世界自然遺産として名高い、知床半島。
知床の大自然を地上から満喫するのももちろん充実した時間を過ごせるのですが、実はその大半には足を踏み入れることはできません。ウトロ側の知床(知床半島のうち、オホーツク海側の知床)は、カムイワッカ湯の滝までしか車で入ることはできないのです。
しかもここはヒグマの生息地。ヒグマを頂点とする食物連鎖が巡り廻るこの土地で、人間は本当に無力なものです。そんな人間を寄せ付けない、知床半島の先のほうの「知床岬」に行く方法はないのでしょうか……。
そこで、非力な人間でも知床岬を拝むことができる唯一の手段が「クルーズ船」に乗船することです。
しかも、海の上の安全な場所からヒグマウォッチング、運が良ければクジラやイルカ、シャチの群れまでウォッチングできちゃうんです!
俄然、乗船意欲が湧き出た私は、すぐに予約をとりました。いざ野生動物に遭遇する船旅へ!
「知床クルーザー観光船ドルフィン」に乗船
今回お世話になったのは、「知床クルーザー観光船ドルフィン」。
ウトロにはいくつかのクルーズ船会社が存在しています。出船時間やクルーズのコースなどから会社を選択すると良いと思います。
私の場合は、朝10時発、知床岬まで行ける3時間のコースが都合が良く、そちらを運航しているドルフィンさんで予約。この日は風が強く波しぶきが強く出ることが予想されるとのことで、レインコートもレンタルさせていただきました。ちなみに、結果としてレンタルして正解。レインコートがずぶ濡れになったので、スタッフのアドバイスは素直に聞くのが無難です!
いざ出発!
看板犬のお見送りを受けながら、いざ出船です。
船の上では、必ず救命胴衣を着用します。
波はそこまで強くはなく、船酔い傾向の強い私ですが、事前に酔い止め薬も飲んでいたこともあり酔うことはありませんでした。ドルフィンさんでは、薬を譲っていただくこともできます。
壮大な滝と山々に圧倒される
まずは、著名な滝から名もない滝まで、大小様々な滝が私達を出迎えてくれます。
カシュニの滝。陸から見ることはできない滝です。
こちらは、カムイワッカ湯の滝。陸路からは上から注ぎ落ちる姿しか見ることができません。
この滝は冬でも凍りません。流氷に覆われた一面の氷の世界になる真冬でも流れ続ける、温泉の滝とのこと。地上から訪れるとその湯に浸かることもできるそうです。
そして知床半島には山もたくさん存在します。特に春先のクルーズでは、まだまだ山肌に雪が残り、新緑の木々たちとのコントラストが一層幻想的な空間を演出します。
カムイワッカ湯の滝付近の海は、エメラルドグリーンです。温泉成分の影響とのことですが、さらに大自然を神秘的に感じられます。
一生分の滝を見たんじゃないかと思うくらい、様々な種類の滝を見ることができます。
そしていよいよ、野生動物の遭遇……!
ヒグマに会った……?
バードウォッチングはうまくいきました。多種多様な鳥達が羽ばたく姿を眺めることに成功です。
写真に収めることができたのは、とまっている鳥のみですが……
肝心の、ヒグマ。
遭遇率95%以上とのことでしたが……
なんと、この日、ものすごい遠くで、うずくまって寝ているヒグマしか見ることができませんでした……。
逆に何も見れない日は珍しいのではないかと思います……。
これはもう一度、知床に行かなければならないということだと思っております。
ちなみに、秋になると、ヒグマが鮭を捕る姿を見ることができるそうです。そういうワイルドなヒグマに出会いたかったなあ、なんて、春先に行っておいて恐縮ですが、そう思うばかりです。再度訪れるべき確固たる理由ができました。
知床岬に到着
強風と潮風の影響で、知床岬は芝生が敷かれているかのような様相。
天気が良い日は、この先に北方領土・国後島が見えます。
ここまで来ると、達成感さえ感じることができます。
野生動物が見たかった私としては、少し惜しまれる結果となったクルーズ船の旅、約3時間。
帰り道も、スタッフの方はかなり入念にヒグマを探しながら操船してくれましたが、自然相手のことですから、仕方ありません。
またリベンジにいきます!
そして初めて知床を訪れるという方にももちろんオススメです。午前中はクルーズ船、午後から知床五湖を散策、というプランも可能ですので、ぜひ計画してみてくださいね!