土用の丑の日が近いこともあり、スーパーマーケットにも並び始めたうなぎ。
うなぎは養殖でも十分旨いですが、「天然うなぎ」という言葉の響きには美しさに近い憧れがありますよね。
うなぎ屋さんに行っても、実は養殖のうなぎを使っていることはよくあります。
都内で天然うなぎが食べられる飲食店は、高級店が多く、かつ数えるほどしかありません。
それもそのはず。
うなぎの流通量のうち、天然うなぎは0.3%未満と言われています。
その天然うなぎが捕れるとしたら? それも東京で。
今回は、実際に天然うなぎを捕って蒲焼きにしたレポートをお送り致します。
天然うなぎは葛飾区のある川にいます
今回は、地元のうなぎ捕り名人のご指導の下行ってきました。
ポイントはなかなか教えにくいのですが、葛飾区の某川ということでご想像ください。
(どうしても知りたい方は個別にご連絡ください)
うなぎの活動時期は、日没の暗くなってから。
うなぎは「時合」が全てと言われるほど、時間帯によって大きく左右されます。
名人によるとコウモリの活動時期とも重なるそうなので、コウモリがよく飛んでいるとウナギが捕れる傾向にあるようです。
暗闇の中、道具を持っていそいそと川へ向かいます。
うなぎを釣ろう
うなぎの捕獲方法はいくつかあるようですが、名人は投げ釣りで捕獲していました。
仕掛けは非常にシンプルなもので、「うなぎ釣り 仕掛け」と検索すると出てくる、有名な投げ釣りの仕掛けです。
エサはいろいろ選べますが、やはり天然のうなぎを釣るには、天然のミミズが良いでしょう。
竿に鈴を付けるのを忘れず、勢い良くなるだけ遠くに投げ込んだらあとは待つだけ。
うなぎは餌を探して動き回るので1時間くらい待って、食いつきがなければ餌を付け直してまた投げ込むことを繰り返します。
缶ビールを買って、夜の水面に浮く月を眺めながら、鈴の音を待ちましょう。
このゆったりとした時間が、天然うなぎを釣る楽しみでもあります。
また、よくペットボトル釣法という釣り方が紹介されています。
川岸からすぐ深くなる地形の川は良いですが、なるべく遠くに仕掛けを投げ込むには、ちょっと勝手が悪い釣り方です。
場所に合った釣り方をしたほうが良いです。
天然のうなぎが釣れた!
この日はうなぎ釣りにはそんなに良いコンディションではなく、名人も「今日はたぶん釣れないだろうなぁ・・・」と呟いていました。
その呟きをよそに、ビールを飲みながら鈴の音に期待します。
だいぶ酔いもまわってきたそのとき
「リンリンリン」
と鈴の音が!
名人の竿になにかがかかったようです。
あげてみると、そこにはにょろにょろとしたうなぎの姿が!
初めて天然のうなぎを見た私は興奮して思わず大声が上がりました!
天然のうなぎはエネルギーに満ち溢れており、すぐに魚籠から逃げ出す始末。
素手で触ろうとしたら、名人に「うなぎのヌルヌルは毒があるから気をつけて」と注意してくれました。
みなさんも興奮して素手で触らないように気をつけてください。
天然のうなぎを、いざ、実食!
この日は1匹しか捕れませんでしたが、名人が捌いて蒲焼きにしてくれました。
蒲焼きは焼けるまでの間に、醤油と砂糖の香ばしい香りがあたりを包んでくれ、待っているだけで食欲を刺激するほど幸せな気持ちになります。
さて!
待ちに待った天然うなぎの実食です!
うまい!
柔らかい!
身体中に生命のパワーがいき渡る感じが心地よいです。
箸が止まらず、無限に食べれそうです。
この味を一度知ってしまったら、他のうなぎは食べられないという不幸すらも感じてしまう旨さです。
あまりに旨すぎて、うなぎエキスの染み込んだつけダレを持って帰りました。
後日、またうなぎ食べたさに行きましたが、このときはまったく釣れず・・・。
この釣れなかった経験も、また次に釣れたときの楽しみだということで、ここを後にしました。
天然うなぎが食べたい方はぜひチャレンジしてみてください。