大阪駅より南に位置する肥後橋、北浜、淀屋橋辺りのビジネス街は、大阪が世界有数の都市として「大大阪(だいおおさか)」と呼ばれた頃の近代建築が多数見られるエリアです。その中の一つ「旧京町ビル」をリノベーションして開業したのが、世界的なホテルグループ・IHGの「voco大阪セントラル」。レストランやカフェ利用だけでも当時の建築デザインを感じることができるので、ランチ&カフェ利用でお邪魔してグルメと近代建築の名残を堪能してきました!
“大大阪”って何?
大阪市は、当時の東京市を上回り、人口・面積・工業出荷額において国内第一位であった1920年代から1930年代(大正~昭和初期)にかけて、その繁栄から“大大阪”と呼ばれていたそうです。その当時に建てられた近代建築が今も大阪のビジネス街に残っていて、近年は“レトロビル”として注目を集めています。
肥後橋の旧京町ビルもこの時代の近代建築のひとつで、2023年5月に当時の趣きを随所に残してホテルへとリノベーションされました。
voco大阪セントラル 「LOKAL HOUSE」をランチ利用
voco大阪セントラルを気軽に利用してみたいなら、「LOKAL HOUSE(ローカルハウス)」のランチがおすすめ。地元の人々で賑わう、明るく開放的なイタリアンレストランです。
レストランの天井には旧京町ビルの外壁を飾っていたレリーフのデザインが残り、奥の壁には旧京町ビルの写真を使ったモザイクアートも。
テーブルは窓際(壁際)に集中していて、キッチンは奥まった場所に配置。このバランスが心地良く、吹き抜けも相まって空間が広く感じられます。
本格的なイタリア料理を楽しめるランチブッフェ
ローカルハウスのランチタイムは、約40種類の本格的なイタリア料理をブッフェスタイルで提供。イタリア出身のエグゼクティブシェフと日本人シェフが在籍していて、それぞれが得意料理を競うかのように食欲をそそる美味しそうなお料理をブッフェテーブルに並べます。
テーブルオーダーの自家製手打ちパスタ
ブッフェのお料理以外に、テーブルでオーダーする手打ちパスタも楽しめます。
パスタとソースをお好きな組み合わせでオーダー。私はフェットチーネとポルチーニサルシッチャをチョイス。
最初はもう少し大きいポーションだったそうですが、「それじゃあ他のお料理を楽しめない!」というゲストの声で改良され、どんどん小さくなり(笑)今のサイズに落ち着いたそうですよ。お腹に余裕があるなら、2種類食べたいくらいの驚きのクオリティでした!もちもちのパスタもさることながら、しっかりとした味付けのソースが絶妙。お肉は噛めば噛むほど旨みが溢れてくる感じ。
少しずつ全種類制覇したいブッフェメニューも
ブッフェテーブルには悩ましいいくらい美味しそうなお料理が並んでいます。その中でも絶対に外せないのがこちらの「ポルケッタ」。
野生のハーブやニンニクを詰め込んで焼き上げた“子豚の丸焼き”が起源の郷土料理で、お祝いの席でよく食べられるそうですよ。本場のシェフがいるローカルハウスだからこそのお料理ですね。
一尾の鯛を丸ごと使ったアクアパッツァは、ふっくらとした白身にパプリカやムール貝を添えてお皿に盛り付けましょう。ここで欲張ってしまうと他にも沢山あるお料理が食べられなくなってしまうので、全種類制覇を目指している人は要注意!
他にもモスカルディーニ(タコ)やサフランリゾット オッソブーコ、アンガス牛のグリル、ムール貝の漁師風などの温製料理、サラダバー、冷製前菜など盛りだくさん。
この後にパスタが到着する予定だったので、様子を見ながら少しずつ盛り付け。温かいお料理の中でも特にパスタやポルケッタはすぐに食べたほうが美味しいので、早めにいただきましょう!
デザートは、自分で作るワッフルも楽しいですよ。メープルシロップやチョコレートソースもありますが、別の場所に置かれているアイスクリームをトッピングにしてもいいかも。
カフェスペースにはこんな懐かしの品も
カフェではアラカルトのお食事やケーキなどを楽しめます。ホテルのランチやケーキセットは、自分を労るちょっとしたご褒美としてもピッタリですよね。
カフェの入口付近には、旧京町ビル時代に使われていたレトロな私設ポストが置かれています。今ではもう集荷はありませんが、このポストに投函するとホテルスタッフが中之島郵便局に持って行ってくれるそうですよ。
カフェのカウンター越しに、エレベーターホールの奥のスタイリッシュな壁が見えます。これは旧京町ビルの鉄扉だそうです。言われないと絶対に気が付きませんよね。
voco大阪セントラルは、レストランやカフェを利用しながら、アートとして生まれ変わった昔の名残を探すのも楽しいリノベーションホテルです。
大阪府大阪市西区京町堀1丁目7-1