃに丸められたフィリピン・ペソ紙幣が会場をぽんぽんと飛び交います。
最初はわけが分かりませんでしたが、何回か見ているとどうやらこんな仕組みのようです。
前提として、どっちの鶏が勝つか?という賭けです。
①賭けに参加したい人は立って、「俺と◯ペソで賭けたい奴は?」と客席を見渡しながら大声で呼びかける。
(ここが1番熱狂的)
②その額で賭けてもいいと思えば、呼びかけに応える。
(目を合わせたら賭けに応じたと思われそうで、あまり熟視できませんでした)
③いろんな賭け金で、いろんな人と①②を繰り返す。
(誰にどれだけ賭けたか、各自で覚えておく←すごい)
④試合開始。
(当然、賭けた鶏を熱狂的に応援する)
⑤賭けに負けた人が、勝った人に丸めた紙幣を投げ合う。
(ポップコーンが弾けるよう)
鶏が闘う試合の様子
これが、今回のメインファイティングの様子です。
ブリーダーが、審判のもとに手塩にかけた鶏を持ち寄ります。
鶏の片足には刃物がついており、「相手の鶏の闘志を失くしさえすれば勝ち」というルールです。
試合運びをスムーズにする審判の采配も絶妙で、良いタイミングで試合を仕切り直します。
約3分にわたる熱戦の末、片方が息絶える形で試合が終わりました。
亡くなった鶏は、回収されてごはんになるそうです。
孵化しかけのゆで卵・バロットを食べる
鶏たちと共に連戦を戦ったおじさん達は、ほっとしたのか、会場を出て立ちションに興じていました。
帰り道、フィリピンの屋台グルメ「バロット」を初めて食べました。
▲【閲覧注意】※画像をクリックするとモザイクなしで見れます。
孵化しかけている鶏の卵をゆでたものですが、少し固いゆで卵と変わらず、酢をかけて食べるととても美味しかったです。
見た目はちょっと抵抗がある方も多いと思いますが、こんな感じで屋台で若い女性もふらっと食べているので、ぜひトライしてみてください。
以上、フィリピンの闘鶏レポートでした。
また、フィリピンに行ったらこの鶏料理をぜひお召し上がりください!