夏休み真っ只中! 行楽にぴったりな時期ということもあり、人の移動がとても活発になります。そんな事情ゆえに、駅やバスターミナル、空港は、なんだかいつもよりも混み合っている気がしますよね。
今回の記事は、「高速道路の渋滞や帰省ラッシュの混雑にほぼ無縁な北海道で暮らす筆者が夏休みの東名圏を移動してみる」というチャレンジ企画! 夏休み真っ盛りのバスタ新宿を出発地として、次の出張先となる名古屋市まで高速バスで移動してみました。
【スタート地点】バスタ新宿
この日バスに乗車する出発地点は、JR新宿駅に隣接する「バスタ新宿」。これまで都内では東京駅からしかバスへ乗車したことがなかったので、ここからバスへ乗車するのは初めてです。
バスへ乗車したのは2024年7月25日。この日は朝まで豊島区大塚のホテルで仕事をしていたため、チェックアウト後に山手線で新宿へ移動し、少し早めにバスタ新宿へ到着しました。
ちょうど夏休みが始まったばかりの頃ということもあり、待合ロビーはそこそこ混雑している様子。インフォメーションカウンターは、たくさんのひまわりで夏らしく装飾されていましたよ♪
待合ロビーの一角にはお土産店とコンビニがあり、施設から出ることなく買い物をすることができます。
公共施設なので当然ですが、施設内は全面禁煙。施設内に喫煙所はないので、タバコを吸いたい場合は一度ビルを出て、最寄りの新宿駅東南口高架下喫煙所を利用しましょう。
券売機上部のモニターには、これから同地を出発する各方面のバス一覧が表示されていました。同じ時刻に出発するバスがいくつもあるので、乗り場を間違えないよう気を引き締めます。
屋外にある乗り場は暑いので、ギリギリまで待合ロビーで待機することに。あらかじめネットで乗車予約をしていたため、焦って並ぶ必要はありませんからね!
普段生活している北海道の都市間高速バスは座席指定のない便が多いので、予約時に席を予約できるというところは嬉しいポイントでした。
【乗車】新東名スーパーライナー新宿(名古屋行き)
今回乗車するのは、12時10分発の名古屋行き「新東名スーパーライナー新宿」。JR東海バスが運行しているこの便に決めた理由は、到着地が名古屋駅から近いこと、女性専用席があること。他社の高速バスもそれぞれ名古屋駅のそばに到着するものはありますが、名古屋駅太閤口(新幹線口)から徒歩1分の専用エリアに到着するという利便性は、重い荷物を引きずって移動する際に大きな差となります。
出発時刻の5分前くらいに、指定された乗り場へバスが到着。この日は女性の乗務員が運転を担当していましたが、華奢な体格で次々と手際よく乗客の荷物を収納場所へ詰め込んでいく様は圧巻でした。
乗車口は車体の中央部分にありました。今回乗車するバスは1階と2階に座席が分かれており、1階部分は女性専用席となっています。
車内は左右2席ずつのリクライニング付きシート。各席にはUSB専用の電源がついており、モバイル機器の充電が可能です。
2階席の様子は確認することはできませんでしたが、この日は半分ほどの席が埋まっているようでした。1階の女性専用席は、筆者を含めて3名の利用。想像していたよりもかなり空いていたので、ちょっぴり拍子抜けでした。
運転士がすべての乗客が席に着いたことを確認し、バスは定刻にバスタ新宿を出発。およそ5時間30分の運行予定ということなので、途中に3カ所、サービスエリアやパーキングエリアで休憩時間があるようです。
【途中休憩】海老名SA・清水PA・長篠設楽原PA
まず休憩で停車したのは、神奈川県海老名市にある「海老名サービスエリア」。この日は序盤からやや渋滞しており、このサービスエリアに到着した時点で30分弱の遅れとなっていました。そのため、休憩時間は10分程度とやや短め。乗務員に今後の運行について詳細を尋ねてみると、「この先遅れを取り戻すことは難しいので、お客様の着席を確認する時間を含めて15分弱にして時間配分をしている」とのことでした。
北海道内のサービスエリアはショップが充実しておらず、内地(北海道外)のサービスエリアで売店や土産物店を回ることを楽しみにしていたのですが…仕方ありませんね。
次に到着したのは、静岡県清水市清水区にある「清水パーキングエリア」。地元のパーキングエリアは簡易的なショップとコンビニがあればせいせい良い方なので、アパレルショップやバイクショップまであることにとても驚きました。
ここでの休憩も10分程度。やはり、ショップをじっくりと見て回る時間はありません。
最後の休憩スポットは、愛知県新城市にある「長篠設楽原パーキングエリア」。“長篠”と聞けば、日本史の教科書でお馴染みの「長篠の戦い」を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか? まさにこの地は「長篠の戦い」に関わる地域。この戦の主人公のひとり・織田信長の家紋がいたるところに見られます。
ここでの休憩は、これまでで一番ゆとりのある15分。5分の差って、意外と大きいんですね。お手洗いに行って一服したあと、少しだけ売店の様子を見ることができました。
【その他】バスの中での過ごし方&新幹線との比較
道中の景色は多くのトンネルや高い柵に阻まれてあまり楽しむことができず、周囲を見回してみても、他のお客さんはタブレットで動画鑑賞をしていたり、ひたすら眠っていたりと暇を持て余している様子。筆者も例に漏れず、ほとんどの時間をスマホゲームと昼寝に費やしました(笑)。
そして、名古屋駅に到着したのは18時を10分ほど過ぎたころ。序盤の遅れが響き、30分程度遅れて名古屋駅前へ到着した今回のバス移動。結果的に総乗車時間は6時間に渡り、かなりの長時間移動となりました。ちなみに、東京~名古屋を新幹線で移動した場合、およそ1時間40分程度の移動時間。正確性と速さを重視する場合は、新幹線を利用したほうがよいかもしれませんね。
しかし、高速バスを利用する際のメリットは、運賃の大幅な節約と休憩時間の寄り道。同区間を新幹線で移動すれば1万円以上の運賃がかかってしまうのに、高速バスを利用すれば1/3〜1/2程度の運賃に抑えることができます。節約して浮いた分は、サービスエリアでのショッピングに回すことができるでしょう。
【感想】高速バスの長距離移動、実際どうだった?
長距離かつ長時間の移動にあえてバスを使うという無謀な旅は、10年以上前に浜松~東京間を移動したとき以来でした。前回も渋滞と事故によりバスの運行に遅れを来たし、かなり疲れて到着したという思い出がありました。
しかし、今回の旅は、前回よりも長距離の移動かつバスの車内設備や快適性が進化していたため、夏休み期間という混雑期であっても、想像していたよりも終始楽しく過ごせていたような気がします。
みなさんも時間と心にゆとりがあるときは、高速バスでのんびりと旅を楽しんでみてはいかがでしょうか?